鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

著者 :
  • 新潮社
4.04
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103509110

感想・レビュー・書評

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  • 鳥類学の本と聞くと難しそうに思えると思うのだけど、本書は誇張じゃなく3行に1回くらいボケが挟み込まれ、めちゃくちゃ読みやすい。
    わたしも鳥好きで、鳥類研究に憧れがあったんだが、この本読むと、フィールドワークは虫との戦いだったり、島まで泳いでいかないといけなかったり、やむを得ず鳥や動物たちの命を奪う必要がある場面もあり、過酷なんですね…やっぱ私には無理だ…。
    鳥だけでなく、環境や、動物全般に興味ある方にも楽しめる1冊だと思う。

  • この著者の書名のつけかたが好みだな、と以前から思っていたのですが、実際にちゃんと読むのは今回がはじめて。

    鳥類学者のリアルな日常を、シュールな例え話などを交えつつ、軽快に紹介してくれます。
    こんなに楽しい文章が書けるのだから、「鳥類学者はシャイで友達作りが下手」との説は少なくとも著者にはあてはまらないんじゃないか、と思いながら、けらけら笑って読みました。
    調査中にハエが次々と口に飛びこんでくる状況で「このハエは鳥の死体を食べている=素材は鳥肉100%=ハエの形をした鳥肉だ!」と自己暗示をかけたとのエピソードに、フィールドで調査する研究者の根性を感じました。
    各地の調査で見えてくる、生態系の仕組みや外来種の問題、人間の営みが自然に及ぼしてきた影響など、考えさせられる話題もありました。

    同じ著者のほかの著作も読んでみたいと思います。

  • 身近にいるのに、意外と知らない鳥類について分かりやすくかつ面白く書かれています。
    要所要所で笑える表現やシュールな表現がされていましたが、鳥類の知識は分かりやすく書かれています。それよりもフィールドワークの過酷さが伝わります。無人島に生息している鳥類の生態調査のため、島の崖を上り虫に襲われ…。想像していたよりも遥かに過酷な状況で調査が行われているんだと知り、学者の方々の努力は尊敬に値します。

    チョコボールのキョロちゃんの生態について推測している章は、架空の生物であるはずなのに実際に存在しているのでは?と思える位、詳細に推測されています。
    チョコボール片手に本を読むのもまた、面白いかもしれません。

  • 昭和のアラフィフ世代特有のギャグで少々読みづらさを感じつつも、鳥類に対する知識はもとより、苦労したエピソードなのに断崖絶壁の高さをピッコロ大魔王に換算して4人分など…参考にならずクスッと笑える。学者だよね?著者のキャラクターにハマります。

  •  我々の固定概念に一石を投じる内容でありながらとても読みやすかったです。クスッと笑えるところもあり、すぐに読み終わってしまいます。

  • 好きじゃないものに、こんな労力はかけない。気に食わなくも、多分ならない。鳥が好きすぎて、嫌いって言ってみたくなってるんだよね?って言いたくなる。が。

    この本、都会というか、私達の生活圏で、いかなる鳥と人間の関わりが繰り広げられているのか?ということが、わかりやすく、おかしくも解き明かされる。鳥の名前をそうたくさん言えない私でも、鳥類と人間の絡む最新のトピックがなんなのか、コーヒー片手に聞かせてもらえる。

    研究者の日常は、キツくてニッチで、素晴らしい。人間に大きな影響を与えた生き物は、犬、そして鳥、他にもたくさんいるけど、私が思ってる以上に、深いのだ。

  • 読んでいて嫉妬したくなるほどの面白さ。鳥類学だけじゃなく、これからは各学界にひとり川上氏を配置すれば、学問全体が盛り上がると思う。

  • 鳥類学者の川上さんの語り口が、何とも独特で終始クスッとしながら読みました。
    内容は初めて知ることばかりで興味深く、著者のユーモアが随所にあふれてて楽しい♪ニヤニヤが止まりません。
    「現実的大科学実験」の日焼けの実験結果は爆笑でした。

    *なぜ鳥は歩きながら首を振るのか?
    パッと思い浮かぶのはハト。本作でその謎が説けてスッキリ!
    鳥について楽しく学べる一冊です。

  • 子供科学電話相談で人気のバード川上先生。
    著作はどうかなー?と読んでみたら・・・
    せんせい!ご本のほうがラジオ回答よりもさらに面白いじゃありませんか!
    鳥類学者にしておくのがもったいないほど面白かったです。
    自然を対象にする研究者の活動というのは、私たち凡人が思い描くよりもアクティブだったんだなあ、と思った次第です。
    先生が私の拙文をご覧になることはないと思いますが、今後のラジオでのご出演も楽しみにしております。かしこ。

    • ひとこさん
      私もラジオから先生に、そしてこの本にたどり着きました。研究内容もですが文体の語り口もなんだかおもしろくて、なんなんだこの才能は!と思ってしま...
      私もラジオから先生に、そしてこの本にたどり着きました。研究内容もですが文体の語り口もなんだかおもしろくて、なんなんだこの才能は!と思ってしまったり。今年のラジオも楽しみですね~!
      2019/03/09
    • のび太のママさん
      コメントありがとうございました。
      まさか私の文にコメントを頂けるなどとは思ってもおりませんでしたのでびっくりです。ダイナソー小林先生・天文の...
      コメントありがとうございました。
      まさか私の文にコメントを頂けるなどとは思ってもおりませんでしたのでびっくりです。ダイナソー小林先生・天文の永田先生たちはGWのラジオにご出演されるそうで楽しみです。回答の先生方で本を出版されている先生は他にもいらっしゃるようですね。楽しみが増えました。
      2019/04/24
  • 鳥類学者さんが書いた、日頃の研究活動の内容を綴った本です。

    鳥類が好きなわけではなく、研究のために無人島でのサバイバル生活をこなす研究者さんに興味があって手に取りました。
    だって、BSで放映している動植物のドキュメンタリー映画には、半袖短パンで原住民のようにジャングルを歩き回る外人さんがたびたび登場し、私はそのたびに度肝を抜かれるのです。
    私自身はたった一泊二日のキャンプでも毎回ダニやヒルに襲われるというのに、地元民でもないこの学者さんは大丈夫なの?という素朴な疑問から、専門外のおぞましい動植物と遭遇しても、嬉々とした笑顔で何にでも興味を持つ好奇心いっぱいの学者さんの思考回路はどうなっているの?なんてことまで、生物学者さんという生態は私には理解不能な方々なんです。尊敬してますけど。。

    と、前置きが長くなりましたが、結果的に学者さんの生態は謎のままでしたが、大変面白く読むことが出来ました。
    著者の川上さんの文章、オヤジギャク満載で、しかも全体的にスベっていて、最初はちょっと引きました。(生物学者の謎は深まるばかり)
    が、いつの間にかその文章にハマってしまい、しかもギャクネタが微妙に古く、ん?と調べたらドンピシャ私と同世代だということが判明。駄菓子を愛するウチの夫もきっとハマッてくれるだろうと速攻読ませました。
    もちろん、全編ギャグ満載ではあるけれど、環境保全のために人間が自然とどうかかわりあうべきなのかを論じ、元に戻すことの難しさを示し、生物の多様性の意味を教え、それを守るために日々奮闘している真摯な一面も見せていただき、そういう意味でも最後まで興味深く読むことが出来ました。
    外来生物根絶!
    ニホンオオカミ復活!←そんな話はひとこともしてない、けれどもそんなことを思ってしまう本でした。。

著者プロフィール

森林総合研究所・島嶼性鳥類担当チーム長。西之島など離島の鳥類調査に従事。チーム名は自分で提案したのだが,「島」と「鳥」という字が似ていて時々混乱する。

「2023年 『羽毛恐竜完全ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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