劇場

  • 436人登録
  • 4.02評価
    • (16)
    • (13)
    • (13)
    • (1)
    • (0)
  • 25レビュー
著者 : 又吉直樹
  • 新潮社 (2017年5月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103509516

劇場の感想・レビュー・書評

  • 正直、読み始めてから1/3位まで
    ちょっと後悔するくらい、永田の話がつまらなかった
    なかなか読みたいという気にもなれずだった
    でも、中盤前に、どんどんと引き込まれ
    気になり、気持ちを寄り添い、心配になり
    最後は切なくて切なくて、
    永ちゃんも、さきちゃんも、悲しくて切なくてアホで
    若さゆえ、勢いなのか、正直なのかな気持ち
    思い出したり感じたり、貴重な読書時間を過ごした

  • 又吉さんが書いているという時点で、既にその世界に入れている、入らされている?
    独りよがりの主人公の胸が締め付けられる切ない物語。
    サッカーゲームの選手名を作家さんにして、イタリア、ブラジル代表と戦わせるシーンは又吉さんのセンスが光る。やはりツートップは芥川と太宰か。

  • 2017年05月21日読了。

  • デビュー作が評価された作家やミュージシャンは、往々にして「2作目のジレンマ」をどのように超えるかが大きな困難であり、そのジレンマを解決できずに歴史に埋もれた創作者は枚挙に暇がない。さて、本書を読了して真っ先に感じたのは、著者は一人の純文学作家としてのその陥穽を超克し、そのポジションを確立しただろう、という感覚であった。

    今作では演劇の脚本家である若者を主人公として、芸術という自己表現に従事する人間が、必ずどこかでぶち当たるであろう”自らの才能を信じることの不安”や”自分より評価されている他者への羨望や嫉妬”などの感情が、余すことなく描かれる。天才でない大多数の創作活動に従事する者でこうした感情を抱かないものはいない(抱かなかったのだとすれば、それは天才か馬鹿かのどちらかである)はずであり、その感覚の生々しさがこうした言語化され、ストーリーに中に自然と配置される技術は、著者の強い才覚に基づくものであろう。

  • 芸人であり芥川賞作家、又吉直樹が描く恋愛小説。

  • 主人公の卑屈さ、彼女に対するクズさに嫌気がさしましたが、最後は感動してました。
    時より出てくるユーモア、劇の構成は面白く、クズだけどすごい才能を持っているのではないかと思わされました。計算してのことだと思いますが、アイデアすごいです。
    自分の評価は低めですが、純文学があまり好みではないので、好みの問題だけです。

  • なんだこのクズ男と思いながら読んでいても、読後ずっしりと心にしこりが残りました。私も彼と似たようなとこが多少あるかもしれない。だからなのかな?彼は自業自得なんだけど、そうするしかなかったのかな。苦しいです。

  • 心に響いた


    主人公の永田の描写が
    自分と類似していたからだと思う。
    永田が自分ではないかと錯覚したほどに。
    これは太宰治の「人間失格」を読んだ以来だった


    最後の場面は特にせつなかった

  • 涙がこぼれました。

  • これね、又吉が書いたものじゃなかったら、気持ち悪くて読みきれないとおもう。又吉が書いた違う本にもチラっとこの女の子の話出てきて、そのときはあぁなんかせつなくて優しくていいなって思ったのだけど、劇場はあまりに主人公の自我が強すぎて気色悪くてもやもやした。又吉好き、から入るから読めるけど、誰でもないひとが書いたものだったとしたら、理解してあげようと思えなかったと思うよ。

  • 「火花」で又吉は本物だと思って次作も絶対読もうと思ってやっと読んだとこ。
    in one sittingで読みました。珍しいんだよね、一気読みできる本ってそうそうない。
    太宰感がプンプンするけど私はそれは大好物なので快感しか覚えず、精緻な描写からは主人公のねっとりした自意識が読者に読みながらにして空気を通して入ってくる。いい。
    人間凸凹で寄りかかり過ぎるともうどこまでが自分でどこまでが相手なのかわからなくなって、自己と他人が恋愛によって結合すると切り離すのはレゴブロックのように簡単にはいかず。
    昔子供の頃粘土細工した時に、胴体先に作って手足を後からつけたら接着が難しくて、なんとか水つけながらつけて、もう一度手を作り直したいと思って取ろうとしてもその時にはもううまく取れなくなって諦めて粘土ぐしゃって潰すはめになる、みたいな感じ。

    テレビで、火花の時読みにくいという読者の声をたくさんもらったから読みやすくしたって言ってて不安になったけど、全く又吉節は消えておらずなんやねんって思った。テーマはただし身近になったかな。

  • 針先くらいの大きさしかない、つまらない、大したことない自己顕示欲にがんじがらめになっている主人公が大っ嫌い。
    今まで読んだどの本の主人公より、「こいつ嫌いだわ」って思った。

    心の狭さ、器の小ささ。
    逃げることでしか保てない自分の軸。
    でも、その人間臭さに惹きつけられた。

    うだつの上がらない毎日を、
    丁寧にしたいのにどうしたらいいかわからない恋人との日々を、
    自分で自分の首を締めながら生きてる様は、
    たとえ悪あがきだろうと、
    演劇という拠り所を通して「生きてる」そのものだったんだろうな。

    終盤の畳み掛けの熱量がすごい。
    登場人物たちの人となりはしんどいけど、結果、すごく良本。

  • 主人公が又吉としか思えなかった。
    いやーなんか最低なんだけどさ、周りからどんなに反対されてもわたしだけは。って思っちゃう気持ちは分からないでもないな。
    むしろ人には分からなくてもわたしは好きだって言える人が強いのかもとか、今なら思う。
    幸せってなに?って考えてしまった。

  • すっっっごく良かった。好き。まじかーーー又吉。
    「報われない人間は永遠に報われない」とほんのり似てた。
    それにしてもデビュー作とくらべると気持ちのいいほど肩の力がぬけている。
    ちゃんと書きたいことを冷静にとらえて、話題性とか批評とか、そういう煩悩に惑わされることなく書き上げたんだろうなと思う(私だれ目線なんだ)。
    小説そのものもとても好感がもてるし、これを彼が書いたのだという事実もぐっとくる。
    本当にさりげなくそっとはさまれるジョークが絶妙にシュールで、芸人としての矜持も感じた。

    東京で劇団を立ち上げ脚本や演出をするも一向に売れない永田と、それを献身的にささえる天真爛漫な彼女の沙希ちゃん。
    永田の脳内をのぞいているような奇妙な生々しさが文章から滲んでいて独特の世界観を纏って話はすすむ。
    永田は自意識過剰で卑屈でどうしようもない男だ。明るくて優しい沙希ちゃんがとにかく不憫でならない。
    だけど永田が感じている劣等感や焦燥も、読み手の私にはどうしようもなく伝わってきてしまって、素直になれない彼が滑稽で、可哀想で、情けなくて、不甲斐なくて。
    空気に触れるべき言葉こそがでてきてくれないもどかしさが切ない。
    ラストシーンはそういうあれこれ全てが苦しく押し寄せてきて涙がとまらない。

    現実だって、どんなセリフを吐き、どんな演技をするか、すべて思いのまま。ここは劇場だ。

  • 屈折しているのに、大事な人を傷つけているのに、そんな主人公を客観視しない潔さ。どこかで間違えたはずなのに、ふと我に返る暇も与えず、剥き出しの激情だけで駆け抜けてゆく。
    ただ読者だけが冷静に、それを眺めている......そういう劇場なのだろうか。それでも最後ばかりは胸が締め付けられた。

  • 資料番号 : 00013682
    請求記号 : 913.6||MAT
    配架場所 : 上階書架
    NCID : BB23560606

  • 冒頭の技巧的な装飾的心理表現は辟易としたが、ストーリーが転がりだしてからの展開は凄くいい。主人公の彼女への想いを語るところはグッとくる。全体的にはよくあるストーリーで、そう思わせるのは作者の力量を感じた。

  • 私は永田のような人物は好きではありません。自分勝手で周りにいる大切な人を振り回して傷つけて、取り返しがつかない状況になってからやっとそれに気づき反省する。だったら初めから大切にしろと思います。甘えるなと。ただそれはとても人間らしいとも思います。隣にいるパートナーが眩しすぎて、自分がひどくつまらない人間に思い、それを事実だと自覚しているからこそ逆につらく当たってしまう状況というのは私自身身にも覚えがあります。分かるだけに、それでも彼女を苦しませないでほしい、なんとか頑張ってほしいと思ってしまいます。

    この作品全体に流れる空気感は、前作「火花」と似ているところがあるように感じました。芸人と舞台という、ともに先が見えない職業をテーマにしているからでしょうか。主人公の永田も、読みながらただの又吉じゃねーかとつっこみをいれてしまいました。(サッカー好き、文学好き、分析が多く、人見知りなとこなど)

    最後の2人の会話にはぐっときました。彼からの一方的な思いだけではなく、彼女にもちゃんと彼を必要とする理由があったんだなというのが分かりました。ただ夢を追いたい彼と応援したいが現実も見えてしまう彼女がすれ違うのは必然だった気がします。彼女はその葛藤で相当苦しんだと思います。2人の今後は描かれていなかったのですが、とにかく彼女が幸せになることを願うばかりです。

  • こういうこと良くあるだろうなという話ではあるが、妙にリアルで甘酸っぱさもある。主人公はかなり又吉と重なるね。

  • 『新潮』掲載時は『火花』より難解に感じ挫折しました。所々やはり難しかったのですが、今回は大切に読んだつもりです。
    神社の前の木から落ちた青い実を偶然一緒に見た彼女とのお話、又吉ファンにとってはお馴染みのエピソードだと思いますが、あのお話を思い出さずにはいられません。
    永田と沙希の関係とその流れは、恋愛小説でも現実でもよくあることかもしれないけれど、世界観や最後のやりとりの切なさは又吉さんらしくて良かったです。何とも言えない余韻があります。

  • 久々に本で泣きました。
    男は、素直になれない、プライドが高い。
    女は、夢を負う男を支えたい、辛抱する。
    男女ってこうだよね、と自分の恋愛と思い当たる節がたくさんあり、思わず頷きながら共感できる描写ばかり。
    若い二人が大人になるにつれて色々変わっていく。そして、未来はまだ見えない。それでも二人だけの思い出をいつまでも大事にしていることに、いい大人でもキュンとしたり、切なさを感じたり。涙が溢れました。愛と優しさで溢れている素敵なラブストーリーです。

  • ある週末に発売日を知った。
    普段はそこまでこだわらないのに2作目は初版を買おうと決めていた。
    発売日の朝に目が覚めて、書店の開店時間と同じくらいに買いに行った。
    書店と名のついたレンタルショップに着くと目当ての本がちょうど棚に並べられようとしていた。
    荷台から取り出すのは気が引けたので少しCDや他の本の棚を見て、その本が棚に並べられてから手にとった。
    会計を済ませて店内にあるカフェでアイスコーヒーを買って窓際のカウンターで読み始めた。
    打ち合わせ中の会社員や会議中のおばさんたちの会話が聞こえていても読んでいた。
    同じカウンターに座った女性の顔が気になっても本から目を離せなかった。
    駐車料金がかかってしまうことも気にはなったが読むのをやめなかった。
    アイスコーヒーの氷が全て溶けてしまっても読み続けた。
    トイレに行きたくなっても読むのをやめたくなかった。
    又吉劇場の支配人はきっかけ作りこそ下手でも実はしっかり恋愛ができる人なのではないかと思った。

  • 文芸紙に載っていたものを読んでみた。花火も読んだが、こちらの方が小説としてレベルが高いように思う。

    主人公のクズっぷりを読んでいると、だんだんこれは自分のことが書かれている本だという錯覚に陥った。

    愛しかたは人それぞれなのだが、愛しているが故に歪む事は多々ある。それは相手に対しての甘えということでも、我儘ということでもなく、その人の心からの愛の1つの発露として、何故か、そうなる。

    話題性だけではない、この作者の非凡な才能を感じた。

全25件中 1 - 25件を表示

劇場を本棚に「読みたい」で登録しているひと

劇場を本棚に「積読」で登録しているひと

ツイートする