ボクたちはみんな大人になれなかった

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著者 : 燃え殻
  • 新潮社 (2017年6月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103510116

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ボクたちはみんな大人になれなかったの感想・レビュー・書評

  • それぞれの時代の、それぞれの青春がある。とおりすぎていった風景や人たちが現在の自分を作り上げている。でも、ふりかえってもそこにはもうなくなっていて、その人は居ない。過去は地層のように積み重なり、あの日はそこに埋もれる。掘り出してももうそれは化石でしかない、あるいは亡霊のように。今日という日はそんなものを引き連れていく日だ。ありがとうとさよならの中間のようなグラデーションみたいな小説。

  • 「あなたは、私にとって遅すぎて」
    「ボクにとってあなたは突然すぎたんだ」

    すごいものを読んだ、というよりは、なんだろう
    夢見心地になれて、この世界にプカプカ酔うかんじだった
    現実主義過ぎるひとにはロマンチックが過ぎて、すこし入り込めない部分のある物語かもしれない
    「君の名は」がよかった!というひとは読んだほうがいいかもしれない

    おざけんの犬キャラ、ビューティフルドリーマー、ガンダム、エヴァンゲリオン、秋葉原通り魔事件、たくさんのリアルと虚構が交差する構成は、このお話がどこまでつくりもので真実なのかわかりたいけどわからなくておもしろくなってゆく

    スーとのもろもろが
    おとこのひとのリアル

    衝撃作ではないけれど
    とても読まされる作品だった

  • 二時間ほどで一気に読んだ。cakesの時と異なる部分もあったけど、それがまたよかった。男は後ろばっかり見てるな笑

  • 読む程に、胸に蘇るきれぎれの過去。
    疼くような切ない想い。
    誰かの問いかけや、くれた言葉を、
    こんなふうにていねいに
    胸に抱いて生きてこられただろうか。

    読後のこの胸苦しい気持ちを大事にして、残りの人生生きて行こう。そう思った

  • 東京に向かう新幹線の中で貪るように読んだ。
    言葉が突き刺さる。
    乾いた車内の空気がなぜかじっとりと重く感じる、
    禁煙車のはずなのに埃に混じった紫煙がふわりと香ってくる。
    胸が詰まる、もう泣かないのはこれはただの意地だと思った。
    この言葉を、物語を、届けた人に対しての猛烈な嫉妬と羨望。
    ひとつひとつの情景が肌に伝わってくる。
    ここまでの心情を言葉にできる強さが眩しいし、
    そんなふうにさらけだしてしまわないでほしかったし、
    だけどものすごく安心したし寂しかった。
    ひとりひとりが強烈に存在しているのに、
    物語の中ではごくありふれた不確かな存在だった。

    きれいに愛で包んではいどうぞ、と差し出してくれるようなそんな生易しい物語ではない。
    覚悟して読んだ方がいいけど、何の覚悟もなくただ飲み込まれて突き刺さって寂しくなったり愛おしくなったりしてほしい。

  • Twitterでフォローしていた燃え殻さんの小説。いつもつぶやきが面白くて好きだったので、きょうちゃんに借りて読んでみた。

    物語はハタチ前後で付き合っていた元カノがフェイスブックに出てきて、過去を回想するところから始まる。切なさが増すに決まっている好きなスタイルです。
    1章1章が短くて、タイトルもフックがあって、すいすい読めました。また、忘れられない元カノがブスなフリーターってところが女性も喜ばせるんですよね。(ミスチルのシーソーゲーム的な。)
    テーマは「男はみんな元カノでできている」ってことなんだけど、だとすると女のほうが切ないんじゃないかな〜と女の私は思いました。なんか、勝手っていうか。やっぱり女性が書く恋愛小説のほうが好きなんだよなぁ・・・。

    でも、これはこれで「わかるわかる」と周りの男性を思い浮かべてうなずきましたよ。だって男性ってだいたい学生時代の彼女の話好きだもんね。苦笑

    最後の過去の彼女とのお別れシーンなんかは映像が浮かんできたので、「映画化かな〜」と誰もが思ったことでしょう・・・。開けたことのなかったラブホの窓を開けて、「何もなかったね」のところとか、女優&監督の力量が問われそうですね(笑)。

    スーの最後の言葉「あなた」の答えも最後に明らかになりますが、若いときに『あなた』を作った小坂明子ってすごいな〜と思ってしまいました。

  • Cakesで連載されて評判だったというウェブ小説の書籍化。タイムラインで流れてきて知り、衝動買いして一気読み。
    40代の自分の現在の空気感ととても重なる部分があり、文章がとてもオシャレ。

    過去に囚われる男と、未来を志向する女が、すれ違い、別れ、SNSで再会するという経験は、多くの男は、どこか甘酸っぱい感情とともに味わったことがあるのではないかと思う。そんな、記憶の中で止まったままの過去の時間がSNSのタイムラインという現実の中で、カタルシスとして浄化されていくくだりがとても良かった。記憶の中で大人になりきれずに止まったままの自分が成仏される瞬間。そのとき、自分の歩んできた人生に意味が与えられ、ボクたちは大人になれるのかもしれない。

    そう考えると、過去に囚われがちな自分の思考も悪くないのかもな、という気にさせてくれる。まあ、燃え殻さんと違って、こんなオシャレな文章は書けませんが、ね。

  • エモい。
    ただひたすらにエモい。

    思い出にひきずられる男の話。

    自分以上に好きになった人、
    心目当てで好きになった人。
    それでも他の女の魅力にはあらがえないんだなぁとか。

    そのくせ思い出にはひたって、ずいぶん勝手なものだ。

  • 2017.10.12読了。
    話題作という事だけの知識で手に取った。
    ひとつひとつのエピソードが、じわりじわりと呼び起こされるカンジ。
    共感できる部分ももちろんあるけれど、するすると読み終わってしまったせいか、深く印象に残るフレーズもなくて。
    レビューに多いけど、序盤で心掴まれたのは、おそらく自分より数年年上の人たちなのかなと思う。
    あと数年たった時、もっと違った印象に変わるのかもしれない。

  • 期待しつつ読んだが、期待しすぎたのかもしれない。
    凡人である自分が共感できる部分はたくさんあった。
    共感できるが、それ以上でもなかった。
    「その頃僕は、普通じゃない自分を一生懸命目指していた。今考えれば、普通に生きるための根気がなく、努力もしたくなかっただけなんだけど。」

  • タイムラインに流れてくる明らさまなリツイートが目につき、フォローを外した。商業的なイヤ〜な匂いを感じてしまい、読むもんか、と思っていたくせに。本屋での二度目の邂逅に、堪えきれずカウンターへと運んでしまった。

    リアルタイムで小沢健二を知らない私でさえ、読んでいてどこか懐かしい気持ちになる。ひとつの恋を経て大人になりたいと痛切に願ったはずの私たちは、まだズルズルと、いつか本物の大人になれると夢を見ているけれど、たとえ40代の日々がやってこようと、心の澱に沈んだ傷に顔をしかめる日々が相も変わらずそこにあるのかもしれない。それでもまぁいいかな。そんな風に思えた。本当の意味でこの本の良さがわかるようになったとき、また読み返したい。

  • たしかに愛し合っていたはずだったのに、忽然と姿を消してしまった最愛のブス。
    時を経てフェイスブックでその名をみつけてしまったボクは、はからずも友達リクエストを送信してしまうーー。

    なるほどね、たしかに”エモい”わこれは。
    郷愁というような硬い言葉とは少しちがう。
    フランクで、ファストで、インスタントな、まさにエモいとしか言いようのない感情。
    SNSで手っ取り早く再会できてつながれてしまう現代特有のものだと思う。
    それが良いことなのか悪いことなのかは分からないけれど、とりあえず便利な世の中になったなぁなんてしみじみ。
    そしてそのエモさを覚えたときに伴う泡立ちのような高揚感は嫌いじゃないですね。
    ぬぐえぬ村上春樹感にはじめは辟易したけど、読んでいるうちに気にならなくなってすっかりのめり込んでしまいました。
    夢か現かのような場面のラストも心地よかった。

  • 「この小説がエモい!2017」第1位。
    「エモいオブザイヤー2017」受賞。

    「エモい」という時の「エモーション」を翻訳すれば、「刹那い」または「刹那」になるのではないだろうか。
    たった一瞬。一瞬とも認識できないくらいの、たった一瞬。もしくは、永遠。

    誰にだってあるはずだ。
    この一瞬の記憶さえあれば、それだけで充分だと思えるような、
    そういう刹那い記憶の一つや二つが。

  • 「小説とは何ですか?」と訊かれたら
    「タイムマシーンです」と答えたくなる一冊。

    ノスタルジックな光景が切ないほど丁寧に
    丁寧に綴られていて、光と影の物語へと誘う。

    元ハガキ職人の著者が描く世界は、まるで
    眠れぬ夜に、一人布団の中で深夜ラジオを
    聴いているような、静かな愛に溢れている。

    時に、過去も傷跡も引き受けてくれるような
    優しさがある。

    大人になりきれない気持ちの置き場を
    見つけられたような、読後感。

    泣きたくなった時、
    そっと肩を貸してくれるような一冊。

  • 過去の恋愛と仕事とその周辺を振り返るノスタルジー。バブル期、六本木、テレビ業界、サブカルチャー、かつてインチキくさく輝いていた時代。あの頃の若者はどうしているのだろう?様々なシーンの連続と展開は読みやすく挑戦的でもある。‬

  • 『この時代に生まれたいなんて、だれも頼んでないだろ?自分で決められることなんて、今夜の酒の種類ぐらいなもんだ』
    『人生の本当に大切な選択の時、俺たちに自由はないんまよだよ。ケセラセラよ』

    なんか話題になってると知って手にした本。一気読み。2時間くらいで読めた。私より一周り上の世代かな。てっきり若い世代向けのかと思って軽いテンションが来るのを構えて読んでたら、読みながらして社会の閉塞感が漂い始めて辛くなった。苦しい話だった。

    それぞれその時代の空気というのがある。私は今回の話は完全に共感できないんだけど、言語化できないそれを物語を通じて感じさせるという小説家の技はすごいと思う。

    社会で生きていくことの苦しさと人を愛したことの切なさが混じった回想ストーリー。

  • この恋愛ストーリーを生々しく感じたのは、同じ時代、同じ東京という場所で過ごしたからだけじゃなく、主人公の彼女が自他共に認めるブスだからか。世の中の恋愛はほぼブスのものなのだ。ドラマ化したら誰が演じるのか?

  • 良い臭みがあると思った

  • 「ダサいことをあんなに嫌った彼女のフェイスブックに投稿された夫婦写真が、ダサかった。ダサくても大丈夫な日常は、ボクにはとても頑丈な幸せに映って眩しかった。」
    自分自身の家族との、ダサくても大丈夫な日常を大事にしようと思った。

  • 言葉の一つ一つが熱を持っていて、それを一つ一つ胸の一番敏感なところに当てられ続ける。

    感動なんて安い言葉じゃ言い表せないし、幸せってなんだろうって語るにはあまりにリアルで、見たくないのに、ページをめくる指が止まらない。

    始まるから終わるんだ。

    当たり前とわかっていても忘れている。
    胸のどこかで終わらないものに美を感じている。
    それが終わりだと気付かされた時、人は絶望するし、新しい希望を抱く。

    いつだって心を震わせるものは自分の近くにあることを教えてくれる。

    『どこに行くかじゃなくて、誰と行くかなんだよ』

    今、繋いでいる手を、どうか離さないで。

  • Twitterで話題になっていたので気になってました。150ページ程しかないのに長く感じました。世代が違うせいか、90年代の懐かしさみたいなものもあまり感じることができず。たまに良いフレーズが出てくるので、最後までなんとか読み切れた感じです。

  • 小説と詩の間みたいだ。部分を切り取っても成り立ちそうだ。過去形にできない私にはピンと来なかった。過去をそのままに叙情的に振り返ってしまえるようになるときは来るのだろうか。
    寂しさと自由は言い換えられると思い出させてくれたので、動力にしている。どこまでも自由の中を泳いでいる。幼い私は、今の私を軽蔑するだろう。あの頃嫌っていたあの人を今なら理解できる。踊る私はどこへ行くのかわからないから、楽しい。
    171004

  • 一年半ほど、私情で本が読めなくなっていました。そんな時に書店でこの本を見かけて、つい買ってしまいました。まだリハビリ期間なので、込み入った感想はかけませんが、チョコレートで言えばこの小説はビター。しかも、ビターなのに砂糖がたくさん入っている、ほろ苦いのに甘い。そんな本です。涙とコーヒーの味が分かる大人に、読んでほしい一冊です。

  • 読みながら砂を噛むような寂しさに襲われた。
    私は作者より世代がほんの少し下で、この小説に書かれた年代は田舎で東京を遠い砂上の楼閣みたいに思って過ごしていた。道具立ては全然違っても辿る感覚はどこもかしこも似ている。やけに痛い。別にこんな経験したわけじゃないのに、どこかで通じるものがあるのだろう。喜びと痛みと虚しさの記録だ。

  • 恋愛がメインの話だけど、若い人向けではない気がした。経験が塵のように溜まった、大人向け。「思い出にさせてくれない女」ってフレーズがお気に入り。こびり付いた感覚、非常に良くわかる。微妙なところで時代が大きく交差するので若干読みにくさはあるが、思い出す時に鮮明であることを表現したかったのかもしれない。なにより著者である「燃え殻(さん)」というワードが最もしっくりきた。

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キミたちはみんな、もっと好きな人に、会えたのだろうか? 糸井重里、大根仁、小沢一敬、堀江貴文、会田誠、樋口毅宏、二村ヒトシ、悶絶! ある朝の満員電車。昔フラれた大好きだった彼女に、間違えてフェイスブックの「友達申請」を送ってしまったボク。43歳独身の、混沌とした1日が始まった――。〝オトナ泣き〞続出、連載中からアクセス殺到の異色ラブストーリー、待望の書籍化。

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