塑する思考

著者 :
  • 新潮社
4.04
  • (29)
  • (32)
  • (19)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 472
感想 : 35
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103510710

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ・元電通のアートディレクター佐藤卓の著書
    ・「分からない」から全てがはじまる。ニッカウィスキーの自主プレゼン
    ・柔らかさには2通りあり、弾力性と塑性。外部から力が加わった後のあり方が違う。塑性は粘土のように、力を加えたら戻らない。
    ・自分の意識がどこから来るのか、その基礎となる自分すら分かっていない中で、自我や自己を固めるよりも、その場に応じて柔軟に変えていく方がよい。
    ・発想とは、ある目的のために今まで繋がっていなかった事物同士を繋げる試みである。
    すでにあるのに気づかずにいた関係を発見して繋ぐ営為とも言える。
    ・あらゆる仕事の基本は「間に入って繋ぐこと」
    ・明治牛乳のパッケージ。技術者の牛乳「そのまま」を味わって欲しい想いから「デザインをできるだけしないデザイン」の方向性。
    ・サーフィン。どれだけ海に通っても、なかなか上達しないが、波に乗り自然と一体になる感覚を味わうだけで充分すぎる。
    ・サーフィンはあまりに多くのことを教えてくれる。自分の無力さをまざまざと見せつけられ、自分と環境との関係を把握する力も鍛えられる。大きな波が立っている時の海は河のように流れているので、どれだけ自分が知らぬ間に流されているのかを気づかずにいる場合がよくある。ところが岸の景色を冷静に見ていれば、すごいスピードで流されていると気づく。
    常に冷静に、できるだけ客観的に自分の置かれている状態を把握していなければ、たちまち危険な状態に至る。

  • すっごい面白かった。というより、とても重要な視座と言葉をいただいた、という感覚が強いかも。
    まさに実用的な視座「構造」と、染み込む言葉の綺麗さ「意匠」を兼ね揃えた本。

    物事の本質を「問い」から見出すこと。おそらくそれが、良い意味で自我と戦う一番の術なのかも。

  • デザインという仕事から語られた言葉に、仕事への取り組みの本質が溢れていて、経理を仕事にしている私にも多くの気づきがあった。
    佐藤卓さんと直接お話しできる機会があったとしてもきっとこんなに深くお話ししていただけることはないわけで…ホントに読書ってすごくオトクな得難いものだなあ…と思いました…

  • 観察力が高まった。
    日ごろ何気なく見ているものの造形を、改めて注意深く見る癖がついた。散歩が楽しくなった。

  • 五輪周辺の不祥事の余波で、なぜかデザインあが放送休止の憂き目に。。追悼の意味で佐藤卓さんの本をよむ。これが素晴らしい出会いになった。
    因果応報、人間万事塞翁が馬。
    クールミントの2匹目のペンギンの種明かし、積年の謎が解けた。

  • デザインに迷ったらこれを読みなおせばいい。とっても分かりやすくて、自分の原点。

  • 自分の中の無責任な「デザインする」意識が変わりました。

    私はデザイナーという肩書きで仕事をしているにも関わらず、世の中の著名なデザイナーの方々に関する知見が浅いです。仲間内で「尊敬するデザイナーは誰か」という質問があがると決まって黙り込んでいました。

    本書では、世の中に蔓延る無責任で本質を捉え損ねた、一般大衆的な「デザイン」を否定し、デザインの本来あるべき姿を改めて示しています。

    誰が何のために何を生み出すのか。
    デザインには答えがないよ、正解がないよ、
    という人はデザイナーにも沢山いると
    思いますが、
    定められたルートはないにしろ、必ず達成すべきゴールは決まっています。
    こうあるべき、という信念を持ってデザインに向き合うことをエピソードを交えて、しかも読者と近い視点で書いており、
    よくあるデザイン思考の指南書よりもずっと参考になると感じました。

    私の尊敬するデザイナーは佐藤卓さんです。

  • デザインを理想主義としての思考と捉えているところ、はげどう

著者プロフィール

佐藤卓
妖怪収集家。1996年、山形県生まれ。宮城県在住。大学在学中にブログ『宮城妖怪事典(仮)』を開設。県内各地の民話や郷土史に眠る妖怪を発掘し、その魅力を広めるために活動中。本事典の表紙イラスト担当、妖怪掛け軸作家「大蛇堂」氏の個展『宮城の妖怪展』(2020年、2021年)には情報提供を行い、同イベント中の対談トークショーにも出演した。

「2022年 『日本怪異妖怪事典 東北』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤卓の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×