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みんなの感想・レビュー・書評
幕末から明治という時代は、絵を描くという行為が新しい世界を切り拓いた時代、だったのかもしれない。個人にとって国家にとって、日本を含めたアジア諸国にとって欧米諸国にとって、小さく古ぼけた絵筆のタッチが、大きく新しい世界を表現した時代、だったのだと思う。 この小説を読み終わったときに、日経新聞のコラムを見つけた。「オイレンブルグの江戸遠征」。アメリカ、プロイセンの従軍画家として3度も訪日を果たし... 続きを読む »
作家の沙代子は、高島北海の評伝を書こうとしている。北海の曾孫の直二郎と不倫している。
小説は、沙代子が直二郎と取材しながら、評伝を書いていく様が描かれている。直二郎自信も取材の対象だ。
その様子の合間合間に、書いた評伝が挟まっているので、頭の切り替えが必要。
話しとしては、淡々と進むのであまり面白くないが、植物の絵が好きな人には、多少興味を引かれる部分があるかも知れない。最後に近くなって、少し謎解きが面白くなる。
なお、小説の最後になっても、評伝は完成しない。
「北海」ではなく「HOKKAI」だった訳は・・・?<br>
「HOKKAI」の方が、斬新だし、明るくてさわやかな感じってことだったのだろうか。(私の頭で考えつくのはこんなところでした)<br><br>
これは、単なる日本画家・高島北海の人物伝ではなく、北海のひ孫と「HOKKAI」を書こうとしている女流作家との大人の恋愛がベースにあるところが、おもしろいと言えばおもしろい。<br>
北海さんって、それはそれは素晴らしい経歴の持ち主なんだけど、私が最も尊敬するところは、フランス語が堪能だったこと。たぶん、考え方がすごく柔軟な人だったんだと思う。<br>
でも、下宿の女ミミとのことは、ちょっと解せない部分も。。。(森鴎外「舞姫」のエリスのことを
連想してしまった)ミミはその後どうなったの?
「私、14歳の美少女じゃなくて、あとちょっとで40歳なの」っていう主人公のセリフがかわいい。インテリジェンスな大人の女性なんだけど、ちょっぴりお茶目なところが素敵だと思う。
それから大人じゃないからなのかミミに一番共感した。自分を捨てていくとわかっている北海にあえてフランスの思い出を聞いたり、別れの日に会わなかったり。きっと自分の力でもどうしていいのかコントロールできないんだよねー






