螢,納屋を焼く その他の短編

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534013

感想・レビュー・書評

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  • 【再読】中学の頃「これが村上春樹のメタファーか」と初めて覚えたその感覚に当時はひどく感動したが、こう読み返してみるとそうでもない(ただ私が大人?になってしまっただけのもある)。
    京王線の網棚に置き忘れて二度と私のもとには帰ってこなくなった。

  • 納屋ってなんだろうね(^^) 「蛍」の二十歳になるときの感覚にとても共感した。特別なのは二十歳ではなく、二十歳を迎える十九歳。

  • 「蛍」は ムラカミハルキが 学生のときの
    「学生寮 和敬塾」での個人的な体験のエピソードを書いている。
    幼馴染である直子とキズキ そして 僕の3人が 
    高校時代に付き合い
    大学に入って 寮の同居人 突撃隊 との生活と
    キズキが 自殺をして その後 直子とあわなかったが
    たまたま 同じ電車に乗って 街を歩いたことから 始まる。

    ノルウェーの森で言えば 緑が現れるまでの ストーリーである。
    直子の誕生日に 僕とセックスすることで、直子がいなくなってしまう。
    突撃隊のくれた 『蛍』 が象徴化される。
    あわく、はかなく 飛んでいく 蛍 への想いがセツない短編であるが・・
    それが 緑 という女性の登場によって・・・
    ノルウェイの森が成立する。
    ノルウェイの森として 成立するのが 6年近くかかっている。
    小説とは 個人の中で じっくり発酵していくものである。

    直子に対する 僕と
    緑に対する 僕は 明らかに違う。
    緑の積極性には 僕は 波長が合っているようで、
    画面がすばやく変わる。
    ノルウェーの森は 個人的体験としての 恋愛小説として書かれている。

    この物語は 僕は 緑を選び 直子は 死を選ぶという結末を迎えるが・・
    ムラカミハルキは言う
    『死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。』

    生の営みの発展として 「愛」 が存在する。
    永沢さんに連れられた僕は いきづりで 簡単にセックスをする。
    それは 単純に性的行為だけで 愛とはいっていない。

    直子を選ぶのか?緑を選ぶのか?
    そのときに 愛するということはどういうことかが 問われるが・・

    直子は キズキが好きだったが セックスを受け入れることができず
    僕 に対しては すんなりと受け入れてしまったこと・・・
    そのことが 直子の大きな傷となる。
    それを 僕が どう手を差し伸べようと 
    直子は自分の世界に閉じこもっていく。
    それを レイコさんが 直子の 代理人となって・・・僕に伝える。

    緑は もっとすっきりしていて 恋人がいたが・・・
    僕を選ぶ・・
    結局 僕は ヒトに選ばれることで 愛が始まっているのかもしれない。
    それとも 生命力の強い 女子に 
    あこがれるというシンプルなものなのかもしれない。
    恋愛における自然淘汰の法則が貫かれる ということか。

  • 納屋を焼く…

  • 象徴?イメージ?何かが強く訴えかけてくる。何を訴えいているかはすぐに分からないが。

  • “納屋を焼く”のあのゾッとする感じが好き。

  • 最近出している長編よりもちょっと前の短編が読みやすい。

    というかこの人は短編とかエッセイとかの方がすっごく面白い。

    リズムのがいいのかな、すっと頭に入って響いてる。

  • リアリティーに焦点をあてた短編集。

    抜きんでて面白い短編はないけれど、雰囲気や作風が全体的に均質。

  • 村上春樹の7つの短編集。

    再読。

    陳腐な感想だが、「なんか好き」である。

    わかるか?と問われたら、正直わからない。
    どこが面白いか?と問われたら上手く答えられない。

    けど、なんか好きだ。そして、これぞ余韻という余韻がある。

    メッセージや伝えたいことをつかめそうで、上手く取り出せない感じ。


    納屋を焼くが一番印象的な話だ。
    この話を読むと、焼かれることを待っている納屋を焼きたい欲求が自分にもあるんじゃないかという不思議な気がしてくる。

    ・小説家というものは物事に判断を下す以前にその物事をあるがままに楽しめる人じゃないかとおもっていたんです
    ⇒善悪の判断をはじめ、いろいろはフィルターを通さず、物事があるがままに描写されている小説にはハッとさせられる。小説家にはそういう資質があるのだろう。

    また読もう。

  • ハルキさんの根っこだな

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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