- Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103534013
感想・レビュー・書評
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やや幻想的な短編集。
読書中はひどく親しい、でも誰かは知らない人の話をゆりかごの中でうつらうつら聞いていた様な印象。
読み終えると、一瞬で何もかもがパッと消え
(読んだ)という感覚さえ残らない。
正直、古い本なので処分しようと思い読んだのだが、
瓶のなかで美しく光る蛍は
彼の文章に触れずには決して現れない。
心に思い留めておく事ができない稀な物語だなぁと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりに村上春樹。背景はよく知らないが、蛍はたぶんノルウェーの森の元になった短編か一部を抜き出したものか。とにかく久々にノルウェーの森やその近辺の本を読んだ頃のことを思い出した。私は特に複雑な高校時代を過ごしていないので、最初にノルウェーの森を読んだときは正直よく理解できなかったのだが、歳をとって人を亡くす経験をしてくると、なんだか少しずつ分かってくるような。そう考えると、村上春樹(の描く主人公)はずいぶん若い頃から辛い経験をしたのだなあと思うが、その言葉にしようとすると消えてしまうものを描くために小説家になったのだろうか。
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私自身炎上するかもしれぬが、村上春樹の作品で初めて良い読後感を体験する。心がざわめく日常は私達のそばにあるサスペンスでもある。世界が変わるか否かその狭間に実は私達も歩んでいる。
本棚にはヨメの蔵書がある。よし、再トライしてみよう村上ワールドに。宣言します遅咲き爺さん、まだ爺ではないか。 -
【再読】中学の頃「これが村上春樹のメタファーか」と初めて覚えたその感覚に当時はひどく感動したが、こう読み返してみるとそうでもない(ただ私が大人?になってしまっただけのもある)。
京王線の網棚に置き忘れて二度と私のもとには帰ってこなくなった。 -
若干暗めのテイストの多い短編集。
後にノルウェイの森につながる「螢」やどこか怖い「納屋を焼く」など良遍多し -
村上春樹の小説の中で一番好き。
もしかしたら「ノルウェイの森」よりも。
若い頃、いつもバッグに忍ばせていた。
今読み返してもなんだか胸が切なくなる。 -
村上春樹初期の短編集。「めくらやなぎ〜」が好きで好きでたまりません。個人的にはこの頃の文章が一番好き。
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踊る小人が一番すきです。小人が踊っている場面の描写は本当にどきどきした。最初に読んだのは「象の消滅」でだったと思うのですが、今思えば最初に村上さんがいい!と思ったのはこの話だったのかも。思い出深い作品です。他のも面白い!