ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編

  • 1720人登録
  • 3.72評価
    • (152)
    • (196)
    • (258)
    • (20)
    • (11)
  • 112レビュー
著者 : 村上春樹
  • 新潮社 (1994年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534037

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  •  村上春樹が9月28日の朝日新聞に国境を越える文化圏=魂の行き来する道筋=の維持を訴えた文を寄稿していて、その中でノモハン事件を取り上げたこの本に触れていたので、読まずにはいられなかった。
    霊能力者の本田さんと、かつてノモハンで行動を共にした間宮中尉の話でノモハン事件がじっくり語られている。まるで体験者が話すようだ。戦時下の残酷極まりない殺し方、蒙古人が山本を生きたまま皮を剥ぐシーンがあるが、今回ノーベル文学賞を受賞した莫言原作の映画「赤いコウリャン」では日本軍の残虐な行動として中国人の皮を剥ぐシーンがある。農耕民族の日本人が遊牧民のようなこのような方法を取るとは思えないが、漢民族として、最も残虐さを表わす象徴のように使われたと思う。
     いっぱい横道にそれてしまったが、闇、水、ねじまき鳥、井戸、出口、ワタヤとまたパズルが始まっている。「ひとりの人間が、他のひとりの人間について全十に理解することは可能か」と言う、この僕の問いに私もつき合って第2部予言する鳥編へ進みます。

  • 間宮中尉は一瞬の光に射たれ、井戸の底から肉体の生還をはたす。
    同時に井戸の底での光の衝撃、その感覚は彼に死を与える。
    「その井戸での出来事で自らの生は終わった」と。

    村上春樹自身、個性を超えた普遍性を求めて穴を掘っている。
    その作業は間宮中尉が体験した深い井戸でひとり死を待つような苦しみであり、同時にその達成は、一個人の消滅にも似た激しい感覚であるのだろう。
    ぶっちゃけすごいよね。

    ロシア人少佐の話・鳥をみた少年の話、どちらも”伏線”としては尻切れとんぼだ。
    でもテーマという根が張り巡らされてるのをイメージすればいい。(カフカを読んだときにはできなかった)
    その末端は末端としてちゃんと太い根とつながってる。
    読み手としてはいつか”自身の経験”という養分を与えればどこかの末端が反応してちゃんと息づく。

    伏線の回収・オチの為に1000pも読むのはもったいない。二回読めないじゃん。何度も読みたい小説は何度読んでも味が違うはず。


    そういったようにテーマをどこまでも追求し、作り込まれたストーリーとキャラクターをないがしろにできる作家を実際のところ他にまだ知らない(どっちつかずの”アンニュイな感じ”を好しとして目的とする物を別にして)


    (村上春樹には無条件に噛み付くのが読書家として正しい姿勢だと今でも思っているけど)
    「ねじまき鳥クロニクル」には悔しいけど星8個はつけたくなった。

  • 読解の糸口がいくつにも分かれていて、どれが正しいのか答えが見つからないまま、また新しい迷路の入り口に立たされる感じ。答えを必死に探そうとするゆえに、読む手が止まらない。

  • グロい・・。

  • タイトルに「クロニクル」とあったので壮大なファンタジーを想像したが、実は主人公はほぼ自分の家から動かない。それであっても様々なキャラクターが絡む複雑な冒険譚である事は確かだと思う。飼い猫の失踪をきっかけに、妻の突然の蒸発や謎めいた女からの電話など、次々と不可思議な出来事が主人公にふりかかる。失われた妻を取り戻すため、今までの日常を捨て、徐々に決心を固める主人公。なかなかうまくまとめられないが、とても読みやすく、どこか優しさも感じる物語だった。妻の失踪・ある理由から女性達を辱める妻の弟・予知能力があると思われる加納クレタと加納マルタ・笠原メイと庭の井戸・ナツメグとシナモンとの仕事・本田さんとノモンハン戦争。特にノモンハンの下りがとても印象的だった。

  • 不思議な人たちが次々と現れ、惹きつけられるセリフが放たれるが、結局全てはひろわれることなく、道端に転がったまま終わる。
    伏線を回収してくれ、頼むから。

  • 【294】

  • 1巻メモ。
    岡田亨、電話の女、妻・クミコ、猫・ワタヤノボル、少女・笠原メイ、綿谷ノボル、加納マルタ、クレタ、叔父、本田大石、間宮徳太郎

  • 綿谷ノボル、へえ!そうなんだ!と読み進める事が楽しくなって行きました。
    展開して行く人間模様も引き込まれる要素のひとつ。作家の模範的なワールドにハマった感でした。
    そんな気持ちになったところに、精神崩壊しそうなくらいの描写があり少しトラウマになりそうです。この本でその様なことを細部に渡り記したものを読むとは思いませんでした。
    事実そのような出来事が現実にあったとしても、物語の中だとしても、描写の意図はあるのか先を読み進めたいと思います。

  • 最後の間宮中尉の話しが強烈で、戦争の悲惨さを伝えたかったんだろうか?

全112件中 1 - 10件を表示

村上春樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
村上 春樹
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編に関連する談話室の質問

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編に関連するまとめ

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編を本棚に「読みたい」で登録しているひと

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編を本棚に「積読」で登録しているひと

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編の作品紹介

ねじまき鳥が世界のねじを巻くことをやめたとき、平和な郊外住宅地は、底知れぬ闇の奥へと静かに傾斜を始める。暴力とエロスの予感が、やがてあたりを包んでいく。誰かがねじを巻きつづけなければならないのだ、誰かが。1984年の世田谷の露地裏から1938年の満州蒙古国境、駅前のクリーニング店から意識の井戸の底まで、ねじのありかを求めて探索の年代記は開始される。

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編の文庫

ツイートする