ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編

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著者 : 村上春樹
  • 新潮社 (1994年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534037

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村上 春樹
村上 春樹
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ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編の感想・レビュー・書評

  •  村上春樹が9月28日の朝日新聞に国境を越える文化圏=魂の行き来する道筋=の維持を訴えた文を寄稿していて、その中でノモハン事件を取り上げたこの本に触れていたので、読まずにはいられなかった。
    霊能力者の本田さんと、かつてノモハンで行動を共にした間宮中尉の話でノモハン事件がじっくり語られている。まるで体験者が話すようだ。戦時下の残酷極まりない殺し方、蒙古人が山本を生きたまま皮を剥ぐシーンがあるが、今回ノーベル文学賞を受賞した莫言原作の映画「赤いコウリャン」では日本軍の残虐な行動として中国人の皮を剥ぐシーンがある。農耕民族の日本人が遊牧民のようなこのような方法を取るとは思えないが、漢民族として、最も残虐さを表わす象徴のように使われたと思う。
     いっぱい横道にそれてしまったが、闇、水、ねじまき鳥、井戸、出口、ワタヤとまたパズルが始まっている。「ひとりの人間が、他のひとりの人間について全十に理解することは可能か」と言う、この僕の問いに私もつき合って第2部予言する鳥編へ進みます。

  • 間宮中尉は一瞬の光に射たれ、井戸の底から肉体の生還をはたす。
    同時に井戸の底での光の衝撃、その感覚は彼に死を与える。
    「その井戸での出来事で自らの生は終わった」と。

    村上春樹自身、個性を超えた普遍性を求めて穴を掘っている。
    その作業は間宮中尉が体験した深い井戸でひとり死を待つような苦しみであり、同時にその達成は、一個人の消滅にも似た激しい感覚であるのだろう。
    ぶっちゃけすごいよね。

    ロシア人少佐の話・鳥をみた少年の話、どちらも”伏線”としては尻切れとんぼだ。
    でもテーマという根が張り巡らされてるのをイメージすればいい。(カフカを読んだときにはできなかった)
    その末端は末端としてちゃんと太い根とつながってる。
    読み手としてはいつか”自身の経験”という養分を与えればどこかの末端が反応してちゃんと息づく。

    伏線の回収・オチの為に1000pも読むのはもったいない。二回読めないじゃん。何度も読みたい小説は何度読んでも味が違うはず。


    そういったようにテーマをどこまでも追求し、作り込まれたストーリーとキャラクターをないがしろにできる作家を実際のところ他にまだ知らない(どっちつかずの”アンニュイな感じ”を好しとして目的とする物を別にして)


    (村上春樹には無条件に噛み付くのが読書家として正しい姿勢だと今でも思っているけど)
    「ねじまき鳥クロニクル」には悔しいけど星8個はつけたくなった。

  • 読解の糸口がいくつにも分かれていて、どれが正しいのか答えが見つからないまま、また新しい迷路の入り口に立たされる感じ。答えを必死に探そうとするゆえに、読む手が止まらない。

  • タイトルに「クロニクル」とあったので壮大なファンタジーを想像したが、実は主人公はほぼ自分の家から動かない。それであっても様々なキャラクターが絡む複雑な冒険譚である事は確かだと思う。飼い猫の失踪をきっかけに、妻の突然の蒸発や謎めいた女からの電話など、次々と不可思議な出来事が主人公にふりかかる。失われた妻を取り戻すため、今までの日常を捨て、徐々に決心を固める主人公。なかなかうまくまとめられないが、とても読みやすく、どこか優しさも感じる物語だった。妻の失踪・ある理由から女性達を辱める妻の弟・予知能力があると思われる加納クレタと加納マルタ・笠原メイと庭の井戸・ナツメグとシナモンとの仕事・本田さんとノモンハン戦争。特にノモンハンの下りがとても印象的だった。

  • 不思議な人たちが次々と現れ、惹きつけられるセリフが放たれるが、結局全てはひろわれることなく、道端に転がったまま終わる。
    伏線を回収してくれ、頼むから。

  • 1巻メモ。
    岡田亨、電話の女、妻・クミコ、猫・ワタヤノボル、少女・笠原メイ、綿谷ノボル、加納マルタ、クレタ、叔父、本田大石、間宮徳太郎

  • 綿谷ノボル、へえ!そうなんだ!と読み進める事が楽しくなって行きました。
    展開して行く人間模様も引き込まれる要素のひとつ。作家の模範的なワールドにハマった感でした。
    そんな気持ちになったところに、精神崩壊しそうなくらいの描写があり少しトラウマになりそうです。この本でその様なことを細部に渡り記したものを読むとは思いませんでした。
    事実そのような出来事が現実にあったとしても、物語の中だとしても、描写の意図はあるのか先を読み進めたいと思います。

  • 最後の間宮中尉の話しが強烈で、戦争の悲惨さを伝えたかったんだろうか?

  • 続きを早く読みたい。

  • 「金で買えるものは、得とか損とかあまり考えずに、金で買ってしまうのがいちばんなんだ。余分なエネルギーは金で買えないもののためにとっておけばいい」が心に残る。

  • 皮はぎのシーンがやはり強く印象に残ってしまう。
    物語の全体像が皮はぎに取られてしまったのでもう一度読む。

    失業中の主人公が妻とその関係者の言動によって紙一枚隔てた別の日常に踏み込んでいくような話。

    妻への仄かな疑惑。そして箱は空だった。

  • 再読。

    クミコさんの言動が気になる気になる。
    ちょうど近代美術館で藤田嗣治のノモンハンの絵を観た。

  • 全3巻読了。
    この人の作品は、あらすじだけ聞いたり、評論読んだりしただけで面白いか面白くないかを決めてしまっては非常にもったいない。できるだけ時間をかけて作品の世界に入り込むがよし。

  • 2015.2.17
    15年ぶりくらいに読みました。
    こんなに戦争の話ばかりだったかなという印象。
    クロニクルとは20世紀の戦争の年代記のことであり、
    綿谷ノボルとは安部晋三であり、ジョージブッシュであり、フセインやあるいは今だとグローバル企業のリーダーみたいな人なのかもしれない。
    そして岡田亨は我々のことだ。野球のバットを握りしめて静かな戦いに挑むんだ。

  • 最終巻にまとめています。

  • 初めて村上春樹の本を読んだけど、初めて読む作品にしては話の内容が重すぎたかもしれない。最初に読む本としてはオススメしないとレビューに書いてあった。

    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=188797

  • 1部〜3部を一緒に♪

  • 序盤から引きずり回される。
    いつもそーだが入り込むのに時間が必要なのは自分だけ?
    だんだんと慣れて来てからは加速する。
    第2章が楽しみ

  • 圧倒された。
    出だしの軽い感じ。ユーモアが時々入ったり。
    カツラのバイト。うめまつまつたけ。爆笑した。
    そして、間宮将校の回想。ノンフィクションのようだ。
    残酷だった。臨場感たっぷりで、あっという間に読んだ。どうして、このようなものを書けるんだろう。
    村上春樹は不思議な人だ。
    なぜか夏目漱石を思いだした。

  • 2017年2冊目。(三読目)

    まともに向き合おうとすると本当に体力を使う本。
    三読目だから展開が分かっていても、やはり最後の間宮中尉の外蒙古の回顧録の衝撃は大きい。
    皮剥ぎのシーンはもちろんだけど、今回は井戸の中のシーンが、すべてありありと体感できてしまった。

    登場人物たちそれぞれが、「何かを損なう瞬間」をくぐっていて、その喪失や傷がこちら側とは違う世界に集積していき、こちらの世界に非局所的に影響を及ぼす。
    そのことを、トオルという一人の人物の目線を通じて知らされている気がする。

    物語に飲み込まれる分、物理的にとても疲れる。
    「くぐり抜ける」という感じ。
    先を読みたい。
    ====================
    2014年136冊目。(再読:2014年12月24日)

    飼い猫の失踪から様々な象徴的で不思議な出来事が始まる。
    一巻では、日常からリアリズムを越えた世界観への移行が始まり、主人公がそれに巻き込まれ始める。
    本の世界へ飲み込まれる作品。
    ===================
    2014年41冊目。(初読:2014年5月21日)

    岡田家の猫「ノボル」の失踪から、主人公トオルの身に不可思議な出来事が起こり出す。
    第一巻は「不思議な一連の出来事に巻き込まれはじめた」という事以外はほとんど分からない。
    バラバラのパーツが、二巻以降でどのように繋がっていくのか楽しみ。
    風景やちょっとした仕種の描写には、ちょっとオシャレ過ぎるくらいに村上春樹らしさが出ている。

  • 序盤からなんか読んだ事あるなと思ったら、なるほどパン屋再襲撃に収録されていたと。
    けっこうエグいシーンがあるのねこれ。
    いやしかし、とんでもな世界だね。

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ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編の作品紹介

ねじまき鳥が世界のねじを巻くことをやめたとき、平和な郊外住宅地は、底知れぬ闇の奥へと静かに傾斜を始める。暴力とエロスの予感が、やがてあたりを包んでいく。誰かがねじを巻きつづけなければならないのだ、誰かが。1984年の世田谷の露地裏から1938年の満州蒙古国境、駅前のクリーニング店から意識の井戸の底まで、ねじのありかを求めて探索の年代記は開始される。

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