- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103534037
感想・レビュー・書評
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ものすごい一気に読んでしまった。久しぶりに夢中になった。それは作品が良いだけじゃなくて、この小説が多くの謎を孕んでいてミステリー的な要素があるからでもあると思う。ふわふわを楽しむ。
読み終わって、それで結局あれはなんだったんだ、という箇所はたくさんある。でもそういうのは全てメタファーであって、物理的な答えはいらないんだと思う、たぶん。
読んでいてとても面白かったけど、好きな場面を思い出そうとしても、あまり浮かばない。ノルウェイや羊をめぐるのなかには好きな場面がいくつもあったのに。でも全体的にパラレルワールドを強く感じる好きな内容だった。ふわふわ。
あと装丁が良かった。表紙の鳥のイラスト、 本のずしっとくる厚みと重み、クロニクルっていう題名にぴったり。トレーシングがおしゃれ。花布も二色で良い。1部から3部までそれぞれにあった色の太い栞もいい。抱えるだけで幸せな本。
そしてやはり題名が天才的に良い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
村上春樹氏の本をはじめて読んだ。
失業中の主人公が奇妙な電話を受けるところから始まる。
それがこの後の話しにどう関わってくるか一部を読み終えてまだ分からないが、飼い猫の行方不明を起点に物語が大きく揺さぶられて行く。
終盤は戦時中のノンモンハンでの体験を滔々と語るシーンがあり、生々しく情景が浮かび恐怖すら感じた。
第二部も早く読みたくなった。 -
20110929開始
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1巻読み終わっての感想~。
『1973年のピンボール』ではねずみ男が人間は腐っていくだけだと話す。
『ノルウェイの森』ではキヅキが自殺。
村上春樹さんは「死」をテーマに扱うなぁ。
生きているとやがてやってくる死。
生の延長線上にある死。
この本はそういう死とは違う、「なにかの死」ってのがテーマなのかな?
間宮中尉の話でも、山本はほんとうに死んだ。これ以上ない残酷な死に方で。
一方、間宮中尉は生き残った。でも「なにか」が死んだ。
なんなんだろう?生きる目的?
井戸の中にある死。絶望?希望?わからない。
俺は毎日生きてるけど、死に向かっているなんて考えたこともないけど、「なにか」は生きているのだろうか?
実際の死もコワいけどなにかが死ぬのもコワいとか思っていたら机の上でハエが死んでいた。
なんか俺なりに生と死のコントラストを見た金曜日の昼下がり。 -
前半は読むのが重かったですが、途中から入り込めました。
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久々に読み返しましたがやはりイイデス
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ノモンハン。
戦争にまつわる残虐な記述があって、読みながら死にそうな気分になりました。
でも村上さんには、「戦争は嫌だ」という姿勢がはっきり感じられるので、嫌な部分もなんとか我慢して読めます。
そういうのがはっきり伝わってくる作家さんは少ないかもしれないですね。 -
1~3巻の長編大作、と呼ぶに相応しい。
何を言っているのか、何が書かれているのか、目で追って考えるのではなく感じとってください。
これは決して、心に深い闇を抱えた人のタメの本ではありません。自分とは何か?今一度見つめなおすチャンスを与えてくれる本です。
与えてくれたチャンス、自ら取りに向かってみませんか。