ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編

著者 :
  • 新潮社
3.72
  • (170)
  • (218)
  • (282)
  • (25)
  • (13)
本棚登録 : 2098
感想 : 135
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534037

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ものすごい一気に読んでしまった。久しぶりに夢中になった。それは作品が良いだけじゃなくて、この小説が多くの謎を孕んでいてミステリー的な要素があるからでもあると思う。ふわふわを楽しむ。

    読み終わって、それで結局あれはなんだったんだ、という箇所はたくさんある。でもそういうのは全てメタファーであって、物理的な答えはいらないんだと思う、たぶん。

    読んでいてとても面白かったけど、好きな場面を思い出そうとしても、あまり浮かばない。ノルウェイや羊をめぐるのなかには好きな場面がいくつもあったのに。でも全体的にパラレルワールドを強く感じる好きな内容だった。ふわふわ。

    あと装丁が良かった。表紙の鳥のイラスト、 本のずしっとくる厚みと重み、クロニクルっていう題名にぴったり。トレーシングがおしゃれ。花布も二色で良い。1部から3部までそれぞれにあった色の太い栞もいい。抱えるだけで幸せな本。

    そしてやはり題名が天才的に良い。

  • スーツを脱いで主夫になって数ヶ月の岡田亨がいなくなった猫を探す話。
    猫はなかなか見つからず、近所の少女や謎の電話、加納マルタ・クレタ姉妹等非日常的で、現実味のない人が岡田亨に次々に関わる。
    昔の知人である本田が亡くなり、形見分けをしている間宮から、間宮と本田の出会いの話を聞く。それは戦時中の満州での壮絶な体験だった。

    村上春樹氏の小説は好きじゃない。
    でも、タイトルで手にとってしまった。
    ジャケ買いならぬジャケ借り。
    そして、割に短時間で読みきった。

    非日常な事が現実味のないまま淡々と過ぎていく印象。
    岡田亨のキャラクターがそうだからかもしれないが、以前海辺のカフカを読んだ時にも似た印象を持ったので、そういう作風なのだろう。

    終盤の、間宮の満州の話は壮絶すぎて言葉が出ない。


    まったく関係ないが、第1部の感想に第2部以降のことを書くのはやめて欲しい。

  • 村上春樹氏の本をはじめて読んだ。
    失業中の主人公が奇妙な電話を受けるところから始まる。
    それがこの後の話しにどう関わってくるか一部を読み終えてまだ分からないが、飼い猫の行方不明を起点に物語が大きく揺さぶられて行く。
    終盤は戦時中のノンモンハンでの体験を滔々と語るシーンがあり、生々しく情景が浮かび恐怖すら感じた。
    第二部も早く読みたくなった。

  • 20110929開始

  • 1巻読み終わっての感想~。

    『1973年のピンボール』ではねずみ男が人間は腐っていくだけだと話す。

    『ノルウェイの森』ではキヅキが自殺。

    村上春樹さんは「死」をテーマに扱うなぁ。

    生きているとやがてやってくる死。

    生の延長線上にある死。

    この本はそういう死とは違う、「なにかの死」ってのがテーマなのかな?

    間宮中尉の話でも、山本はほんとうに死んだ。これ以上ない残酷な死に方で。

    一方、間宮中尉は生き残った。でも「なにか」が死んだ。

    なんなんだろう?生きる目的?

    井戸の中にある死。絶望?希望?わからない。



    俺は毎日生きてるけど、死に向かっているなんて考えたこともないけど、「なにか」は生きているのだろうか?

    実際の死もコワいけどなにかが死ぬのもコワいとか思っていたら机の上でハエが死んでいた。

    なんか俺なりに生と死のコントラストを見た金曜日の昼下がり。

  • 前半は読むのが重かったですが、途中から入り込めました。

  • 久々に読み返しましたがやはりイイデス

  • 松・竹・梅(笑)

  • ノモンハン。

    戦争にまつわる残虐な記述があって、読みながら死にそうな気分になりました。

    でも村上さんには、「戦争は嫌だ」という姿勢がはっきり感じられるので、嫌な部分もなんとか我慢して読めます。
    そういうのがはっきり伝わってくる作家さんは少ないかもしれないですね。

  • 1~3巻の長編大作、と呼ぶに相応しい。
    何を言っているのか、何が書かれているのか、目で追って考えるのではなく感じとってください。
    これは決して、心に深い闇を抱えた人のタメの本ではありません。自分とは何か?今一度見つめなおすチャンスを与えてくれる本です。
    与えてくれたチャンス、自ら取りに向かってみませんか。

全135件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

村上春樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×