世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

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著者 : 村上春樹
  • 新潮社 (2005年9月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (618ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534174

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの感想・レビュー・書評

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  • 手に持った瞬間からずっしりくるこの厚み。
    短編や中編はすごく面白かったものの、正直読む前からすでに読み切れるか不安でした。
    でもとっっっっっても良かった!!!読んで良かった。
    もうどうレビューするべきなのか分からないのですが、とにかくこの世界観に入り込んでしまって、久しぶりに物語を物語として純粋に味わったような気がします。
    何かの合間では読めなくて、夜やるべき家事をすべて終えてから「さぁ読むぞ」と心して読み進めてました。

    ハードボイルド・ワンダーランドと世界の終り、交錯することなくそれぞれ独立しているかに見えるこの2つの世界の曖昧な境界線が終始心地よかった。
    SFのようなファンタジーのような、かと思ったら青山で地下鉄に揺られたり銀座のレストランで食事したり。
    そういう夢とも現実ともつかない雰囲気をまとい、村上春樹特有の文体と言い回しが完璧にこの世界観を仕立て上げています。

    僕と私は同一人物なの?私がこれからとり戻す世界の終りとは、僕が残ったままの世界の終りのことなの?
    ラストもあれは絶望なのか希望なのか、どちらとでもとれるような不思議な余韻だけを残していました。
    便宜的な正解は何も明言されておらず、すべてが自分自身に問いかけられているかのようで、私は彼の作品のまさにそこがとても好きです。
    共感する、感情移入するという次元ではなく、読み手をそのままひっぱりこんでどぼんと沈め込まれるような、そんな感覚にしてくれます。

    カラマーゾフの兄弟の名前を全員言えることとか、図書館でリファレンス係やってることとかが少し誇らしくなってしまった。
    何度も読み返したい素晴らしい傑作です。
    これで「村上春樹好きだ!」と確信をもって言えるようになりました。

  • <再読>「色彩を持たない〜」が期待外れだったので80年代の記念碑的作品を読み直す。2つのストーリーが並行し絡み合う構造。緊張感と独創性。個人的村上ベスト3は揺らがず。10数年振りに読んだが案外忘れているもの。

  • 村上作品で一番好きかも。
    「世界の終わり」は静かさと想いに満ちている。
    私も行ってみたい。

  • 3つの世界がいりみだれる。パラレル。

  • 何回読んでも面白い。
    やれやれ が口癖になるくらい、登場人物がみんな魅力的なんだあ

  • 個と全体を描きたかったのかな?
    2つのワールドがどう関わりを持っているのかを念頭に読んでいたからか、読み終わった後?となりました。
    もう何回か読み直しが必要です。

  • 初版本を買って数ページ読んで「何だこりゃ」とやめたのが30数年前。いつ捨てたのかすら覚えていない。恐々再度挑戦したがスーと読めた。きっとこれが春樹の代表作なんだろうと思う。

  • 村上春樹作品の中で最も好きな小説です。
    他の作品とは一線を画していますし、日本国内には収まらないスケールの大きさを感じます。
    現実虚実、有象無象が混在した世界観に引き込まれます。
    タルコフスキーの「ノスタルジア」やキューブリックの「2001年宇宙の旅」
    を観た後と同じような感動を覚えました。

  • 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」
    2つの世界が交錯する不思議な世界の話。


    本書は「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」という2つのプロットが交互に語られています。


    ◆世界の終り◆
    主人公”僕”は、閉じた世界のある街に暮らしている。街の中心をなすのは、旧橋の北側に広がる半円形の広場。そこには、中央には大きな時計台が空を突きさすような格好で立っている。北の広場を幾重にも取り囲むように、石造りや煉瓦造りの建物が扇状に拡がっている。建物1つ1つに際立った特徴はなく、”僕”はそんな建物の1つである図書館に通っている。”僕”の仕事は古い夢を読むこと。ある動物の頭蓋に込められた夢を読むのだ。


    ”僕"にとっての世界は、これが全て。”僕”には1人のパートナー”影”がいる。”影”とともにこの世界から脱出する為、”僕”は街の地図を作り始める。


    ◆ハードボイルド・ワンダーランド◆
    ”私”は、計算士である。計算士は一言でいうと、情報を守る仕事だ。数値の配列を解読し、その数値を右側の脳に入れ、異なる記号に変換してから左側の脳に移し、左側の脳に移したものを最初の数値とは全く異なる数字として取り出す(私達の世界で言う暗号化に近い)。ズボンの右ポケットに百円玉と五百円玉を入れ、左ポケットに五十円玉と十円玉を入れ、両手を左右のポケットにつっこみ、右手で百円玉と五百円玉の金額を数え、それと並行して左手で五十円玉と十円玉を数える。ダニー・ボーイを口笛で吹き、映画ワーロックを愛する。それが”私”。


    ある日、”私”は、老人に仕事を頼まれる。それぞれの動物の頭蓋骨および口蓋の容積の三次元映像を数値転換した数値と、その発声を三要素分解したものを組み合わせた数値を組み合わせたものを解析するのだ。”私”はその仕事を引き受け、数日後、また老人と会うはずだった。しかし、老人は消え、謎の組織が”私”を襲ってきた。


    「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」が交互に進んでいく設定になっており、各々独立した世界の様。しかし、何かしら関係性があるんじゃないか?と思わせる伏線があります。例えば、一角獣、世界の終り、ダニーボーイ。それらがどんな意味があるのかを想像させる1つのフックになっています。


    もう1つ大きな役割を持つのが、”私”。正確にいうと”私”の意識。第三のジャンクションを埋め込まれる措置を施され、じきに埋め込まれた第三の回路に意識を乗っ取られてしまう。(なんのこっちゃ!?と思われるので、是非読んで頂きたい)。その驚愕の事実を知るのが、老人(著名な博士であり”私”の大先輩であった)と再会した後のこと。そこから”私”は、意識が乗っ取られることに抗うのか、享受するのかの選択を迫られることになる。


    ”私”の意識に施された科学的な仕掛けを基に「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」が引き合わされていく。心を見失った”僕”は、”影”と世界からの脱出を目指していたが、図書館の女の子に惹かれ、次第に心を取り戻していく。そして、心を失わない決断を行う。この”僕”の物語の最初と最後の変化に、”私”が関係しているように思う。


    すんなり解釈すると「ハードボイルド・ワンダーランド」の”私”の意識が「世界の終り」である様に思えるがどうでしょうか。村上春樹の小説は、物語の解釈を読者に投げかけるケースで終わることが多い印象ですが、本書は、とてもきれいな形でこちらに投げかけている様に思います。


    ちなみに、村上春樹と言えば妙に性描写が出てくる印象ですが、本書も出てきます。いまいち、役割がわからなかったけどw

  • 分厚い本ですが、あっという間に読み進めました。
    村上春樹さんのファンタジーもいいですね!
    是非、実写化してほしいです!

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村上春樹、80年代の記念碑的長編。

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