1Q84 BOOK 2

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534235

感想・レビュー・書評

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  • 一気に200万部も売れたという話題作。
    自ずと読もうという意思はなかったが貸与してくれる人がいたので素直に読んだ。

    村上春樹ワールドなのは確かではあるけど、わりと誰でもサクサク読めると思う。(貸してくれた人は「話が行き来するから分かりづらい」と言ってエピソードごとに飛ばし読みしたらしい。その方がよっぽど分かりづらいと思うけど…)
    ファンタジーだったりカルトだったり多分な性描写だったりと、各視点での賛否はあるみたいだけど、訳知りな大人ならそれなりに理解できるし、楽しめるんじゃないかな。
    ただ、大部分の頭のカタイ連中には相容れない内容かも。

    個人的には、天吾と青豆の純愛?にじんわり反応…。

    中盤までの勢いからしてあの終わりは期待はずれだったので星☆☆☆ってとこ。
    続編説が浮上してるみたいだけど本当のところどうなのかしら??

  • 2人のいる部屋はいつも暗く、青豆には天吾の姿を見ることはできない。彼女が目にできるのは、その瞳だけだ。暗闇の中でも、青豆にはその温かい瞳を見ることができる。彼女は天吾の瞳をのぞき込んで、その奥に、彼が眺めている世界の光景を見てとることができる。  (P113)       
     
     『空気さなぎ』をリライトすることで天吾にとってふかえりは特別な存在になるし、青豆は2つの月を見るようになる。けれど同じ1Q84年に天吾がいることのしるしであることには気づかない。13章で青豆が生き残るか天吾が生き残るかの選択で天吾が生き残る(この時点での)選択をするためにリーダーをあちらに移動する。そのことで青豆は天吾が世界に存在することをみとめる。
     天吾はふかえりと一緒に猫の町に行くことで(悩まさえてきた幻影というか「映像」のオハライ)青豆に会いたいと思うようになるし実際に探しはじめる。そのことにより10歳の時に小学校の教室で見た月の記憶が鮮明になるし1Q84年で2つの月を見るようになる。21章で青豆はマンションのベランダから公園の滑り台を見る。滑り台から月を見上げてる若い男の横顔に10歳の頃から変わらぬ面影をみとめ天吾と気づくが(少なくともBOOK2では)出会い損ねる。22章で月の数が増えていたことを天吾は打ち明けるかのようにふかえりに言い、24章で千倉にある療養所で空気さなぎを目にし、そこに美しい10歳の少女を見出し青豆を見つけることを決意する。

    1984年の世界では、非常階段がそこに存在していた。あの奇妙なタクシーの運転手が教えてくれたとおり、青豆はその階段を容易に見つけることができた。そして柵を乗り越え、その階段を降りていくことができた。しかし1Q84年世界には非常階段はもう存在していない。
     出口はふさがれてしまったのだ。    (P469)

     1984年から1Q84年になぜ移行したかではなく1Q84年にすでにとどまった状態になっていて(天吾も青豆もヤナーチェックの『シンフォニエッタ』を聴いている)2つの月を見ることは求めている対象が同じ世界に存在するということのしるしだと考えたほうがいいのだろう。
     BOOK3で青豆と天吾が邂逅するためにどうにかしなければならないことが2つ。両親と縁を切り信仰を捨てると決断したにも関わらず、それ以前の小学校の教室での出来事に天吾が含まれているという矛盾(もしくはビッグ・ブラザーが『問題』にする遊離)、BOOK1から書きはじめた長編を彼らに対抗しながら(牛河からの助成金の申し出を断ったため)書ききれるのか!BOOK3では牛河の章があるし牛河もおそらく2つの月を見るだろう。その時牛河が会うのは青豆なのか別の人物なのか、いずれにせよ重要な役割というかキイであるようなきがする。

  • 相変わらず独特な表現で謎な部分も多いが読むことができた。

  • 天吾と青豆は1984年ではなく、違った世界1Q84(仮題)の世界に入り込む。ふかえりと天吾が二人で書いた『空気さなぎ』の世界と同じ月が2つの世界で、リトルピープルが存在している。青豆さんの行方が気になる。

  • 第1章 青豆 あれは世界でいちばんたいくつな町だった
    第2章 天吾 魂のほかには何も持ち合わせていない
    第3章 青豆 生まれ方は選べないが、死に方は選べる
    第4章 天吾 そんなことは望まない方がいいのかもしれない
    第5章 青豆 一匹のネズミが菜食主義の猫に出会う
    第6章 天吾 我々はとても長い腕を持っています
    第7章 青豆 あなたがこれから足を踏み入れようとしているのは
    第8章 天吾 そろそろ猫たちがやってくる時刻だ
    第9章 青豆 恩寵の代償として届けられるもの
    第10章 天吾 申し出は拒絶された
    第11章 青豆 均衡そのものが善なのだ
    第12章 天吾 指では数えられないもの
    第13章 青豆 もしあなたの愛がなければ
    第14章 天吾 手渡されたパッケージ
    第15章 青豆 いよいよお化けの時間が始まる
    第16章 天吾 まるで幽霊船のように
    第17章 青豆 ネズミを取り出す
    第18章 天吾 寡黙な一人ぼっちの衛星
    第19章 青豆 ドウタが目覚めたときには
    第20章 天吾 せいうちと狂った帽子屋
    第21章 青豆 どうすればいいのだろう
    第22章 天吾 月がふたつ空に浮かんでいるかぎり
    第23章 青豆 タイガーをあなたの車に
    第24章 天吾 まだ温もりが残っているうちに
    本作品には、一九八四年にはなかった語句も使われています。

  • BOOK2は更に面白さは加速していった印象。
    現実世界に登場する結社をモチーフとしたカルト教団のリーダーの暗殺計画や、妙なファンタジー要素が介入してくることで、更に展開が気になっていく。
    『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』や『ねじまき鳥クロニクル』と並ぶくらいには今のところ楽しんでいる。

  • クライマックス感

    どんどんいろんなことが明らかに(または明らかになっている風に)なってきて、とうとう青豆さんが「リーダー」を殺害した。
    「リーダー」に会うまで、殺害するまで、部屋を去るまで、とてもドキドキした。

    『空気さなぎ』の内容、二つの月を見上げてニアミスする天吾と青豆のシーンが良かった。

    ラスト、どうなるんだろうな〜

  • 初ハルキ、

  • 謎だった部分が少しずつ明かされて、そういうことかーと思う場面が多々ありでした。
    天吾が自分は何者でもない、そこにあるだけと考えているところにとても共感。

  •  著者の本を昨年末から図書館で借りシリーズで読んでいる。
     う〜む、今回はリアルとファンタジーと2つの世界が並行して描かれているような...。と思ったら、リアルがファンタジーとなり、ファンタジーの世界が並行して描かれ始めた。
    幼馴染み二人の男女の物語がファンタジーの世界でどのように接点をもつのか、続きが楽しみだ。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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