- Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103534235
感想・レビュー・書評
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『1Q84』は登場人物がちょっと感情的なので驚いた。
そして今までの作品にはあっただろうかと思うほど、じわりと汗が滲んでくる緊張感に溢れる場面も。
でもその分、他の場面が冗長に感じられてしまうんだけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
心から一歩も外に出ない世の中なんてこの世に存在しないにかなりグッときました、、!
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息つく暇がないほどのハードボイルド。動と静。生と死。離れたストーリーが近づいてきた。村上春樹さんの作品、言葉を噛み砕きながら読むので重い。一気読みしたいがじっくり読みたい。
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夜のバー知り合って夜のお供を探すときのパートナーを受け入れたことから知り合った婦警の中野あゆみは青豆本人が驚くほどやわらかに、けれど確実に距離を縮めてきた。何より驚きだったことはそれがけして青豆にとって不快ではなかったということだった。
しかし婦警と殺人犯では距離を近付きすぎることは危険以外の何物でもなかった。彼女から距離を置いた青豆は老婦人からつばさという少女を紹介される。彼女はまるで表情をどこかに忘れてきてしまったように、底の見当たらない目をして、反応も恐ろしく鈍かった。老婦人が話した彼女の身の上話は、身の毛もようなものだった。とあるカルト教団のなかでつばさは生理が来る前の体で性行を強いられ、内部を傷つけてしまっていた。子供を産むことはもうできない。老婦人は、この教団の中に人を紛れ込ませ青豆が仕事をするまでのセッティングを進めているが、これは今までの中で一番危険なものになる、仕事が終わったら顔、名前、仕事、今までの関係性、そのすべてを捨てて変えてもらわなければいけないといい、青豆は了承した。青豆とって最後の殺人依頼となる。その準備をすすめているある日、青豆はニュースで中野あゆみがラヴホテルで殺されことを知る。
天吾が書き直した『空気さなぎ』は文学賞を受賞し世間ではベストセラーとなっていた。しかしふかえりが失踪したという知らせが入ったあと、天吾の年上のガールフレンド(不倫関係)が‘失われ’、職場には不気味な牛河という男が天吾へと怪しい援助の話を持ってきた。ふかえりからの無事の知らせがカセットテープで届いた。世界に関わらず、責任も持たず生きてこようとしていた天吾に世界は、変革を求めていた。
物語が速度を徐々に上げていくのが肌に伝わる中間地点。中で語られる猫の町というお話が印象的。 -
だんだん話がわかってきた!
もっと毒々しいグログロな話かと思ったけれど、ストーリーが気になるからか、読んでいてもそこまで辛くない。 -
うずまき鳥クロニクルの焼き増し感がすごくするのだが、意図的になされているのだろうか?
もしそうなら、どういう経緯というか心境でこの本がこのようなものになったのかが気になる。 -
続きだから読んだ本。より意味不明なストーリー展開。他人には薦めない本。なんでこんな本が売れるのやら。
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擦れ。摩擦。パラレルとか捻れとかはちょっと違う。相対的な関係と絶対的な存在の同居。戻れない過去。辿ることのできる記憶。すれ違いと同じ目的。他者の為の自己犠牲と、責任という自己欺瞞。
それらは明確に分かれるものだけれども、同時に存在する。しかもたちが悪いことに一人の人間にとってもそうだし、思いが錯綜する人間社会ならなおさらだ。絶対的善が存在しないのと同様に、絶対的悪も存在しない。そこにあるのは「人間」でしかないし、そこに思想が入るからややこしくなる。
著者はそれを説明しようとも思っていないし、理解してもらおうとも思っていないはずだ。ただその存在をパシヴァとしてわかりやすく表現し、読者にレシヴァとなることも求めていない。
夜空に浮かぶ月の様に、ただ前に進む時間のように、世の中の真理を紐解く方法の一つである数式のように与えられた役割を、いやただそこに存在することだけであれば、どれだけ世界は平和だったことだろう。
思考することを身につけてしまった人間の背負った業の深さと贖罪を許されない存在に対し、慈愛を持ちながら突き放す1Q84という世界を作り上げた著者はこの世界では神となり、語り部となる。人間は過去を辿り、やり直すことが出来るのか、それとも新しく世界を少しでも変えることができるのか。あるいは。