1Q84 BOOK 3

著者 :
  • 新潮社
3.75
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  • Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534259

感想・レビュー・書評

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  • 『説明しなくてはそれがわからないというのは、
    どれだけ説明してもわからんということだ。』

    何度も繰り返されるこの言い回し
    自分の作品はそういうものだと言っているようにも思える

    確かに彼の作品を読んでいる時は楽しくて
    (でも長くて読み終えるとほっとする)
    感想らしきものも浮かばず そして忘れる
    (なにも心に残らない)
    ただ楽しかった~
    (別の世界に行ってた~)
    という余韻だけが残るので 
    また他の作品も読んでみたいなと思ったりする

    一か所だけ気になったところ
    3巻の真ん中で青豆と天吾がニアミスするところ

    ここでいくつかの「もし」が我々の頭に浮かぶ

    我々って?作者と私たち読者?
    なんだか妙な気分になった

  • 読了。滑り台、高速道路の非常階段のくだりは、『わたしは真悟』の名シーンを思い出した。

    長い作品だし、そこかしこに良い場面や表現があるから、どうしても終盤にかけて期待感は高まる。回収する、しないはそれほど問題ではないし、投げっぱなしやとっ散らかしは気にならないが、終わり方、着地のし方が長い物語を支えきれていない感じ、膨らんだ期待感のやり場のなさは否めない。


  • “1Q84”、“猫の町”からの脱出成功!

    目次を読んだ時点で、「青豆と天吾」の章があったから、どんなかたちであるからわからないけど、2人は出会えるんだろうな、と思いながら読み進めたので、前の2巻ほどは、ハラハラは少なめ。

    今回から、追う側の牛河さん目線が追加されることによって、時間が前後したり、同じシーンを違う人の視点から見れたりする。

    後半、牛河さんが殺されたあとにも牛河さんの章があった。牛河さんの死体目線だった。

    ラストを楽しむタイプの小説もあれば、読んでいる間を楽しむタイプの小説もあって、わたしは最近後者が好きになってきた。
    いままで読んできた感じだと、村上春樹は後者の作品が多い気がする。

    話し相手に浸透するまで、次の言葉を発しないところが好き。

    『1984』読む!

  • さすがの村上春樹。設定がわけわからん癖に引き込まれる。
    最終巻の3巻まで進んでも結局リトルピープルも空気さなぎの謎も分からず仕舞いだった。そして宗教団体が不気味でまぁ気持ち悪い。最初は教祖さまが終わってると思ってたけど、その下にぶら下がってるような周りの人間たちのほうが万倍気持ち悪い!

    少女に暴行していたと思われていた教祖さまが、実は身体が動かず「空気さなぎ」の女の子たちが乗ってきていたというのは…果たして教祖は悪いのだろうか?リトルピープルに(別に望んでもないのに)人の感情を読み取ったり、ある程度の未来予知ができたりする不思議な力を貰ったのはまあいいよ。でもその代わりに、常にものすごい苦痛が襲ってくる仕様に変えられた教祖さまが不憫でならない。デメリットがデカすぎる。青豆が「少女暴行をしているこんな男は生かしておけない」と依頼を受けて暗殺に向かうけども、教祖さまは未来予知のおかげですでに知っている。分かっている上で殺されることを救いにしている。なので、やらなければならない事をアドバイスしたりする教祖さま。ターゲットが暗殺者にここまで協力的なのは珍しいw

    教祖さまを殺したあとは青豆ねえさんの隠遁生活スタート。
    とっとと天吾と青豆は出会って欲しかったけど最終巻まで待つことになった。
    個人的に天吾はあまり好きになれなかったが、月が二つあることに気づいたときのリアクションが面白すぎる。自分が書いた物語が現実のものとなったならば、そう感じている自分の正気を疑うよな、そりゃ。

  • BOOK2の消化不良を解消するためのもの、かなぁ。
    続編なのでBOOK1やBOOK2ほどのインパクトはまずない。

    そして物語の世界観をすんなり受け容れている者であれば、今作品の不可思議さを不可思議とも思わないはず。
    行き過ぎた思い込みラブストーリーとも思わないだろう。

    いま目に見えている世界だけが現実の全てだと信じて疑わない、自分のそして他人の限界はここまでだと決めてかかっている者には、
    いろいろな意味で新鮮な警鐘になったのではないだろうか。

  • 1、2に比べてのめり込めなかった。
    というか、1と2の展開がとんとんと進んでいったのに対しこの巻は何度も何度も同じ話の繰り返し、説明的な部分が多すぎて200ページを過ぎた辺りで飽きさえ感じた。
    村上春樹の今まで読んだ作品では、後半にいくに連れてスピード感がでてくるのが多かったのに、1Q84はどうも回りくどいだけで読むのがきつかった。
    前巻を読んで期待していただけに。

    個人的に気になるのは突然ストーリーテラーが入ってきたこと。
    私の見逃しかもしれないけれど、この巻で初めてじゃないか?
    具体的に言うと339ページ。
    いきなり「我々」という言葉でこちらに呼びかけられたような、ひやりとした感覚を覚えた。
    あとは牛河さん可哀想だった。
    牛河さんが1984年ではイケメンになって幸せに暮らしてますように!笑

    ふかえりや、後のさきがけや、先生や、老婦人、タマルさんがどうなったかとか、結局リトルピープルは何だったのかとかそういう不可解な部分が残ったままで物語は終わる。
    天吾はリーダーの子供だったのか。
    安達クミは母親の生まれ変わりだったのか。
    それを明らかにしてしまったら都合がよすぎる気もするし、これは著者が意図して読者に与えた自由に思索する余地なのだろう。あるいは次巻への伏線か。
    まあ余りにも長い本に感じたので、私はもういいかな?って思います。続きはなくて良し。十分。


    本当はここをこう解釈したとか書きたかったけれどいろいろ考えているうちに頭が痛くなったのでやめます(笑)
    何はともあれ読者の想像力をゴーンゴーンと刺激する小説でしょう。

  • 途中まで抽象的で少し飽きがきてしまいそうだったが最後の方はよかった

  • 初めての村上春樹さんの作品

    長くて、やっと読み終わったー!!というのが1番の感想。
    なんだかくどくて、私には合わなかったかも

    だけど、読みやすい本はすぐ内容を忘れてしまうのに、これは内容をある程度覚えていられる。
    内容がいいからなのかなー

    ノルウェーの森が気になるけど、
    なかなか気合いが必要だ。

  • 2023年3月からBOOK1を読み始めて、9月ようやくBOOK3を読み終えた。
    時間はかかってしまったものの、村上春樹ワールドを楽しむことができた。
    ただ、BOOK3に入って読むスピードが落ちてしまって存分には楽しめなかったかもしれない。
    勢いよくBOOK2までを読んでいたのに、BOOK3を読むスピードが落ちたのはなぜだろう。
    私の読書が遅いという問題は大いにあるけれど、物語の勢いも少し失速していたようにも感じる。
    クライマックスは青豆の言動に読む側も勇気をもらえて、爽やかな終わりだった。
    村上春樹らしいファンタジーで、私が生きているこの世界以外にもまた別の世界があるのでは?と、思わず月を見上げたくなるお話だ。
    ローファンタジー恋愛小説。

  • Book3では、1,2の謎が部分的に解明されてハッピーエンド。
    でも、まだまだ不思議な部分もたくさん残ってる。
    村上作品はいつもの事だけどね。
    リトルピープルとか空気さなぎとか、あれはいったい何なんでしょう・・・。
    Book4も作られるかもしれないね。
    しかし、こんな世界、たぶん終わりはないので、Book4なんていらないけど。

    さて、村上作品。
    Book1で挫折してしまった人は、村上作品はどれも合わないでしょう。
    でも、好きな人は好きなんですよ。独特な世界観がある。
    ただし、今回の「さきがけ」は実存するカルト集団を模倣してるので、そこん所が今までの作品とはちょっと違うかな。

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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