ねむり

著者 :
  • 新潮社
3.41
  • (54)
  • (175)
  • (207)
  • (50)
  • (15)
本棚登録 : 1591
感想 : 235
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534266

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日常のすぐそばにある非日常、違う世界、みたいな作風がよく出てる短編。どこに行き着くのかは読み手任せな感じの最後も後を引く。

  • 不眠症(?)、とにかく眠れなくなってしまった女性の話です。
    最後女性は殺されてしまったのか、レイプされて生き残ったのか、それとも車をガタガタ揺らす男たち自体夢だったのか…気になります。

  • 感想:
    面白い発想の小説と思った。初めて読む村上春樹の短編。短編なだけに、いつもの詩的な表現というよりは躍動感があり、何か掻き立てるものを感じた。またおそらくその当時著者が感じた焦りや希望や迷いを所々に感じふことができた。あとがきを読むと40歳くらいの頃に書いた小説ということで、偶然にも今同じ年齢の自分とも合わせて見てしまうが、今の生き方や将来に希望と不安が入り混じる自分の姿と重なる所があるように思った。

    抜き出し:
    ・私はただ単に驚いてしまうだけだ。昨日と一昨日の区別もつかないという事実に。そういう人生の中に自分が組み込まれてしまっているという事実に。自分のつけた足跡が、それを認める暇もなく、あっという間に風に吹き払われていくという事実に。
    ・それではあの時代に、私が本を読む事で消費した膨大な時間はいったい何だったのだろう?
    ・どうしてトルストイは登場人物をみんなこんなに上手く自分の手のうちにくるんでしまえるのだろう。彼はとても素晴らしい的確な描写をする。善や悪さえもが、善や悪である前に、ひとつの総体的な情景として-
    ・でもそれらの出来事はどれも私の存在を揺り動かしはしなかった。それらは音のない風のように私のまわりを過ぎていっただけだ。
    ・それでは私の人生とはいったい何なのだろう?私は傾向的に消費され、その偏りを調整するために眠る。それが日々反復される。朝が来て目覚め、夜が来て眠る。その反復の先にいったい何があるのだろうか?何かはあるのだろうか?
    ・少なくても今、私は自分の人生を拡大している。これは素晴らしいことだった。自分がここで生きているという実感がそこにはある。
    ・顔に締まりがなくなってきた。それが多分年をとるということなのだ。夫は年をとって、そして疲れている。生活がこれをすり減らせている。これから先、間違いなく更に醜くなっていくだろう。
    ・もし死というものがこういうものだったら,私はいったいどうすればいいだろう。死ぬということが、永遠に覚醒して、こうして底のない暗闇をただじっと見つめていることだとしたら?

  • これ好き。
    私自身今寝つきが悪くて、睡眠によく悩まされる。
    眠れないし本でも読むか、でこれを読んで、一気に読めた。久しぶりに本に没頭した。
    図書館で借りて読んだけど買おうと思う。
    そんで、また眠れない時に読もうと思う。

  • 不眠状態の心情さすが村上春樹と思う表現満載

  • 村上作品ぽくないところが新鮮。一気に読めた。ねむり、今睡眠で少し悩んでいることもありタイトルに惹かれ読み始めた。
    覚醒しつづけるということ、眠りがない生活。想像がつかないが、ねむりによって色んなことをリセットしてるから悩みから解き離れて、生きていられるんだと思う。積み重なってしまうとしたら、、想像するだけでつらい。

  • "913-M
    人気作家コーナー","

  • 眠ることに変化が起きた主人公の物語。彼女を取り巻く環境の変化や過ごした年月の蓄積が彼女自身が気づかないうちに彼女の身体に影響を与えていた。

  • ひとつひとつのシーンが細かくて、それでいて想像に任せる部分が多く、また読みたいと思った

  • 不思議でなんかクセになる。
    ちょっとのはずが、勢い止まらず一気読みした。
    夜に読み始めたのはストーリー的にちょうどよかったなぁと。
    挿絵の迫力がすごくて、挿絵が入ったページが来るたびどきっとした。
    最後はどういうことだったんだろうって考えてこちらも眠れなくなるやつ。

全235件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

村上春樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
貴志 祐介
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×