村上春樹 雑文集

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著者 : 村上春樹
  • 新潮社 (2011年1月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534273

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有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
村上 春樹
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

村上春樹 雑文集の感想・レビュー・書評

  • 村上春樹が色々なところで書いた文章が雑多に詰まっている、まさに雑文集。
    やっぱり、文章を書くのが上手な人だなって思う。自分が興味のない事柄について書いていても、おもしろく読めてしまうのだから。
    例えば目玉焼きについてでも、戦争についてでも、きっとすらすらと上手に語ってくれるだろうと思ってしまうのは、きっと彼自身が、自分が何を語れて何を語れないかをよくわかっているからこそなんだと思う。
    (そういえばデビュー作の「風の歌を聴け」にはこんな文章があった。「しかし、それでもやはり何かを書くという段になると、いつも絶望的な気分に襲われることになった。僕に書くことのできる領域はあまりにも限られたものだったからだ。例えば象について何かが書けたとしても、象使いについては何も書けないかもしれない。」)

  • エルサレム賞受賞の挨拶が読みたくて、手に取った。村上春樹の受賞時のスピーチ映像をニュースでみて、日本人として誇りに思ったことを覚えている。ただ、ほとんどの小説は読んでいるにもかかわらず、それほどファンというわけでなかった。「村上春樹って、会話とか成り立たないような、不思議な人なんだろうな」と、勝手に思っていたのだが、数々の受賞の挨拶や、安西水丸氏について書いている文章など、クスッと笑えたりして、村上氏への印象が変わった。また、翻訳に関しての「翻訳に必要なのは、偏見に満ちた愛」という記述には、大きくうなずいた。すべての翻訳本は、愛に満ちていて欲しい。村上氏の手がけた翻訳本を、ぜひ読んでみようと思う。

  • 僕は村上春樹にはずいぶんとシンパシーを抱いている。彼の小説が好きなのはもちろん、村上ファンである内田樹さんファンでもあり、ジャズが好きでもあり、チャンドラーファンで、フィッツジェラルドファンで、日本の文壇はあまり好きではなく、孤独が好きで、翻訳が好きで、文章をゴリゴリ書くのが好きで、早起き。システムが嫌い。

    アイロンがけが好きとか、カズオ・イシグロに対する言及とかは、この「雑文集」を読んで初めて知った。ノルウェーの森のタイトルとかも興味深く読んだ。壁と卵ももちろん深くうなずきながらよんだ。対談も面白かった。青山にまた行きたくなるくらいに。

    今は、小説と小説の農閑期みたいだから、このような軽めの本を出したのだそうだ。ということは、また新しい小説が読めるということ。楽しみじゃ。

  • タイトルのとおり、短い文章がとにかくごちゃっと詰め込まれている感じ。内容に一貫性はない。僕自身はまあまあ楽しめたけど、これはおそらく「村上春樹という人物のファン」しか楽しめないのではないかなと思った。また、ジャズ関係の話が多かったので(まったくわからないので丸々飛ばした)わかる方ならもっと楽しめるのかも。
    ただ、例のエルサレム賞の受賞スピーチが全文収録されているところはとても良いと思った。未読の方はどうぞ。

  • 「本というのは僕らの内なる凍った海に対する斧でなくてはならない」とはカフカの言葉であり、村上氏の考える本の定義。

  • 言葉で説明されるよりも、物語ることの方がわかるときがある。

    村上春樹が何を思い、何に触れているかを辿りながらも、やっぱり彼の持つ虚構に誘われるほうが良い。
    しかし、冒頭の「自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)」はすごく良かった。

    自分について原稿用紙四枚で述べることなんて出来ないが村上春樹なら出来るのか、という起点も楽しい。
    私たちはどうしても、問いの前に制限されることがあるけれど、そんな質問に対する村上春樹は、牡蠣フライについて書いてみたら?という答えを出すのだった。

    自分が好きな何か、村上春樹にとっては牡蠣フライについて書くことから、村上春樹が浮かび上がる。
    全体的にではなくとも、極めて微細に深く、そのひとを知ることが出来るのかもしれない。ユーモアがあるなあ、と笑ってしまった。

    が、更に大人げない?ことにはそれを村上春樹自身が書いてのける。実に美味しそうな牡蠣フライの話を。

    見方や切り口は、その人の世界の入り口である。
    そんな入り口を幾つも提示してくれる、なかなか素晴らしい「雑文集」であると思う。

  • 村上さんの文章は、どのような形のものも全て村上春樹らしさに溢れています。
    今までもエッセイなどでそのユーモアのセンスには驚かされてきましたが、ユーモアを愉しむ以外の面白さもある読み応え抜群の一冊でした。

  • 2014年5月16日読了。1979~2010年の村上春樹のエッセイ・寄稿文・文学賞受賞時のあいさつやパーティでのスピーチなど、まさに「雑文集」。有名なエルサレムでの「卵と壁」のスピーチを含む、多くの未発表の文章が収録されているようだ。「口下手」と謙遜し自分の本業は長編小説にあるとする著者だが、どうしてあいさつの文章などは、ユーモアがあり「えっ、どういうことだろう」と聞き手が一瞬考える瞬間あり、かつ十分に短くて分かりやすいもので読ませる読ませる。デビュー当初のあいさつ、自身が経営していたジャズ喫茶やインタビューしたジャズメン、翻訳を手がけた作家、「アンダーグラウンド」に関連する「物語」への思い、など自身の思い入れの深い文章なども多く読むことができ、大変興味深い。この人の翻訳した小説ももっと読んでみたいものだ。

  • 図書館で見かけて、でたとき、気になってたな〜と借りてきたのだが、面白くて一気に読んでしまった。自分は村上春樹の小説に対しては、このエッセイ集で村上春樹が、ビートルズについて、誰もが聞いていた音楽で、嫌いじゃないけれど、買って聞こうとは思わなかった、と書いているのと似ていて、高校の時にノルウェイの森が大ヒットして、誰もがこれを読んでいた、というあたりで、なんとなく、じゃあ自分はいいや、的な距離になってしまったという気がする。それでもいくつかの小説は結構熱心に読んで好きだったし、逆に、最新作の2つは、はっきりと、ぴんとこなかった(ので、最新作はまだ読んでいない)。けれど、このエッセイ集を読んで、人々にとっての小説の役割について、自分が小説を書くことについての意見表明などは、すごく読んでいて心に染みた。アメリカの作家についての論評なども(主に翻訳している作品だが)面白かったし、紹介されている中で読んだことがない作品は、読んで見たいなぁと言う気持ちになった。ジャズとアメリカ社会についての評論や、話題になった壁と卵についての受賞演説も、読んで見たらとても良かった。
    今のところ、私は小説はどうもなーというふうに感じているのだが、いつか、自分自身も変わっていく中で、違う読み方ができるときも来るかもしれない・・・、とエッセイを読むながら思ったりした。

    巻末の安西水丸・和田誠対談も面白かったし(ワタナベノボルの由来、知らなかった!)、読んでよかった作品。

  • 村上春樹の作品は小説も読むけど、じつはこの本のような雑記エッセイが一番好き。私みたいな音楽オンチが読んでも、それなりにひきつけられる文体の音楽解説などは流石だ。
    友情のこもった挿絵と装丁も素敵。
    2012/12/6

  • 村上春樹のファンだったら、その文体にふれているだけで満足できる一冊。手元に置いておいて「小説について」「翻訳」「音楽」「共生」など、何度も読み返したい感じ。買ってよかった~

  • 父が購入したので借りた。父62歳、初の村上春樹。買うんだ、知らなかった。(笑)
    ハルキストではないけど、だいたい本は読んでいて、答えのない村上さんの本に、「???」となったり、でも読み終わった後には、ものすごいものを読んだと、ひしひし感じたりしていたんだけど・・・。
    これを読んで、好きになってしまった。完全に。深刻に。
    小説ではなく、村上春樹と言う人を。
    小説を読む眼も、これですっかり変わると思う。もう一度、読み返さないと。
    「壁と卵」、最高でした。

  • 村上さんの考え方が感じられる一冊。個人的には、東京するめクラブの都築さん、吉本さん、安西水丸さんなどのことが書かれているのがとてもわくわくして読めた。翻訳本も読んでみたくなった。

  • がちごちに疲れきった頭に、ほわーっとした柔らかさを運んでくれた一冊です。

    ほんとうに、いろんなところで、いろんなお仕事をなさっているのだなぁと、改めて感じ入りました。

    人に対する信頼、あたたかさを感じて、読み終えた時、ほわっと元気になりました。
    このタイミングで読めてよかったなと思えた1冊です。

  • ああ村上春樹が生きているーそんなふうに実感しました。
    私はたしかに彼の生きている時に生きているんだと、
    そう実感しました。

  • やっぱり凄い、村上春樹。どれもいい文です。好きってこういうことでしょうね、理由も思いつかないくらいにいいです。手放しでいいです。ありがとうございます。書いて下さった、村上春樹に。

  • 前書きでお正月の福袋を開ける感じで読んでいただけたら・・・とある通り、お〜これはうれしい!やらこれはいらないな、と様々な文章がぎっしりつまっております。私はやっぱりプライベートな事や、音楽にのめり込んで行く様子などが興味深かったな。それと随所に出てくる水丸さんと和田さんのカットをサインを見ないで当てるゲーム?楽しかった。という感想もハルキさんなら怒らないでしょう。

  • 最初、拾い読みしていたが、終わらないので、結局最初から全部読了。いろんな文章が納められている。例のエルサレム賞のスピーチ(う〜ん、凄いよ、村上さん)からクダラナイのまで。
    和田、水丸の両画伯には見間違いようのないシグネチャーがあると書かれているが、種々雑多の文章全部に村上印を認める。
    冒頭。自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)。最初は如何にも村上さんらしいと思ったが、数回読み返し、つくづく良い文章だなと実感。自分の心の何処かに収まったと思う。
    アメリカ文学も読まなけりゃと思うが、ロシアモノその他諸々読んでないんだし。まあ、ボチボチと。
    とりあえず、今晩はLPレコードでドアーズを聴き返そう。

  • ■書名

    書名:村上春樹 雑文集
    著者:村上春樹

    ■概要

    今まで著者がいろいろな所で発表した文章をいろいろとまとめた一冊。
    (中身は雑な文章では無いです。)

    ■感想

    村上さんのエッセイや短編集やインタビュー集が好きな私にとっては、
    非常に楽しめた一冊でした。

    やはり、この方が、長編小説以外で発する文章は面白いです。
    (長編小説は嫌いというか、まだ、読んでないです。読むのに少し
    躊躇してしまうんですよね。)

    内容は、本当に色々な所に発表した文章が掲載されています。
    (中には、仕事仲間の娘さんの結婚式に送った、お祝いの言葉という
    のもありました。これが、また、少し皮肉れていて秀逸です。)

    小説のみが好きな方はあまり楽しめないかもしれませんが、私み
    たいな方は非常に楽しめると思います。

    ■気になった点

    ・世の中のものごとに多くの場合、結論なんてないのだ。

    ・他人と違う何かを語りたければ、他人と違った言葉で語れ

    ・いいときにはとてもいいものです

    ・Norwegian woodという言葉の正しい解釈は、Norwegian wood
     であってそれ以外の解釈は、みな多かれ少なかれ間違って
     いるのではないか。

    ・人は何かに向かってたとえ血が滲むような努力をしても
     必ずしもそのことで他人に認められるわけではないのだ。

    ・他人が自分の悪口を言っているときは、寝たふりをし
     ているのが一番だ

    ・僕は明白な結末というのが好きではないのです。日常
     生活のほとんどの局面において、そんなものは存在しない
     わけですから。

    ・全ての物事を有効に文章化し、読者に提供することが
     小説家に求められる作業です。それなのに、どうして
     小説家が書く以外の仕事をしなければいけないのでしょう。

  • 象の消滅,めくらやなぎの時には気づかなかったが、この本の装丁のカバーが便利だということがわかった。キッチンでコーヒーを煎れながら、子供の湯たんぽのお湯を沸かすのを待ちながら本を読んだれど、水で表紙が汚れない。出張用の鞄にぎゅうぎゅうに詰めても大丈夫。・・・ということで五つ星。

  • 気軽に読めて、ボリュームも満点。未発表のものも含むエッセイやスピーチ草稿、自作、他作のあとがきや推薦文、翻訳先国用のプロモーション等、内容多彩。

  • 未発表のものも含む、エッセイ、スピーチの草稿、自作や他作のあとがきやライナノーツ等。気軽に読めて、ボリュームも満点。

  • 村上春樹さんが様々なところで書かれた文章(講演、あとがき、紹介文などなど)を集めた1冊。氏の考え方、人柄を垣間見ることができる。
    村上さんの本を読んで共感するのは、彼のストイックで、やや反体制的な生き方に共感しているからなんだ、とあらためて確認できました。

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村上春樹 雑文集の作品紹介

1979‐2010。未収録の作品、未発表の文章を村上春樹がセレクトした69篇。

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