村上春樹 雑文集

著者 : 村上春樹

• 新潮社 (2011年1月31日発売)

作品紹介・あらすじ

1979‐2010。未収録の作品、未発表の文章を村上春樹がセレクトした69篇。

感想・レビュー・書評

[twshayafuneさんの感想 · 2024年4月5日]

村上春樹が1970年代から今に至るまで、様々な雑誌や本などに寄せた言葉、講演などが掲載されている。
各文章の最初には、今になって過去のその文章についてどう思うのか、どんな状況やどんな思いで書いたのかが書かれている。
すべて興味深かった。

[ほんのむし100さんの感想 · 2023年5月13日]

思っていた以上に
面白くて楽しめた

読んでみたい本も出来た
村上春樹
やっぱりすごいなぁ

小牧古書センターにて購入

[kamisanchinさんの感想 · 2023年3月8日]

最初「自己とは何か（あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方）」だけでもこの本を読んで良かったと思えた。勇気が湧く。

[及川理仁さんの感想 · 2023年1月25日]

読んでも特に役立つことはありません。
しかし当代最高峰の作家の短文をたくさん読めるので、文章の勉強にはなります。

[Marronさんの感想 · 2022年6月26日]

雑文集というタイトルがピッタリ。フアンには楽しめる内容だと思う。

[黒猫デル太さんの感想 · 2022年5月24日]

村上さんは、小説家を本業にしている自身が書くエッセイについては「ビール会社が作っているウーロン茶みたいなもの」と表現している。
とすれば、本作は村上さんの「ウーロン茶集」かといえば、そうとも言えない。
エッセイ（ウーロン茶）だけでなく、挨拶、小説の序文、雑誌の紹介分、音楽関係の記事まで、それこそコーラから汁粉ドリンクまで、ラインナップが本当に幅広いのである。

そんなアサヒの自動販売機的な豊富な品揃えの雑文集でも、やはり村上さんにとって、小説の在り方を言及した内容は、特筆すべきだろう。
例えば、その一つ、物語が果たす役割について、

ー物語とは魔術である。ファンタジー小説風に言えば、我々小説家はそれをいわば「白魔術」として使う。一部のカルトはそれを「黒魔術」として使う。(中略)なぜなら物語の持つ大きな力と、その裏側にある危険性を誰よりもよく承知しているのは、小説家であるからだ。ー

てしている。
ここでいうカルトというのは、オウム真理教のことであって、地下鉄サリン事件を題材とした作品「アンダーグラウンド」を踏まえてのことだが、小説家の役割について、切実に語られている。

これら、雑文をまとめて読んだ後では、村上さんの小説が違ったふうに見えてくる。
ウーロン茶とかコーラを飲んでるうちに、その会社のビールの魅力もわかってくるのである。

その他、エルサレム賞受賞挨拶「卵と壁」など、読んで損はないもの多数です

[みっちゃんさんの感想 · 2022年3月21日]

村上春樹さんの考えていることや世の中や出来事への見方がまた少しわかって親しみが強くなった。

自己とは何か（あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方）、安西水丸さんの話、結婚はいいときにはとてもいいという挨拶なんかはすごくおもしろかった。

ジャズを理解しているかの話は奥深かった。

アンダーグランドをめぐってでは、漂っていた時代の空気を記してもらったし、（1995年は、自分が小学生６年生になる年）、オウム真理教よりも被害者に寄り添ったインタビューの話などが書かれていた。

海辺のカフカなどについて、書かれた背景のようなものがわかって、より強く興味を惹かれて、またその物語を思い出したり、読んでみたくなったりした。

[Anneさんの感想 · 2022年2月2日]

『普通の人』
いい時にはとてもいい
自己とはなにか

可愛いタッチと
読みやすい文章から知らないうちに、自然に強いメタファーに誘い込まれて、考え、理解したような気分になって終着点に向かう文章が魅力的

[yotoumushiさんの感想 · 2021年10月21日]

居心地のよい部屋

[Yuna Yoshinoさんの感想 · 2021年10月8日]

村上春樹は長編小説よりもエッセイやショートショート集の方が好き。
軽さがあって読みやすいし、ぱっと気分が晴れるような気がします。

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。