- Amazon.co.jp ・本 (77ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103534297
作品紹介・あらすじ
「殺っちまおう」と相棒は言い、「もう一度襲うのよ」と妻は言った――。
空腹に耐えかねた「僕」と相棒が、包丁を忍ばせ商店街へと向かう「パン屋襲撃」。異常な飢餓感に突き動かされた「僕」と妻が、午前二時半の東京を彷徨う「パン屋再襲撃」。
村上春樹の初期作品として名高い二篇が、時を経て甦る! 改稿にともないタイトルを一新、ドイツ気鋭画家のイラストレーションと構成するアート・ブック。
感想・レビュー・書評
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村上さんの小説は父が読んでて、何となく遠目に見てました。そして村上さん原作の映画もジトッとした所が苦手で。
でも小説は読んだ事がなかったので、今回普段読まない系の本を読もうと短編から読みました。
かなり読みやすかったです。食わず嫌いでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
空腹になったのでパン屋を襲うというシュールな短編。
ユーモラスな語り口で、よく分からない展開ながら、何かやり残したことをやり遂げようとする夫婦。
これが『ねじまき鳥クロニクル』に繋がるらしい。
ワーグナー、呪い、海底火山など村上作品のダークサイドのイメージとドイツ人のカット・メンシックのイラストが合ってるかも。
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最初から最後までよく分からない。
でも読んでしまう。
すごく独特。 -
シュールな挿絵が印象的な大人の絵本。とにかく腹が減って仕方がないところから始まり、包丁を持ってパン屋を襲撃したら、パン屋のオヤジに好きなだけ食べていい代わりにワグナーを聞いていけと無理矢理聞かされる予想外の展開に…
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大人の絵本と言う感じだが、癒しとかはない。不思議な雰囲気を味わってるうちに読み終えた。
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う〜ん。。。難しい。
やっぱ私には村上春樹合わないな…(>_<) -
さくっと読める本だった。お金<食べ物not強盗の図式にびっくり!
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2021/03/09 読了
不思議な雰囲気の話。
真面目なのかふざけているのか分からないのに空気が重いかんじ。
なのに読み心地が良かった。 -
村上春樹さんの世界観は独特だ。
キャラクター達はいたって淡々としてる。(特に主人公)
だけど気付いたら物語は予想できない方向に進んで、こちらは毎回翻弄させられる。
こちらは春樹氏が初期に描いた短編集。ドイツの画家、カットメンシック氏のクールなイラストが効いている。
短編なんだけど、エッジが効いててインパクトがある。
主人公の「僕」が2度にわたってパン屋を襲撃する。詳細は語れないが、「ワグナー」には意表を突かれた。
さすが春樹氏だな。
1日でさくっと読める短編もたまには良いな。 -
短編が2編。大人向けの絵本の趣きです。
書き出しの文、インパクトありますね。
最初からすぐに村上春樹さんの世界が広がりました。
初出は1981年と1985年。
その文体のせいなのか、読んでいるうち、若かったその当時の自分が彷彿されました。
青臭くて、ふわふわしていて、今よりもっと何もわかっていなかった。
あの頃も今も、村上春樹の小説を読むと確固としたものを持たない自分を思い知ります。
あーこの感じ…としみじみ思う文章の引用* * *
(日本共産党のポスターが何枚も貼ってある店で)
パン屋の主人はそんなことにはおかまいなく、ラジオ・カセットから流れるワグナーにうっとりと耳を澄ませていた。共産党員がワグナーを聴くことがはたして正しい行為であるのかどうか、僕にはわからない。それは僕の判断が及ばない領域にある物事だ。
* * *
「君はその呪いの影をどんな風に感じるんだろう?」と僕は質問してみた。
「何年も洗濯していないほこりだらけのカーテンが天井から垂れ下がっているような気がするのよ」
奥付の後ろにある小さなイラストは、村上春樹さんとドイツ人画家さんの2ショット!いい感じです(笑)