パン屋を襲う

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著者 : 村上春樹
制作 : カット メンシック 
  • 新潮社 (2013年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (77ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534297

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パン屋を襲うの感想・レビュー・書評

  • 短編が2編。大人向けの絵本の趣きです。
    書き出しの文、インパクトありますね。
    最初からすぐに村上春樹さんの世界が広がりました。

    初出は1981年と1985年。
    その文体のせいなのか、読んでいるうち、若かったその当時の自分が彷彿されました。
    青臭くて、ふわふわしていて、今よりもっと何もわかっていなかった。
    あの頃も今も、村上春樹の小説を読むと確固としたものを持たない自分を思い知ります。

    あーこの感じ…としみじみ思う文章の引用* * *

    (日本共産党のポスターが何枚も貼ってある店で)
     パン屋の主人はそんなことにはおかまいなく、ラジオ・カセットから流れるワグナーにうっとりと耳を澄ませていた。共産党員がワグナーを聴くことがはたして正しい行為であるのかどうか、僕にはわからない。それは僕の判断が及ばない領域にある物事だ。

    * * * 

    「君はその呪いの影をどんな風に感じるんだろう?」と僕は質問してみた。
    「何年も洗濯していないほこりだらけのカーテンが天井から垂れ下がっているような気がするのよ」


    奥付の後ろにある小さなイラストは、村上春樹さんとドイツ人画家さんの2ショット!いい感じです(笑)

  • いやはや、本屋で見つけてうっかり買ってしまった。無性にまた読みたくなって。文庫を引っ張り出せばいいんだけど。
    前に読んだ時よりも、比喩がしっくりくる。改編のためだけではないと思う。年をとったのかな。
    オバサンがパンを選ぶくだり最高。
    2013/03/03読了。

  • イラストと村上さんの作品とがとっても合っていて何度読んでも飽きません、
    装丁も素敵です、

  • パン屋再襲撃とパン屋を襲うに挿絵がついた。

    ワーグナーが好きなパン屋の主人が変人でいい。

    読みながら、「そうそうマクドに行きはった」と思い出した。「なんでやねん」って何回も突っ込んだ。

    奥さんの眠っている絵と旦那のタバコがなんだか色っぽく感じた。

  •  世界の根本的なレギュレーションはおかしいんだけど、そのおかしな世界の中でのリアリティが死守されているのが、この人のお話に共通する魅力だと思う。

    『襲撃』『再襲撃』どちらも背景のガジェットがちょっとだけアップデートされているけれど、お話の根幹はまったくいっしょ。絵本になっているので、イメージにある程度のベクトルができてしまっている。それをよしとするか否かは読み手しだい。

     ぼくは最初は挿絵を見ずに読み、二度目は挿絵をじっくり見ながら読みました。二度おいしかったです。いや、以前に読んだのも合わせると三度おいしかったか。

  • 『このような不条理性ーと言ってかまわないと思うーを回避するには、我々は実際には何ひとつとして選択してはいないのだという立場をとる必要があるし、おおむね僕はそんな風に考えて暮らしている』-『再びパン屋を襲う』

    村上春樹の描き出す、現実に似ているけれど根本的に何かがずれている世界に興味がある。その根本的にずれているもののためだろうか、現実によく似た世界はどことなく平べったくて、その中を動き回る人物たちも映画のスクリーンに映し出される影のように見え、語られる言葉はあらかじめスクリプトされた台詞のように響く。それを御伽草子的な雰囲気と言ってもよいのだが、そのくせどこかでスクリーンのこちら側の現実に響き、観客席に座るものを落ち着かない気分にさせる。これは暗喩に満ちた架空の世界なのだ、と。

    その作品について何かを語ろうとするもののすぐ目と鼻の先で、スクリーンの上の影はぺろりと舌を出し、単純な言葉に矮小化されてしまわれるのを拒絶する。何かをそのエッセンスとして抽出しようとする試みを、悉く退けてくるような手応えが、手元に残る。

    それ以上に何を言うべきか。村上春樹は、読むものにたっぷりとした余地を与えつつも、自分自身に言及されることは許さない、という雰囲気もまた同時に醸し出す。脳みそを存分に刺激するだけ刺激して、しっかりと握りしめていた筈の手の中からいつの間にか消えている。その喪失感が意味するものは何なのか、その答えを希求することが正しいことなのだという意識だけを植えつけて。

  • えーーーー

    新潮社のPR
    「「殺っちまおう」と相棒は言い、「もう一度襲うのよ」と妻は言った――。名作二篇を改稿、ドイツ気鋭画家のイラストとともに贈る。 」

  • さらっと読める短編が必要な時に。

  • 大好きなので読み直し。絵が作品の雰囲気に合っていると感じました。ビッグマック30個は多すぎでしょってツッコミたくなる。

  • 「パン屋襲撃」、「パン屋再襲撃」に加筆をして、ドイツ人イラストレーターによる挿絵を付けた絵本のような一冊。
    シュールなストーリーと独特なイラストがマッチしている。
    ストーリー自体はシンプルなんだけど不思議で、村上春樹らしいなという感じ。
    なぜパン屋を襲う?!しかも結末が意外性あって面白いし、意味不明。

  • 2017/7/2読了


    イラストの迫力たるや。
    パンや襲撃事件と同一なのか、はたまたそうでないのか


    ハルキらしい言い回しだが、物語は単純。
    やっぱりハルキは短編作家なのだろうと思う。
    人生の中で大きく響いた事件と言葉を
    言い換えればそれが「呪い」となるように。


    ただここでマクドナルドになるんだと(笑)
    想像を超えて「え??」となったのは、さすがというべきか・・・

  • 怖かった。
    『不思議な図書館』を読んだ後だから、だいたいこのくらいの不思議さ?って思って読み始めたのが間違いだった。

    分からない。なぜそんな行動に出るのか。なぜ話したのか。なぜ眠ったままなのか。なんで…?疑問がありすぎて、よく分からない。それが怖い。
    文章を理解出来ていないのか…。村上春樹さんの言葉一つ一つが、頭の上を通り抜けてるみたい。何とか掴みたい。長編作品も読んでみたい。

  • 初期の村上作品に手を加えて絵本にしたもの。この装丁のシリーズは好き。内容は不条理?よく分からないけど、村上さんは初期から村上さんなんだなと思いました。初出を読むとまた違うかも。

  • H29.02.04 読了。

    短編集「パン屋再襲撃」を持っているが、あとでその前作があることを知り、図書館にて借りてみた。

    「パン屋を襲う」のストーリー自体、「パン屋再襲撃」でも語られていたので、驚きは特になし。
    だが、詳しく話を知ることができて良かった。

    修正が入っているので、タイトル変更が行われているが、元の「パン屋襲撃」「パン屋再襲撃」の方がシュールで好き。

    本当にそのままで、パン屋を襲撃?する話なので、ある意味ふーん、で終わる話なのに、面白さも出せるのが村上春樹さんなのかな、という作品。

  • 春樹作品としては2冊目。
    独特の香りも強くなくて、読みやすかった。

  • 村上春樹が1980年くらいに書いた短編小説。村上春樹ワールドを読解することは相変わらず難しい。空腹に困った主人公がパン屋を襲う。パン屋のおやじはクラシック音楽を聞く代わりにはパンを好きなだけ食べてもらう。目的は達成するが予期していない展開への違和感を書いた小説というのだろうか(?) 頭で考えて解説してはダメなんだろう。

  • 初めて村上春樹さんの本を読みました。「パン屋を襲う」の世界観は嫌いじゃない。表現は意味がわからないものもあって、自分の知識が足りないのかな〜と不安になったりもするが、全体のストーリーとしてはショートショートのようで面白かった。他の作品も読んでみたい。

  • 短編小説が二作書かれた一冊と言うより、大人の絵本的な一冊。
    イラストと小説が融合して不思議な世界に入り込み、目が覚めたような感覚に。

    一瞬で読み見るにはちょっとしたオアシスとしてオススメかな!?

  • 図書館へ行ったら、いつかクロポトキンでも探してみよう。なぜ米穀店を襲撃しなかったのか、と読むたびに思う。米国屋、ベ平連屋など、無関係だけど。図書館本。

  • お腹が空いたらパン屋を襲えばいいのですか?とにかく本文中でパン屋を襲う理由が空腹以外に見当たらなくて、そこに理由を求めてはいけないのだな、と察しました。銃器を所持している妻が都合よく存在する世界が村上春樹さんの作品では普通なのでしょうか。私も音楽を聴くことの対価として好きなだけパンを食べたいです。図書館

  • カット・メンシックの挿絵でめっちゃ短いアートブックシリーズ。
    さすがにもとの『パン屋再襲撃』は知ってたし読んだことはあるけれど、何分意味もわからず読んでいたのでほぼ記憶の彼方でした。
    「パン屋を襲う」と「再びパン屋を襲う」とタイトルを変えて、2作収録されています。

    「パン屋を襲う」はタイトルどおり、お腹が空きすぎた男子大学生2人が商店街のパン屋を襲うんです。襲う前にパン屋におばさんが1人いて、おばさんがパン選びに逡巡する描写がめっちゃおもしろいです。自分かと思ってどっきりする女性多そう。笑 で、意味不明に包丁を手におどされるパン屋の店主。しかし、ワグナーを聴いてくれたら好きなだけ食べてもいいと言われ、襲撃は未遂に終わります。意味不明ながらも面白かった。

    「再びパン屋を襲う」は、「かつてパン屋を襲撃したアウトロー志望の若者も、今はそれなりにまともな仕事に就き、結婚している。しかしあのミステリアスな空腹がまた若い夫婦に襲いかかり、二人を無法へと駆り立てる」(あとがきより)というお話。
    パン屋をともに襲撃した相棒と、別れてしてしまったことが判明します。どういうことだろう。「パン屋を襲った」過去が海底に沈んでいるような描写があり、よくわかりませんでした。
    ただ、奥さんとの襲撃は結果的にパン屋ではなかったけど、成功して、「意味があった」ということで終わっています。

    よくわからないけど、面白かった。
    アートブックシリーズはこの3冊みたいで、もうないのか〜とさびしい感じ。あとがきによると、『再襲撃』の夫婦は姿を少し変えて『ねじまき鳥クロニクル』の世界に歩を進めているとのこと。『ねじまき鳥〜』もいずれ読もう。

    与太話。再襲撃のほうは、「この時代はコンビニがあんまりなかったかもしれないけど・・・今は夜中でもコンビニがあるし若者が読んだら変に思わないかな?」と心配しながら読んでたら、そのへんはちゃんと改訂されてました。
    前の『ねむり』でも看板にブルーレイだかDVDだかっていう描写があって(看板の描写、『ギャツビー』っぽいなって思ったから印象的だった。)、「この時代にあったっけ?」と思いながら読んだら、その分は改訂されているようです。

  • 一気読み。短過ぎるSFの匂い。

  • 挿絵が恐かったので、文章も恐く感じられました。作品自体を読んで、理不尽というか、不条理なことはなるべく避けて通りたい、と思いました。

  • 村上春樹さんの世界はやっぱりおもしろかった。

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パン屋を襲うの作品紹介

「殺っちまおう」と相棒は言い、「もう一度襲うのよ」と妻は言った――。
空腹に耐えかねた「僕」と相棒が、包丁を忍ばせ商店街へと向かう「パン屋襲撃」。異常な飢餓感に突き動かされた「僕」と妻が、午前二時半の東京を彷徨う「パン屋再襲撃」。

村上春樹の初期作品として名高い二篇が、時を経て甦る! 改稿にともないタイトルを一新、ドイツ気鋭画家のイラストレーションと構成するアート・ブック。

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