図書館奇譚

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著者 : 村上春樹
  • 新潮社 (2014年11月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (75ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534303

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図書館奇譚の感想・レビュー・書評

  • 「カンガルー日和」の佐々木マキさんでずっと読んできたので、この絵にビックリ!
    しかもドイツのイラストレーターさんとのことでそれにも驚く。
    文章にも手を入れたとのことだけど、絵のおどろおどろしさに本当に同じ話?と「カンガルー日和」を読み直したい気持ちになる。
    どちらかというとファンタジーと思って読んできたのに一気にホラーのエリア入り。
    挿絵に虫を描きすぎだし。
    主人公は少年なのか青年なのかわからなくなってきた。
    それにしても、脳みそちゅーちゅーも毛虫壷も闇の中裸足で何か踏んじゃうのも嫌すぎる。

  • 村上春樹がよくいう、心の底の暗い部分を掘り下げていく話というのは、多分こういう短篇に原点があるのだろうな、と思う。夢でも見ているような突拍子もない転回に、どことなく後暗い思いが潜んでいる。その事を上手く覆い隠すのではなく、じくじくとした生乾きの傷痕に触れるようにして後暗いところに踏み込んで行けるのが小説家の本分なのだと思う。もちろん、つまびらかにした詳細をそのまま言葉に置き換えたりはしないだろうけれど。

    夜の闇の持つ不可視さは、ひっくり返せば可能性ということでもあり、不可思議な世界の不可侵さでもある。そのことを村上春樹は理解していて、そのニュアンスをすっと入れ替えるのが巧みだと思う。多分、人は一つの物事を一つの意味できっちりと捉えるのが苦手な生き物なのだと思う。その時々で対象物は自分にとって善ともなり悪ともなる。だから、物事の好ましい面と煩わしい面は常に表裏一体であると考えておくのがよい、自分自身のことを含めて。

    このシリーズは、挿し絵が夢とも現とも着かない「夜」の雰囲気を捉えていて、大人のための童話という印象が残るのが好もしい。矢作俊彦の名無しの探偵シリーズの谷口ジローの白黒の挿し絵のことが何となく思い出されるけれど、日下武司の朗読が活字になってこの挿し絵に出会ったとき、何か見てはいけないものを見てしまったような印象を抱いたのは、今から思えば思春期の少年には理解できない大人の雰囲気がそこにあったからなのだなと思う。活字だけなら堂々と電車の中で読むこともできるけれど、この大人の絵本は人前で読むのに今でも少し勇気がいる。

  • 大人が読む絵本といった感じ。完成度がめちゃくちゃ高い!!

    「羊をめぐる冒険」や「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」などの初期の作品を思い出させる作風になっていて、まるで昔にタイムトリップしてしまった様な感覚になった。

    これこれ!私の好きだった村上春樹だーっと興奮して読み終えたけど、それもそのはず。
    あとがきに書いてありましたが、この「図書館奇譚」は1982年に発表された作品が元になっているとの事。それから何度か加筆修正を繰り返して、何パターンか出ているとな。
    うーん、全部読みたい。

  • 村上春樹。
    日本で最も有名な作家の一人で、世界でも有名な作家の一人である。
    読書家だと自負している私だが、村上春樹を読み通したのは実は本書が初めて。
    というのも、小学生から中学生にかけて、村上春樹を読んだことがあるものの、苦手意識があったのだ。
    しかも、村上龍と角川春樹とごっちゃになってしまっていたという、どの口が読書家というのやら、な認識もあり、かなり久しぶりに手に取った次第である(今は区別はついています!)。

    イラストを手がけるのはドイツ人画家、カット・メンシック。
    個人的には、日本人にもなじみやすい絵だと感じた。
    その理由として、色を抑えていることで、切り絵を思わせるからではないかと思う。

    さて、本文について、図書館はまさに不思議空間である。
    一冊一冊に異なる世界が描かれ、それは無数の、しかし薄くて軽い扉たった一枚のの向こう側にある。
    主人公の「ぼく」は、その不思議な世界に迷い込んでしまった。

    「知識の詰まった脳味噌というのはとてもおいしいものなんだよ」
    羊男は語る。
    確かにそうかもしれない。
    グロテスクでありながら、そうかもしれないと思わせる、この世界!
    牢獄から出ようとする「ぼく」と、美少女と羊男。
    三人は一緒に閉じられた世界から出ようとした。
    しかし、一緒に、という言い方は間違っているのかもしれない。
    なぜなら彼らの世界は同一でありながら、異なる世界に生きていたから。

    私は図書館でたくさんの夢を見、知識を得た。
    そしてもっと頭が良くなれば、もっと知識を得られたならば、と望んだ。
    「ぼく」はちゅうちゅうと脳味噌を吸われるのを嫌がったけれど、知識と引き換えなら私はどうするだろう?

  • ダークファンタジー。薄いのですぐ読める。
    地下室も老人も不気味だが、主人公の少年の感情が薄いのが何より不気味。

  • 村上春樹の初期作品とドイツのイラストレータのコラボ。村上春樹の怪奇物というのを読み慣れてないので、この不思議話をどう読み解くのか不明。

  • 図書館好きにとってはちょっと怖い、でももしかしたらこういうこともあるのかも…いやないか。
    カット・メンシックの挿絵によって不気味な世界観が増しているような気がします。
    そして羊男はどうなってしまったのか気になります。

  • 村上春樹作品、二冊目として読了。
    独特のダークな世界観はぐっと引き込ませるものがあり、展開が気になりイッキ読み。最後の母親の死などどう解釈すべきかモヤモヤだらけ。不思議な世界を楽しむことはできたが、入り込んだら直ぐに終わってしまい、肩透かしな印象。思い巡らすには至らず。

  • 羊男が登場する、ちょっとダークな物語。。

  • カンガルー日和に収録されているバージョンは読んだが、当時はあまりピンとこなかったこの手の話も時を経てまた違う味わいで読む事が出来た。なかなか奥行きのあるあっちの世界への入り口のような話である。

  • いつもの村上春樹さんの羊系の流れ。
    羊系が苦手な自分には少し苦手だった。
    あと挿絵は綺麗だったけど要らなかったかな。
    情景を想像したいのに挿絵でイメージが固定されてしまって少しイマイチ感があった。

  • 図書館でさらっと読んだ。まあ、図書館は会社みたいなところで、命令をきくことが上手な少年が、なにかを希望したら、閲覧室という牢獄につれこまれるということかな。羊男はスーツを着たサラリーマンでドーナツを作る特技があるけど、ジジイにこき使われている。ムクドリは生活で食べないと死んじゃう。ただ、そのムクドリがふくれあがって、主人公を助けるんだが、結局、生活力がそだって、牢獄を突破するという話なんだろう。少女は単純に恋だろう。まあ、こういう寓意をひめた話なんではないだろうか。

    基本的にハルキはだるい世間をだるいまんまに書いているんで、文章をよんでいても、ちからこぶを感じないし、悟りといえば悟りだろうが、それが似而非であることもわかっているような諦念があって、免疫力がさがりそうな文である。

    この本の場合、絵がそれを救っていると思う。

  • 大人が読むグリム童話的な絵本といった感じの作品になっている。村上春樹初期の作品ということでここ最近の精神ストーリーよりはわかりやすい内容になっていると思う。
    自分も図書館をよく使うがタダより怖いものはないというのはこういうことなのだろうかと感じた。確かにこれは図書館奇譚でした。

  • 会話が面白すぎる。

    「話が違いますよ。読書室に行くっていうからここまでついてきたんじゃありませんか」
    「だまされたんだよ」と羊男があっさりと言った。
    「だましたんじゃ」と老人が言った。
    「だってそんな・・・・」

    「どうも気が進まないな」
    「おいらだってそうさ。でもほら、世の中ってそういうもんだからさ」

    「でものこぎりで頭を切られちゃうんでしょ?」
    「そりゃ少しは痛いさ。でもほら、そういうのはすぐに終わっちゃうから」
    「そうかな?」

    残酷さと軽妙さのバランスが絶妙。

  • 佐々木マキのかわいい羊男を見慣れていると…わーとなる。ちょっと展開が違う気がする。

  • なんか、どこかで読んだような
    既視感のある本だった。

  • “ちゅうちゅう”の表現の破壊力。

  • これは、バージョン4らしい。
    美少女は、ムクドリだったのかな。
    これを読んで図書館から足が遠ざかる人がいないことを祈る、そんなことないだろうが。

  • ひときわ薄っぺらい本だったので手に取ってみた。
    なんだか違和感のある絵ですが、ドイツの画家、カット・メンシックの絵で、アートブックというもの。
    あとがきから読んでみたら、なんでもこの話には4つのバージョンがあるのだとか。デザイナーやイラストレーターの創作意欲をそそる作品らしい。
    絵本バージョンもあるようなので、じゃあわかりやすいのかなぁと思いきや。なんといいますか、村上春樹版『不思議の国のアリス』あるいは『マザー・グース』みたいな感じ。
    図書館に本を借りに行ったら、地下室に回され、不気味なじいさんに地下の迷路に連れて行かれ、監獄に入る。。そこで、不思議な美少女と出会い、羊男との脱出劇。

    日頃かわいがっている椋鳥が主人公を助けてくれるのだけど、ラストの母親の唐突な死がよくわかりませんでした。
    心配性で過保護っぽい印象の母親からの脱出だったのかしら。

  • 短編より長編の方が作者の意図を投影させやすいとおもう。
    物語にやっとはいっていけたとおもったら終わってしまう様に感じる。

  • 図書館の深い地下、牢屋と迷路を巡る恐怖の闇、羊男や美少女と走る新月の闇。ドイツの画家によるダークなイラストとのコラボレーションによるゴシックテイストな短編小説、卓越な創造力が描く不条理な世界は脳の刺激になります。

  • 海外で色んな各国語に翻訳されて絵本になっている作品。
    大人の絵本。

  • 村上春樹の図書館奇譚を読みました。

    以前読んで内容がよく分からない、という感想だったふしぎな図書館のドイツ人挿絵画家のバージョンでした。
    佐々木マキの挿絵だとほのぼのとしている絵本が、今回は怖さ満載のリアルなイラストの絵本になっています。

    とは言え、この物語で何を言いたいのかは今回もやはりよく分からなかったのでしたが。

  • 図書館の地下にある奇妙な世界。
    真面目で従順すぎる主人公がいきなり非日常に引きずり込まれ不条理な目に遭います。不気味な地下の独房という場所なのに、運ばれてくる料理は反して美味しそうで、特に羊男のドーナツは食べてみたいと思わせます。
    ドイツ人画家カット・メンシックが挿絵を担当し、加筆修正された話。過去3ヴァージョンは未読のため、読んでみたい。
    挿絵によって不気味さが際立つダークな世界観は大人の絵本というのにピッタリだなと思います。

  • 絵が気持ち悪すぎて読みにくかった。
    あの挿絵、ない方がいいなぁ。
    内容もちょっと怖い感じだったけど
    絵がなければもっと普通に読めたと思う。

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