騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534327

感想・レビュー・書評

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  • この本は出版当時に単行本で買ったが、ずっと読まずそのままにしていた。
    村上春樹の小説は好きで、当時の上司と「騎士団長殺しをそろそろ読むか」といったやり取りもしていたのだが、本の分厚さや、ほかの種類の本を優先するうちに、6年が経過してしまった。

    きっかけは、「街と、その不確かな壁」が出て、そちらを読みたいと強く思ったが、その前に読み終えておくべきだと思ったことと、並行で取り組んでいる英語に頭が向かないことからこの本を読むことにした。
    また、少し前に読んだ落合陽一の「忘れる読書」で、「村上春樹の文章は『たまにこういった文章を読みたくなる』」と書いてあったことも手に取るきっかけになった。

    読み始めてみると、落合陽一さんのいうことに改めて同感したのだが、それよりなにより、小説を読むのはかなり久しぶりで、ビジネス本やノンフィクションとは頭の使われ方がかなり違うことに気づき、(一文一文意味をしっかりとらえようとして)はじめはなかなか読み進まなかった。

    今はかつて村上春樹の本を楽しんだようにスイスイ読み進んでいる。
    と同時に、村上春樹の小説にはかなり引き込まれることにいまさらながら気付いた。

    読んだ後は自分が小説の中に出てくる「私」になっているというか、「私」のような生活を望むというか、決してそんな風にはならないのに、かなり引き込まれている。
    頭を現実に戻すのに少し時間がかかるので、仕事の合間にはとても読めない。

    さて、村上春樹の小説にも自分なりの好き嫌いがある(といっても好きだったものを読んだのは古いものでは30年近く前だ)が、騎士団長殺しは今のところ「違うな」といった感じがなく、第二部を楽しく読み進めているところ。

  • いつもの如く、冒頭は全く頭に絵が浮かばない。
    合わないのだろうか?と。
    突然、その世界に入ったかのように、止まらなくなる。今回もそう。
    あの鈴。どうなるのだろうか?
    続きが楽しみ。

  • 結構長いので一気に読めそうなタイミングを計りながらいたら、5年たってしまっていました。
    コロナ騒ぎでようやくその時が来たので読み始めましたが、やはり一気に読み切ってしまいました。
    小説をあまり最近読んでいなかったので、「小説」を楽しめる自分がまだ残っているのか心配でしたが、全く杞憂でした。
    皆さんも、読んでいますか?
    小説・・・
    動画全盛の世の中、
    文字のみで色々なことを想像する娯楽もたまにはいいものです

    ただ、小説を楽しむにはリズムが必要だなと思いました
    久々に読み始めると、習慣から抜けていたのでエンジンがかかるまで時間がかかりました
    昨今、実用書ばかり読んでいたので、本を娯楽としてとらえる文化から離れてしまっており、何かしらの「利」を求めてしまっている自分がいる。。。

    でも、よく考えると本、文章は媒体(道具)に過ぎなくて、どんなことでも表現できるものなのですよね。

    改めて文字が持っている可能性の幅を考えさせられました。
    (小説からプログラミングまで、文字というものは偉大なものです)

  • イデアが何かすら知らん。調べた。
    突然離婚を切り出され、長旅に出る。まだ妻に気持ちがあるが、生徒と不倫。大して知りもしない近所の人のヤバい頼みをするんと承諾。
    不可解。
    絵を言葉にするのがうまいなぁ、と思いましたとさ。

  • 騎士団長をはじめとして各キャラクターに魅力は感じました。
    設定も面白く、後編はどうなるのかと期待させられました。しかし、…………。

    それにしても村上春樹さんの小説の主人公は、お金や女性に困らない人が多い気がします。

  • 久しぶりに村上春樹作品を手に取ったがとても面白かった。やはり現代最高峰の作家の作品であることは疑う余地が無い。なぜこの人が書くとこんなにも日本語が独特の文章になり得るのか不思議で仕方がない。その独特な言い回し、決して理解しやすいストーリーだとは言えない難解な内容だがスルスル読めていつのまにか500ページ超読み終わっていた。章立ての没頭しやすい適度な長さがちょうどよく心地よい(まるで全て分かった上で計算されている科学的なスポーツトレーニングのメニューのようだ)ととても影響を受けるし真似するのが楽しくなる。おそらく読後誰もがみんなこの感覚に陥るのではないか(ちょうどアクション映画を観たあとの客が映画館から出て来る動きが足早で機敏になるように)この不思議な冒険世界の物語に作者の作風に自分も今さらながらハマった。これから時代を遡って過去の作品もぜひ読んでみたい(それはいくら時間が掛かっても必ず実行に移される)とりあえずに第2部をさっそく読もう。

  • 2011年の秋頃。突然、本が読めなくなった。

    その2~3年前から、体調は良くなかった。

    だましだまし仕事を続け、上手く休みながら切り抜けているつもりだった。

    外回りにいくといっては、図書館で借りた本を片手に一人旅をしていたこともあった。

    だが、その本が読めなくなった。年間で50~100冊の本を読んでいたのに。

    あんなに大好きな小説が読めない。

    心の病は、脳の病気だという。

    ならば、自力でなおすのは無理だ。きちんと治療を受けよう。

    心療内科の門を叩くハラが決まった。


    例外的に、ベイスターズやプロレスについての本は読めた。

    趣味の本は読むのが楽だったからだ。


    そんなとき、「1Q84」が文庫化されるニュースを目にした。

    小説を読みたい!

    図書館では2000人待ちだとか。

    ならば、買うしかない。

    数年ぶりに書店に足を運び、「BOOK1前編」を手に入れた。


    読めた。小説が読めた。実に得難い喜びだった。

    青豆と天吾の物語に、魅了された。

    その後紆余曲折があり、良き病院、医師、カウンセラー、多くの仲間、そして家族の支えがあり、心の病は寛解した。


    本書は、その「1Q84」以来の長編書き下ろし作。


    表紙を開き、目次のあの書体を目にしたとき、心の病で苦しむ中、遠くにかすかに見えたあの灯台の光にまた出会えたような感動を覚えた。


    物語は、主人公の肖像画家の語りで淡々と進んでいく。

    学友の雨田政彦の好意で、ひとり住むことになった狭い谷間の入口近くの山の上の家。

    そこで物語は繰り広げられていく。


    深くて幅広い知識と教養。

    人間の内面を掘り下げようとする探求心。

    人と人の出会いがもたらす奇跡のような出来事。


    日本が誇る村上春樹の世界、ここに。

    この本を読めることこそが、幸せの一つだ。

  • 別に好きでもなんでもないのだが何故これだけ世間が騒ぐのか?との謎を解き明かすためにいわば研究材料として読む。
    そんな奴におらんやろ!のハイソぶりとすぐに服を脱いでくれる素敵な女性たちとのエロ三昧にさすがの巧さも加えて村上小説を読んでいる感は半端無い。
    そして今回の目玉はドラえもんならぬイデアもんの登場、マスコットさながらちょこまかと動き回る様はコミカルでとにかく楽しめる。
    しかしながらハルキストがスタバで熱心に読み過ぎるのか増刷に次ぐ増刷で製本が雑なのかブコフ本も図書館本もボロボロなのは何故だろう…答えを求めいざ下巻

  • とある空家の片隅で
    誰の目にも触れずひっそりと息を潜めていた一枚の絵画。
    描かれているのは、心臓を貫かれ絶命しかけている騎士。
    自画像を生業として生きてきた絵描きは
    まるでこの絵に導かれる様にここへやってきた。

    今は亡き画家が時を超越して伝えたかった事とは?
    あらゆる所に点在する腹の読めぬ人々、不可解な出来事、
    絵描きの後ろに張り付く消えない影の様な過去。
    それら全てをせっせと結べば、恐らく最後に現れるであろう巨大な絵画を眺めるのが今から楽しみでしょうがない。

  • ん~~まだ謎だ。どういう風になっていくんだ。

    とても読みやすい文章なんだけど、普通じゃない状況にいつの間にか陥ってる。
    淡々と毎日を過ごしているようで、普通じゃ起きないような事が多々ある。それが村上さんの小説だ。

    人妻との関係も必ずだね。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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