凶悪 ある死刑囚の告発

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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103540212

感想・レビュー・書評

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  • 死刑囚の元暴力団組長が誰にも語っていなかった殺人事件を告発し、共犯者に復讐するというノンフィクション。
    「先生」とよばれる人物は自分では手を汚さず多額の金を手に入れる図太さ。記者は地道に調べ手がかりを見つけ元暴力団組長の記憶を呼び起こし先生の罪を暴く。なかなか読み応えがあり知らず知らず引き込まれてフィクションとは違う臨場感があった

  • 映画の原作で、なんと実在する死刑囚による殺人事件の告発。
    しかも首謀者は塀の外。
    サスペンス小説だったら十分に面白い内容ですが、事実だと考えると恐ろしい。
    こんな高度な文明社会においても、人間を消すことがこんなに簡単にできるだなんて・・・。
    そして有罪と無罪のボーダーについて考えさせられました。
    糖尿病やアル中にお酒を与えることは罪に問われるのか。
    身寄りのない人間の世話をして、遺産を受け取ることは罪なのか。
    そこに悪意や計画性があったことを誰が証明できるのか。
    読んでいて気分のいい作品ではありませんでしたが、気になって1~2日で読んでしまいました。
    レンタル始まったら映画も借りて観てみます。
    リリーフランキーの大量殺人犯ははまり役だと思う。
    表裏があってのらりくらりとしたサディスティックな不動産ブローカー。

  • ほんとうにいとも簡単に人は消える。そして警察の怠慢で事件性がないと判断されるとまったくのゼロとなってしまう現実。
    実はバレていないだけで、こうして埋もれている事件がいくつあるんだろう。本書では死刑囚が余罪を告白するというところから始まる稀有なケースだ。しかも実話である。
    このようにして告発しないと角田美代子(個人的におそらくあれは別人だと思う)や愛犬家殺人の関根元のように、今日も粛々と人を消す作業を行う連中が減らないということか。なんという世の中。

  • 想像を絶する連続殺人の告発。
    告発者は2件の殺人事件で起訴され、既に高裁で死刑判決を言い渡された極悪の元やくざである。
    重犯罪を繰り返してきた告発者の死刑囚は、今回の逮捕の裏側で、約束を反故にした“先生”に怒りを覚え、告発するに至った。
    “先生”は約束を破り、今もなお平然と善人を装い続ける。
    少なくとも、任侠道を生きてきた死刑囚にとって、彼の弟分を守ってくれなかった“先生”が許せなかったのである。
    ただただ、この本に記載されている余罪の数々が気づかれぬまま闇に葬れていたことに驚きと、憤りを感じる。

  • 死刑の確定した男が、警察に把握されていない余罪を打ち明けた。
    全ては首謀者を裁きにかけ、復讐するために。

    未だ解決していない事件なだけに、今後が気になる。

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