カタストロフ・マニア

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著者 : 島田雅彦
  • 新潮社 (2017年5月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103622093

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カタストロフ・マニアの感想・レビュー・書評

  • 病気や天変地異で崩壊に向かう世界に生き残った人たちが・・・というストーリー。主人公の無敵属性や、登場人物たちが淡々としすぎていて危機感が無く、定番のゾン◯も出て来ないため、話に緊張感が無い。中二病的ディストピア小説という感想。

  • 30年以上前の春。大学生協の主催する講演会なるものに行ってみた。田舎から東京にきたばかりで、金もない。家から大学までは定期があるから、余計な金はかからない。『優しいサヨクのための嬉遊曲』というなんとも持って回ったような小説で文壇デビューした島田雅彦が壇上にいた。ぼそぼそ何を喋っているのだか、わからない。色白の不健康そうで、いかにも文学でございという男前だった。上京したばかりで、東京ネイティブの喋り方は女性っぽく、それでいて早口で聞き取りにくかったからかもしれない。
    芥川賞落選6回というキャリアからもわかるように、氏は30年以上も、第一線で活躍し続けている作家だ。受賞歴ではなく、落選歴で有名な氏が現在、芥川賞の選考委員であることでもわかるように、純文学系でずっと走り続けるのは大変な事なのだ。世代の旗手などと褒めそやされ、今では文庫本もおろか図書館でもお目にかかれない消えた作家は数多くいる。
    食わず嫌いだった氏の作品で最初に手に取ったのが『傾国子女』だった。それ以来、氏のファンだ。反米だが、親中と媚びるわけでもないスタンスに共鳴する。デビュー作のタイトルではないが、氏はサヨクである(左翼ではなく)。
    右か左か真ん中か。次の衆院選挙で問われても、真ん中と左のカードは激レアで、選びたくても手に入らない。手を突っ込んで引いたカードはどれも代り映えのしない右ばかりで、絵札が男か女くらいしか違いがない。だから、左翼ではなく、サヨクなのだと自覚して、斜に構えてみるのだ。

  • どこかで見たような話も多いけど、飽きさせずに話がスイスイ流れていきます。最後伏線が回収されて、やや哲学的な考えが巡らされ、穏やかに終わります。
    話を要約してるので、気軽なのが良いところ。
    宮部みゆきさんなら細かく書いて3倍くらいの長編になるのだろうなぁ。

  • 図書館で借りた本。新薬の治験のバイトで採血を繰り返され長時間の睡眠も実験的に取らされる主人公のミクロはゲーマー。
    目覚めたら誰もいない世界。地球規模のパンデミックが起き、日本は大災難になっていた。サバイバルで生き抜いていこうとするが裏には陰謀が…という話。黒幕に対し何もできない政治家、それに反骨する人々。人類を手玉に取る黒幕に立ち向かうのは日本を担う子供達になるだろう。

  • はじめての島田作品。
    リズム良く、スラスラ読めたのは評判通り。
    ただユーモアのセンスは私の性には合わなかった。

    最初の1章と、最後の11,12章は引き込まれたが、途中の展開が粗雑な感がした。

    これだけの危機に陥ったのに、社会が混乱していない(暴力がはびこっていない)のも不思議。
    ※東京などは直ぐに食料が尽きて大混乱になるはずなのに、最初の街のコンビニは略奪さえ起きていないのはなぜ!?

    もっとノワール色や権力への批判色が濃い物語を期待していたので余計に残念。
    ※パンデミック、クーデターの経緯があいまい。メルトダウンはどうなった?

    あと不思議の国のアリスのように、実はすべて冬眠中の夢の話だったなんてオチでも良かったかな…
    ※ただ、その夢の内容はマイクロチップによって操作されていたという二段重ねのオチで…

  • 少し未来が舞台のSF小説。
    主人公ミロクが新薬の治験バイトで長い眠りから目覚めた時 話は本編に。そこで見た景色は地球上にたったひとりの自分だけ なぜ誰もいなくなったのか。その謎と人類の生き残りを追い求める展開はとても面白かった。

  • 超・久々の島田雅彦。
    霞食ってシニカルに夢想してたような「文壇の貴公子」が、コロナ質量放出後のカタストロフかあ。こんなに地に足のついた作風だったっけか?なりふり構わぬ必死さみたいなのとは無縁な世界観が気に入っていたんだけど、まあ人間、歳も取るしなあ。とは言うものの、かつてのサヨクな一面もチラ見せしつつ、キレイなオチもなく放り出されてジ・エンド。読後は悪くないが、こういうのはこの人でなくても書けるのよね〜。

  • シマダミロクは新薬投与効果検証のバイトをする。それは特殊な免疫効果を試すものであった。直後に発生した、地球規模のパンデミック。人間が激減する中、東京では選択された人間だけが、快適なシェルターに避難している。
    このパンデミックはAIにより人類が増えすぎた地球をリセットするために仕組まれたものであった。
    ミロクはこのパンデミックのワクチン効果を検証する為の被験者であり、感染しないことが明らかになる。
    地下に潜った権力者と戦うために、ミロクはパルチザングループに加わることとなったのだが・・・
    シェルターに潜った人間も、AIにより、事態収束まで人口冬眠させられる。
    ミロクもAIの罠に落ちそうになるのだが、AIが夢の中でセックスの数倍の快感を体現させて、人間を現実世界から隔離しようとする様子などは、なるほどなぁと感心させられる。(なんだかマトリックスの世界のようであるが)
    最終的にはバイト時に知り合った、看護士国枝すずとの純愛の力により、勝利することとなる。

  • こんな時、人はどう行動するんだろう?

  • 素材は大ネタがてんこ盛りだが、展開は軽く、消化しきれていない。

  • 本格的なカタストロフSFを期待していたのでちょっと期待外れ。村上春樹テイスト。

  • 【Entertainment】カタストロフ・マニア/ 島田雅彦 / 20170714 (59/655) <275/80506>
    ◆きっかけ
    日経書評

    ◆感想
    ・一部の富者・エリートが、爆発する地球人口を抑制するために、致死性のウイルスを全世界にばらまいてバンデミック・カタストロフを引き起こし、知的優性階級を地下シェルター内に冬眠させ、新たな人類再生を図ろうとする中、治験バイトのため入っていた病院で、長い眠りから覚めた優勢階級でないミロクが主人公。
    ・思いを寄せていた、看護師の国枝すずに囁かれた「最後の一人になっても、頑張ってくださいね」、がここまで主人公を引っ張るとは、愛の力は偉大。今再読しえいる極北もそうだが、思いついたら、何だって出来ないことはない、ということを証左してくれているようでもある。
    ・カタストフィー系近未来小説。こうした危機的な状況下だと、人間の素の部分が出てくるから好き。

    ◆引用
    ===qte===
    語る島田雅彦さん 好奇心持ち続けサバイブ
    2017/6/19付日本経済新聞 夕刊

     「ホモサピエンスが生き延びてきたのは好奇心があったから。同じ場所にとどまらず次の場所に移動することで、環境の激変に対応できた。私が作家を続けてこられたのも、書きたいテーマを次々に見つけられたからだと思う」
     東京外国語大学在学中の1983年、大学生の左翼的サークル活動と恋愛をポップな文体で描いた「優しいサヨクのための嬉遊(きゆう)曲」でデビュー。以来、30年以上にわたって純文学の第一線に立ち続けてきた。デビュー作を含めて「芥川賞6回落選」と賞に恵まれなかった時期もあるが、今では同賞の選考委員を務める。
     最新長編「カタストロフ・マニア」(新潮社)は「世界の崩壊と人類の生き残りを描くディストピア(反理想郷)ものは、ハリウッド映画の専有物ではないことを示したかった」という意欲作だ。
     太陽の巨大磁気嵐に伴う大停電、それに伴う原発のメルトダウン、テロによる感染症の蔓延(まんえん)で、人類が前例のない「大淘汰」に見舞われた2036年の世界が舞台。たまたま新ウイルスへの免疫を持った主人公の青年は、ほかの生存者たちとともに何とか生き延びようと試みる。
     中年男性の逃亡の旅を描いた「ニッチを探して」(2013年)と同様、「都会でのサバイバル」をテーマとした作品でもある。「11年の東日本大震災以降、いかに生き残るかは大きなテーマ。その意味では『震災文学』といえる」
     新作には世の中を動かす存在としてAI(人工知能)が登場する。「今やAIはあらゆる領域に進出しており、生物を作り得る段階にまで達しつつあるように思う」。好奇心の赴くままに様々なことを題材にし、多種多様な小説を生み出していく。(しまだ・まさひこ=作家)
    ===unqte===

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カタストロフ・マニアの作品紹介

このまま黄昏れちゃっていいのか、人類。強靭な想像力が照らし出す、我々の未来。2036年、治験のため入っていた病院で目覚めたシマダミロクは驚愕する。何しろそこには、誰ひとりいなくなっていたのだから――。太陽プラズマの放出、感染症の蔓延、そしてAIの専制が世界を脅かすなか、彼は「大淘汰」の流れを止めることができるのか。来るべきディストピアを見据え警鐘を鳴らす、純文学×SFの到達点!

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