放課後の音符(キイノ-ト)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 107
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103668039

感想・レビュー・書評

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  • 星二つ

  • 最後の話が好き

  • 1989年刊行にちょっとびっくり。古臭さは感じないな。煙草やお酒やハイヒールが賞賛されるのは、古い感覚だと思うけど。
    「朝、わざわざ髪を洗ってシャンプーの香りをさせる方が、香水をつけるよりずっと嫌らしい」
    というような、自然さの演出や自然体を否定する感覚は、現代のナチュラルメイクや素朴さも批判しているようで新しいなと思います。

    この本に収録されている話は全て、「オリーブ」というティーン向け雑誌に連載されていたもののようで、主人公達は皆17歳。
    そして身の周りに女の子から女になった、大人でも子どもでもない(と山田詠美のいう)魅力的な女の子がいます。
    彼女達はみんな、肉体関係を伴う男女関係を知っていて、その他の少女と一線を画した魅力を持っている。そして主人公の女の子は彼女の魅力を知っていて、少し近付いてみたりする。

    山田詠美は「セックスを知らない人間はそれだけで最低」というようなことを言っていたと思うのですが、この本にもそういう感じ方が出ていると思います。
    私にはそこらへんはよくわからないのですが、「本当に人を好きになると、その人の全てが欲しくなるだけでなく、自分の内面にその人の面影を広げたくなる」「内側で、何か別のものがわくわくとして、震えていて、今にも皮膚をつき破って、現れそうな気がする」
    というのは、わかる気がするよ。

    多分、体まで求める恋というのは自然で幸せなことなんだね。
    罪悪感も不要で、善悪とは別のことなんだと思う。
    そんな風に、心も体も伴う恋愛をしたいなあ、と思わせてくれる素敵な本です。

  • 途中まで中学生かと思ってたら高校生だったのね〜
    その割にはまわりの子たちが幼すぎるような…
    もっと若いときに読めばよかった。今更ちっとも共感できませぬ。

著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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