- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103668039
作品紹介・あらすじ
臆病な恋。揺れる気持。大人でも子供でもないもどかしい時間。心の中で発酵し始めた甘い勾いにおびえ、とまどう女の子たち。主人公は、あなたです。女の子たちに贈る優しくせつない物語。
感想・レビュー・書評
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高校生の女の子たちの恋話。まだ本当の恋を知らない子が大人っぽい恋をいている同級生や先輩に憧れ恋に憧れるような初々しさと、大人の恋を知り始めた悦びと不安とが程よく混ざりあって、震えるような恋の衝動が伝わってきて新鮮でした。29年も前に出た本なのにとっても新しい香りを感じます。本の装丁も素敵だし、1話ごとのタイトルの付け方もオシャレ。今10代真っ只中の女の子よりも、むしろかつて10代だった大人の女性向きのような気がします。
山田詠美さんのあとがきもいいですね。
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若いということは、はっきり言って無駄なことの連続です。けれど、その無駄使いをしないと良い大人にはならないのです。
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そうですよね。
私はもう大人になってしまったけど、今からでも良い大人=人生のいつくしみ方を知る大人であれるよう心がけたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大人になってから読んだから何とも思わなかったけれど、ムスメにはまだ早すぎたようだ。カバーをとって、つっ返された。でも絶対Key noteは記憶に残っているはず。
そんなムスメへ。
高校生になったら、放課後は恋や友情にうつつを抜かして、いっぱい無駄な時間を過ごして欲しいなと思います。はい。
いいなー!青春。くーーー! -
「いたいけな少女が読んではいけない」本。
影響を受けすぎてしまい詠美アディクトが量産されてしまうよ!
というくらいうら若き乙女が洗脳されること必至。
と
同時に
やっぱり詠美さんの文体は美しく少女の心に突き刺さってしまい、こんなちょっぴり大人な経験をしたいものだわ、なんて思いながら夜の六本木を歩いてみたのでした。
特に何もありませんでしたが。 -
高校生のうちに読めてよかった
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十代、思春期真っ只中に初めて読みました。友達に勧められて。あの頃に読んで良かったと思う一冊でした。今でも何回も繰り返し読んでるが、その度に違う感覚が蘇ってくる。登場人物の行動をよく真似しました(笑)
思春期に読んで欲しい一冊です。 -
比喩表現が可愛らしい。女子高生に読んで欲しい。高校生の間に出会えて良かった。
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わたしもこんな素敵な高校生になりたかったな。
ジントニックを飲みながら、恋を楽しめる女の子に。 -
とある人が好きだと言っていた本。女の子たちが隠し持つ、自身のためのひっそりとした小道具は、ソックスの下の見えないアンクレットだったり、宝石箱にしまった一本の赤い口紅だったり、ふわりと纏う大人びた香水だったり。それらが似合う大人の女になるまでの、放課後の内緒話。甘く、どこか口惜しい。80年代の少女漫画みたいだ。心許す同性の友人にだけ、こっそりと打ち明けたくなる。
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もしかしたらはじめて自分で買ったハードカバーはこれだったかもしれない。
表紙についている薄紙と、淡い桃色を基調とした表紙。
内容も含めて、当時の印象ではすごく好きだったと記憶している。
時々それを確かめたくなるんだけど、
たぶん中村治美に貸したきり戻ってこなかったので、
それ以来手元に戻らず、読み返すこともなく、現在に至る。
中学3年生。
あのとき学んだ教訓。
大切な本は、自分が納得して、貸してもいいと思える人にだけ貸すこと。
たとえそれが、どんなに信頼のおける人に貸したとしても、
戻ってこないかもしれないことも、覚悟して。
実家の蔵書の記憶を整理する傍らで、思い出したのでおぼえがき。