PAY DAY!!!

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著者 : 山田詠美
  • 新潮社 (2003年3月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103668091

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PAY DAY!!!の感想・レビュー・書評

  • 彼女の本は、当時流行っていたものは一通り読んだのだけど、どうしても好きになれなかった。
    多分セックスとか平気で使われて書かれるあけすけな文章に、当時の私は
    嫌悪感を覚えた、というところも大きかっただろう。
    でもそれとは別に、なにか合わなかった。
    ただ、合わない中でも唯一好きだったのがチューインガムで、これは文庫本まで買った。
    あれを読んだときと、同じような気持ちになった。

    今のために未来を台無しにしてはいけないけど、未来のために今を台無しにしてはいけない
    とか(大抵は前半部分しか大人は言ってくれない)心にぐっとくる言葉もたくさんあって、
    全然予想とおりじゃない展開に驚いた。
    全般的に読んでいて幸せになれたし、現実感がわかない悲しみとか
    いろんな感情とか、なぜかすごく馴染みのある感じだった。

    ハーモニーが羨ましくて頭にくるし、愛らしい。
    そして現実のいろんなものを直視しすぎて受け流すことができない。
    冷静であろう、強くあろうとするけれど、それが仇になってしまったりする。
    だからやっぱり、私はハーモニーが羨ましかったな。

  •  アフリカ系父とイタリア系母をもつ米国の双子の兄妹の16~17歳(だっけ?)の頃の物語。親子関係や兄妹関係、恋愛関係のぐたぐた、ざわざわが描かれる。
     また物語背景としては、序盤~中盤で911があり母を失うのだが、それも家族なり親子なりを見つめざる得ない状況となってしまう。

     ティーンエイジャーが主人公であるがゆえ、未完成であり、活発であり、自己中心さをコントロールできない故の言動があり、それにより人間関係のぐたぐたがでてくるのである。本書の面白いところは、人間関係の複雑であり、単純であり、自己中であり、思慮深いといった一筋縄でいかない、そうゆうものであるととおもうのだが、そこに入りこめるかどうかである。会話の中には現実世界ではありえない「おまえは~~だから」とは「恋人とは~~というもの」のような心理・性格分析されたセリフ回しに、共感できるかどうかであろう。

     日々の小事件のなかで、そんかめんどくさい会話がぐるぐるぐるぐるめぐるのである。人間をとてもよく観察している/できるものだな、すごいなと思います。

    そういった読み応えは十分なのですが、ストーリー自体は弱いと感じるかな。そこ(物語性)に期待しちゃいけないです。

  • 差別とか偏見とか。価値観とか。だったよね?(笑)

  • 16歳アメリカ人双子の兄妹が9.11同時多発テロで母親を失う。家族・恋人・友人の中で自分と向き合い、双子が成長していく話。

    好きなことを好きと恥ずかしげも無く言えることが大人。昔振られた彼女のことを恥ずかしげも無く好きだったと言えることが過去の恋を乗り越えられたってこと。

    この著者の作品は自分の心の中のモヤモヤしたことを言葉として表現してくれる。そこが素晴らしい。

  • いつの日かまた読みたい。
    私がもっと年を重ねたら。

  • 2001年9月11日からもう12年も経ってしまったけど、いまだに昨日のことのような衝撃がある。その事件を前提として知っていることがこの物語を読むカギになる。

    あの事件をリアルタイムで目撃していた世代ではない世代がいつかこの本を読むときに、このことはとても大事なことのように思える。

    愛と死。

    「大切な人」との関わりについて、その「フィルター」によって再構築するということ。
    2人の双子とその家族に対して描かれたこの物語では、それぞれの「事情」を通して、恋愛感情も家族への情愛もペットとの感情も愛情であることに変わりないということが記されている。

    10年前の書籍だけれど、90年代に書かれたエッジの効いた文体に比べてかなり穏やかな描写になっていて、すんなり心に入ってきました。
    一語一語が時にとても美しく、夏の一冊に選ばれてもおかしくないかもなぁと思いました。

  • 女流作家の一番はやっぱり山田詠美だ!山田詠美の小説はすごく綺麗。女性的な清潔さがあって大好き。

  • 何年か前に読んだけど、9.11の心の傷をリアルに描いている。そして少し心温まる、そんな本だと思う。

  • 山田詠美の本に出てくる10代のコたちは、ちょっと背伸びしてていっしょうけんめい大人になろうとしてる。

    この本の主人公ふたりも然り。
    そのきっかけが9・11事件。
    自分も知っている事件なだけに、ふたりの変化がすごくリアルに感じられた。

    山田詠美の独特の言い回しと価値観がやっぱり好きだなぁ。

  • 何度読んでも好きな山田詠美。主人公に共感しすぎて大人になれなくなりそうで、あまり読み込みすぎてもいけないなと思うくらいだ。

  • 思春期を迎えた男女の双子が、9.11を乗り越え、成長していく話。と書くと、よくあるっぽい話だけど、ディティールと表現がすごくしっかりしてるので、すぽっと受け入れられた。何よりも、美しい言葉がたくさんあった。
    「こんなに苦しい恋をしたことがないと泣くことは、こんなに素晴らしい恋をしたことがないと感激するのと変わらない」
    「好きな人は、側になんかいなくたって、いつだって抱きしめられるのよ」
    「年なんか関係ない。好きになった男の人は、いつだって自分より可愛い子供なんだ。きっと」
    「約束は未来のためではなく、今この瞬間を幸せにするためにある」
    などなど。甘酸っぱいなあ。

  • 再読。

    9.11で母を失った男女の双子、ハーモニーとロビン。
    離婚により南部とNYに分かれて暮らしていたが
    それにより父と祖母と叔父とハーモニーがいる南部で暮らす事になったロビン。

    9.11そのものより、(人種の事があるので切り離せないのだが)
    「大切な人を失う」という事に重きを置いた、青春小説でもある。
    ティーンエイジャーの恋愛、というのは家族というものと
    切り離す事も出来ない事だったなぁ、そういえば。

    南部の描写は魅力的ながら、あまり印象に残る事もなく、
    薄いように感じられたのが残念…。

  • 彼女の作品は僕は勉強ができないしか読んでいなくて、
    この作品により彼女がどれだけ成長しながら作品を書き続けていたかを理解した。

    ロビンはとても強い少女だけど繊細な部分もある。
    彼女のような少女に憧れる。

    アメリカのティーネイジャーはこんなに成熟しているのだろうか、と思った。
    この小説に出てくるどの人物も秘密があってセクシーで、自分を大事にしながらも、
    時には痛々しいほど他人のために自分を犠牲にする。

    アメリカ人って実際もこんなに美しいのか?
    いつも気の利いたジョークが言えて、刹那的で、強い。
    少なくともこの小説の中では。

  • 山田詠美はいつも平易な文体で鋭い本質を突く。

    それは例えば「大切な人の死は魂を成長させる」こと。

    ペットの死を契機に叔父からはお酒が抜け、母の死を通じて家族の絆はいっそう深まった。

    ならば死はいかにして弔われるべきか?

    考えても考えても結論は出ない。

  • 感想を書こうとする段階でまた泣けてくる。
    家族にコンプレックスのある私にはきつい部分もあったけど
    良い本だった。

    両親の離婚によって
    離れて暮らすことになった双子のハーモニーとロビン。
    それぞれの生活が安定してきた矢先、
    二人の母親が働いていたワールド・トレイド・センターに
    飛行機が突っ込んで、ニューヨークはめちゃくちゃになった。
    双子はそれぞれに自分の幸せと
    ママの不在の意味をかみしめ、
    大人になっていく。

    PAY DAY(給料日)と9.11がどう結びついていくのか
    二人がどう成長していくのか予想がつかなくて
    ハラハラしたり、共感したり、
    羨ましく思ったりしながら読み終えました。

    なんといっても、この家族がとても素敵だった。
    自分のことをも他人のことも
    真剣に考え、そのことを伝えられる。
    私の両親はきっと知らないと思うけど、
    人は、家族さえいればいいわけじゃないんだよ。
    支えてくれる家族以外の人間がいてこそ
    強く生きていけるんだよ。


    「皆、それぞれ家族以外に、
     自分たちのあの日を支えてくれた人がいるんだなあ」

    「ロビン、今のために将来をないがしろにしてはいけないし、
    将来のために今をだいなしにしてはならないよ」

  • とびとびでよんだ まあまあかな
    ちょいちょいええことゆうてて ちょっと元気もらえた

  • 中学生の図書館便りみたいなのに出てたので読んだ。
    久しぶりだ、山田詠美。
    20年前はよく読んだ。
    20年以上も小説書き続けてるんだなぁ。
    非常に聞き分けの良いハイティーンと
    非常に礼儀正しくて子どもに理解のある大人が描かれていた。
    子どもを一人の人間として大人のように扱う大人。
    子どもの立場からすると理想的だわ。
    でもなかなか日本の風土からしては難しい気がするな。
    ホントにアメリカ人てこうなの?
    と外国人の友達もいなくと外国で暮らしたことない私は思う。
    いや、実際には日本人だってみんなそうなのか?
    私だけがブレるのか?
    日本人の書いたアメリカ人が主人公の小説を読んで
    よくわからなくなる、私は日本人。

  • 日本人が描く、イタリアとアフリカンアメリカンのハーフの双子たちの物語。
    ちょっと不思議な感覚だったけれど、個人的に少し心が楽になれる作品でした。。

  • 9.11で母を亡くした兄弟。大切な人、母と離婚した父、アル中の叔父、それぞれが9.11や母の死を受け入れながら前向きに生きていく。なくしちゃいけない大切なもの。

  • 大切な人を失っても人はどうにか生きていけるんだなと思える本。
    働いている身なので、『It's pay day!!!』ってみんなが叫ぶ気持ちはすごくわかります。
    給料日は働くすべての人に幸せを運んできてくれる日ですよね!

  • どんな話だったかわすれちゃった…

  • 給料日のこと。9,11テロの話もあるが、日常の話の中に出てくるので、悲しみがしんしんと伝わる。いい男、いい女が出てきて、文もやさしく、何故か日常にハリが出た。

  • 本を読んだのに、映画を観た後のような。
    活字を追いながら同時に映像が再生されているの。
    人の思考を邪魔しない無駄のない文。
    面白い体験。

  • 9・11のことを日本の作家が書くならば

    絶対山田詠美に書いてほしいと思ったけど

    半分位、思い通りの出来だった。

    ただ、ロビンの年齢設定が17歳なのが違和感があるのと

    どうしてこのタイトルなのかそれだけが疑問に残る。。。

  • イタリア系の母とアフリカ系の父を持つ双子の兄妹。ニューヨークと南部、家族、恋に悩み成長する二人。良質な青春物であり、軽そうに扱って深い。アメリカを舞台にして距離がありそうで、実は日本でも当てはまる共通部分が多い。まぁ、九州人が東京人に対する違和感程度かな(笑)
    嫌味がなく丁寧、人物も親しめる。ただ、かなりくどいかな・・

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PAY DAY!!!の作品紹介

ペイ・デイ、給料日。それは、何があろうと、ほんのちょっとだけ、みんなが幸せになれる日-。双子の兄と妹は高校生。ちょっと不器用、でも誠実に生きている二人に訪れる、新しい出会い。別れ。恋。家族の問題。そして、大切な人の死…。ゆったりと美しいアメリカ南部を舞台に、様々な生が織り成されていく、堂々たる長編小説。

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