- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103668138
感想・レビュー・書評
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読み終わってすぐに、はっと気づき、冒頭を読んだ。
そのときの切なさには溜息が出た。
一人一人のかけがえの無い人生が、たった800字足らずで幕を閉じてしまう人生の儚さ。すごく楽しめた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
詠美さんの文章はとてもすてき。抱えているバックグラウンドは暗いのだけれど、「ひりつく痛み」としては描かないところが詠美さんなんだな。首飾りをくれない男の子かぁ。なんか私のイメージでは心太は諸星あたるになっているw。
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恥ずかしながら詠美さんの本、まだ読んだこと無いのです。積読本はあるのですが...文章がすてきって早いとこ読まなきゃっ!恥ずかしながら詠美さんの本、まだ読んだこと無いのです。積読本はあるのですが...文章がすてきって早いとこ読まなきゃっ!2010/07/14
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はぁあ・・・。
うますぎてやばいでしょ、これは。
山田詠美さん ちっと舌打ちしたくなるような うまさやん。
世の中ってさ
仁美と心太がたとえセックスしてもさ・・
シンデレラとか白雪姫みたいに
”しあわせにくらしましたとさ、おしまい。” なんて
絶対にいかないんだよね。
一緒に住めば、結婚すれば どんなにすきでも他人だし
いらいらすることもあるし、ぶつかる。
それは しあわせの定義の問題もあるとは思うんだけど
「 単純にラブラブでサイコーに幸せ!!! 」 とはいかない。
んー いぶし銀な幸せっていうか淡々とした生活の水に洗いに
洗われてこそ光る奥深さからくるものっていうか。
ま、もちろん何をもって幸せと考えるかは人それぞれなんだけどもさ。
でも 人を初めて好きになるころって、笑って泣いて 忙しいよね。
本人はとんでもない、それどころじゃないんだけど。
しかも 段階があるね。処女かどうか、セックスから得られるものがあるか、セックスを通しての関係性とか・・・
で、セックスは確かにしたほうがいいけど
真剣にその人としたいとおもっている、その直前が一番
快楽値高いと思う!
セックスはある意味ピークだし、 その上をめざすとなると
単純に気持ちいいだけでは深いものにはなりたちづらくて
難しいというか・・・ 。
そういう意味で この『学問』いいと思う!!!(ちから入ってます
心太と仁美は結局セックスするところはまでは描かれずに終わる。
だから読み手は もんもんと妄想の世界へ旅立ちつつ・・・
その後を考える。
しかも心太は仁美とは結婚してない。
また、随所に描かれる 千穂や無量などの人生の終わり方が、
死に対しての気配を文章にちりばめさせることで
さらにこの ”今”という二度と戻ることのできない
きらめきをしめしてくれている。
あーでもほんとに感想に書くと無味乾燥っていうか
いかにつまんなく聞こえることか。
・・・と自分への冷静なつっこみができたところで
ここまで読んでくださってアリガトウ。
読了後、こんだけとにかく 感想を書かぜるをえない
作品を作り上げてくれた 山田詠美さんに感謝をささげつつ・・・。
おわりにしよ。 -
山田詠美って・・・・。エロなイメージしかないのであえて読んだことなかった。今回友人に借りることがなければ、一生おつき合いのない作家さんだったでしょうね。
「学問」は7歳の女の子仁美が静岡の美流間という田舎に引越し、そこで出会った心太、千穂、無量。仲良しグループと共に友情と恋愛と性を学びながら成長する青春小説。濃厚なエロではないので読みやすかった。
大好き、でも恋人にはなれない。セックスはできない。でも一緒にいたい。
お互いに恋人がいても、会えばじゃれあい、気が向けばキスもする。
そんな幼友達がいれば、人生もきらきら輝くよね。
ましてや舞台は海の近くの美しい田舎。裏山には4人だけの秘密基地。
年代が私の幼少期と重なるだけに、うーんノスタルジーやなぁ。 -
「私ねえ、欲望に忠実なの。愛弟子と言ってもいいね」なんて、本当に性に対して素直な作品。人が性を知っていく過程。自分が初めてセックスの存在を知ったのはいつだったか、もうはっきりとは覚えていない。どのように学んできて、この本を読むに至ったのか、1人で感慨深い気持ちになったりして。心太と仁美の関係を恋愛漫画的な展開になるように見せかけておいて、そうさせないのも、さすが。一筋縄でいかない。あと、合間に挟まれる、彼女たちの訃報。最初は蛇足だと思ってたけれど、読んでいくうちになんて濃い厚みになっているんだと感嘆した。彼らの高校生以降の人生が垣間見えて、涙が出そうになった。
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こんなにキラキラと輝いて成長してゆく子供達が羨ましく、憧れてしまいました。
そしてサラリと述べられる死。
人生捨てたもんじゃないですね。
文章が魅力的で、一気に読んじゃいました。 -
久しぶりに山田詠美さんの作品を読みました。「学問」、2009.6発行です。美流間という田舎の小学校2年生、男女2名ずつの生徒の生涯が連作4話で綴られています。読者は読みながら、自然に、自分の小学校時代、そして、その時まわりにいた友達に思いを寄せます。山田詠美さんにしては静かな佇まいの作品です(^-^)