再会と別離

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  • 新潮社 (2011年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103671077

再会と別離の感想・レビュー・書評

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  • 四方田犬彦さんと石井睦美さんによる往復書簡集。もともと四方田さん目当てで買ったのだが読んでいるうちに石井さんも気になる存在に。

    四方田さんの語りがなんだか劇場で台詞を言ってるのかと思うぐらい構えた感じなのに対して、口語に近い感じの石井さんの手紙が続く。往復書簡集というのはどこかお互いに距離をとった感じのするものをよく読んできたように思うが、この本は相手の方へぐっと迫ったり、どこか挑発するような言葉も交わされてとてもスリリングである。石井さんから四方田さんへ宛てた書簡の方がその傾向があるかもしれない。

    軽く衝撃だったのは、四方田少年の生まれ育った家での両親とのエピソード。そういう過去を抱えている方だったとは… 石井さんも辛いご自分の離婚のことなどを語られている。お二人ともに言えることだが、胸のうちに抱えたものを丹念に練り上げられた言葉で綴ることで、どこか浄化されたり、整理されたりする部分があったのではないだろうか、と推測する。書くことによって救われる、というような表現があるけれどまさにこういうことなのかなと思える。

    非常に濃密な読書の時間を過ごすことができた。語る言葉を持っている、というのはやはり素晴らしいことだ。

  • 2017/5/27購入

  • 別離と再会、ではなく。再会と別離についての往復書簡。再会とは、誰かと再び出会うだけのことではなく、自分とも再び出会うことでもあるのだなぁ、と。そして、誰かとの別離は自分の一部と別れることでもあるのだなぁ、と。
    往復書簡という形は、相手に触発されるものがありながら、熟考という時間が間にあって、自らの思考を辿っている姿が思われ、対談とは違う面白さを感じた。

  • タイトル通り「再会と別離」をテーマにした往復書簡。
    石井さんと中村先生の交流や、四方田さんと若くして亡くなった友のエピソードはとても甘やかな一方で、まだ傷が痛むような苦い別離も。
    こんな手紙を書くのは苦しかっただろうなぁ。(読むだけでも苦しいのに)
    でも書いて少しは楽になっていると信じたい。
    あと、お互いにどんなにがっかりしたとしても、(だから再会を断る美学というのがあることは分かるけれども、)再会は良いものだと私は信じたいな。

  • 往復書簡という形式は、いったいなんだろうかと考える。その内容に引き込まれて一気に読んでしまったが、果たしてそれでよかったのだろうかという思いがしている。お二人は、この書簡を書くためにかなりの時間を費やしたに違いない。書いては読み返し、逡巡し、また書き直すという行為の繰り返しがあったに違いない。そのような書物を短時間で読み終えてよいのだろうか。お二人とも詩人という肩書ではないのかもしれないが、詩人としての魂が共振して、こんな奇跡のような書物ができあがったに違いない。人生は、「再会と別離」で出来上がっている。

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