淋しい狩人

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (1993年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103750024

淋しい狩人の感想・レビュー・書評

  • 久しぶりに読書をしようと思い、手にした本だった。パラパラとめくったところですぐにイワさんと稔の世界に入り込んでしまっていた。読み進めていくうちに「読んだことあるかも」と思い出した。確かに一度、過去に読んだことがある。
    それでもなぜか引き込まれ、過去に読んだ時とは全く違う読後感があった。
    リアルなイワさんと稔のやりとりがとても良かった。謎ときも複雑でわかりにくいわけではなく、すんなりと読み解くことができて、なかなか面白かった。またイワさんと稔に会いたい。

  • いつものとおり、宮部みゆきさんの作品は温かい。イワさん一家の関係がその温かさを醸し出す。
    またイワさんの言葉がいい。人に対してその人の心をほぐすような言葉だったり染み入るような言葉がだったりがかけられるって、業としか思えない。これも日頃から一本筋が通った考え方をしているからこその業だ。

    この一冊は短編集だったが、特に「黙って逝った」は父親の気持ち、息子の気持ちがよくわかった。物悲しいけれどいいお話だった。

  • 何度目の再読かわからないくらいの再読。
    ドラマ化されたものをチラッと見て、「あれ、そんな話だったかな」と思ったので読み返したのだが、まったく別の話じゃないかというくらい違っていた。
    ドラマの方は「淋しい狩人」という作品を中心に、傍観者の罪について描かれていたが、もちろんそんな話はこの原作の方には出てこない。
    そもそも「淋しい狩人」という作品の内容自体が違ってしまっている。
    まるで、ドラマを制作する人たちが勝手に「淋しい狩人」というタイトルから内容を推測し(それは本作の「淋しい狩人」に出てくる犯人と同じ行動である)勝手に話を作り上げてしまったかのようだ。
    そして、再読して改めて思ったのだが、この連作ミステリーは、尻切れトンボだ。稔の恋の行方も中途半端だし、まだこれから続きがあるつもりでいて、そのままになってしまったというパターンなのではなかろうか。

    「淋しい狩人」の作者、安達和郎は、小説に行き詰まって姿をくらました。書けなくなって作品を放り出してしまったのだ。今回再読してふと、この連作ミステリーそのものも、作者の宮部さんが途中で放り出してしまったのではないか、という疑惑が生まれてしまった。
    1993年の発行であるから、すでに20年が経過しているのに、続編が出ていないというあたりが、その疑惑の根拠である。

    主人公のイワさんと稔の関係、稔の両親のあり方が好きなので、できれば続きが読みたいものだ、と改めて思った。

  • 古本屋の「田辺書店」の周辺で起こる事件を少々センチメンタルに描いた短編集。まあまあ面白い。
    主人公のイワさんは、65歳の設定だが、出版年は93年なので20年前の話。現在は85歳の設定になる。イワさんは徴兵経験もある戦前生まれだが、現在は65歳であっても戦後生まれ。この20年の世代間の差は、現代の20年の差よりも大きいのではないかと思える。

  • 知人から借りました。
    これからゆっくり読む予定。

    2012.8.17
    1話、2話を読了。
    2話を読み始めて、「あれ?主人公違うのかな?」
    と思ったけれど、ちゃんと1話の登場人物がでてきた。
    物語自体は各話、独立していて、
    どこから読んでも大丈夫な感じ。

    2012.8.21
    全話読了。
    順番通りに読んだ方がつながりがわかるみたい。
    特にミノル関係のことについて。
    さくさく読めて面白かった。

  • 古書店の雇われ店主イワさんと孫の稔がご近所ミステリーに係わる。
    6月は名ばかりの月:姉の失踪とストーカーの相談にきた女性だが、実は姉の財産を横取りする殺人事件の犯人だった
    黙って逝った:ぽっくりと逝ってしまった父の残した300冊の同じ本。自費出版された「旗振りおじさんの日記」に書かれた個人の秘密を謎解きする
    詫びない年月:柿崎のおばあちゃんは取り壊された家の地下から発見された防空壕とその遺体の経緯を一人で化抱えて死のうとする
    うそつき喇叭:男の子の身体に虐待の傷跡を見たイワさんは、母親と担任教師にわけを尋ねる。虐待の犯人はうそつき喇叭の物語に以上に反応した教師だった
    歪んだ鏡:古本に挟まれた名刺のわけを探るOL。名刺は工務店営業部の男が販促のために古本に挟み込んだもので、その男は会社の金を横領し、無理心中する
    淋しい狩人:未完成の推理小説を残したまま失踪した小説家。その小説を完成させるとして次々と殺人を犯す犯人。ところが失踪していた小説家が名乗りを挙げて会見し、犯人の描く小説の筋を間違いだと断言する。犯人は逆恨みしてイワさんに迫るが、逮捕させる

  • 古本屋を営む祖父と孫。連作。

    再読。
    …宮部さんは老人と子供の組み合わせが好きだよな。笑。
    しかしさすがだ。面白い。

  • イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/6307009.html)
    (収録作品)歪んだ鏡/六月は名ばかりの月/黙って逝った/詫びない年月/うそつき喇叭/淋しい狩人

  • 古本屋を営むイワさんの周りでおこる事件の短編集。
    すっぱりさっぱりと解決しているわけではないけれど、
    なんだか納得。

  • 我々はみな孤独な狩人なのだ。帰る家もなく、荒野に出ればひとりきりだ。ときおり指笛を鳴らしても、応えるのは風の声だけである。それだから、我々は人を恋う。それだから、血の温もりを求めて止まぬ

  • <font color="#666666"><table style="width:75%;border:0;" border="0"><tr><td style="border:0;" valign="top" align="center"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103750022/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://blog12.fc2.com/image/noimage.gif" border="0" alt="淋しい狩人"></a></td><td style="padding:0 0.4em;border:0;" valign="top"><a href="http://blog.fc2.com/item/4103750022/yorimichikan-22" target="_blank"> 淋しい狩人</a><br>宮部 みゆき (1993/10)<br>新潮社<br><br><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103750022/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"> この商品の詳細を見る</a></td></tr></table>
    六つの連作短編集。
    表題作のほか、六月は名ばかりの月・黙って逝った・詫びない年月・うそつき喇叭・歪んだ鏡。

    65歳のイワさんこと岩永幸吉は、親友の樺野裕次郎が60歳のときに開業した古本屋「田辺書店」を、裕次郎亡き後 息子の俊明の頼みで引き受け 任されていた。
    横浜に住んでいる息子夫婦の一人息子で高校生の稔も週末には手伝いにやって来る。
    そんな田辺書店の店先や客の身のまわりに起こった事件の謎をイワさんが解き明かす連作である。

    すっかり古本屋が自分の仕事になったイワさんの周りで起こる日常の謎は、ささやかだが当事者にとっては大事なことばかりであり、その当事者の身になって謎を解き明かすイワさんの親身さが その人たちと心を通わせる様子が心地好い。
    孫の稔とのやり取りも、雑駁な口の利きようであっても真心と思いやりが感じられてあたたかい。
    心地の好い一冊だった。</font>

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淋しい狩人の作品紹介

通勤電車の網棚から由紀子がふと手にとった一冊の文庫本。頁をめくると、中には一枚の名刺が挾み込まれていた…。本をきっかけに、普通のOLが垣間見た男女関係のもつれを描く「歪んだ鏡」。遺された本から父親の意外な素顔が浮かび上がる「黙って逝った」。そのほか表題作を含め、東京下町の古書店を舞台に本にからむ人間模様を描く連作ミステリー。

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