ソロモンの偽証 第I部 事件

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (2012年8月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (741ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103750109

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ソロモンの偽証 第I部 事件の感想・レビュー・書評

  • 気が遠くなるような図書館の予約待ち人数に「まだまだ来ないだろうな」と思っていたら
    なんと冠婚葬祭ラッシュの今、予想外に早く届いて、うれしい悲鳴。

    普通のハードカバー3冊分に匹敵する、なんと740頁余りという分厚さだけれど
    旅行の準備に追われていようが、お鍋をかけっぱなしだろうが
    本を開いたら最後、もう読み続けずにはいられません。

    クリスマスの夜、中学校の校舎から少年が転落して亡くなった事件をきっかけに
    同級生や家族、先生、マスコミから、隣人を逆怨みする、完全に部外者の女性まで
    さまざまな人生の歯車が狂い始める。
    少しずつだけれど、でも確実に噛み合わなくなっていくその歯車の
    キシキシと軋む音さえ聞こえそうな、宮部さんならではの心理描写の見事なこと!

    世界に何も期待せず、絶対零度と言っていいほどの冷たい視線で
    何もかもを見下していた、亡き少年。
    彼の残留思念に皆が踊らされているようで背筋が凍るような瞬間が幾度もありますが
    彼が登校拒否になっても何の関心も示さなかったのに、
    お葬式ではさめざめと泣いてみせる女子たちには仲間入りせず
    マスコミの思惑や大人の論理で塗り替えられてしまう真実を
    同じクラスにいた自分たちの手で明らかにしようと決意する
    ヒロイン涼子の潔癖さ、ひたむきさに救われます。

    どんなに忙しくても、娘の言葉にしっかり耳を傾け
    危急の出来事には敏腕刑事らしく驚くべき行動力で対応する
    涼子の父は、まさに理想の父親像。
    もっと活躍シーンがないかしら♪ と、ついつい期待してしまったりして。

    人気の本ということもあり、図書館では1冊ずつしか予約できなかったので
    読み終えてから予約した第2巻は、いったいいつ届くことやら。
    頼りない脳味噌からこの巻の感動が薄れないうちに届いてほしいなぁ。。。

  • 最近、続々と予約してた本が届くんだけど、その中でも異彩を放ったのがこちら。
    噂に違わず、ぶ、分厚い!!重い!!圧巻!!
    でも740頁という分量を感じさせない宮部節で、寝不足なりながら2日で読了。

    時はバブル絶頂期の1990年。
    ホワイトクリスマスだった夜が明けた朝、中学校で生徒の死体が発見される。
    クラスでも浮いて不登校だった少年の死は、校舎からの飛び降り自殺と
    判断されるも、学年の問題児たちが殺したのを目撃したという告発状が、
    学校を揺るがし、事態を大きく変えることになる。
    そしてまるで呪われているかのように立て続けに起こる事件。
    この学校では一体何が起きているのか。
    「自分たちで真実を見つけ出します」学年の優等生、藤野涼子が立ち上がる。

    少年の遺族、そのクラスメイトに親、校長や担任その他の教師、少年担当の刑事、
    そしてマスコミ…たくさんの人の視点から見る、ひとりの少年の死。
    この事件を動かすのはひとりひとりの恨み、妬み、疑念、そして悪意。
    大出らにコンプレックスのニキビでいじめられ、僻み捻れてしまった樹理と、
    夫との別居に追い詰められ、隣に住む森内先生に完全なる逆恨みをする垣内は、
    もはや何も言えないような別格の悪意に染まっているとして、
    まるで学校をあざ笑うかのように亡くなった柏木卓也や、
    正義を振りかざして独善に陥っている茂木の闇も、相当深いんじゃないかと思う。

    対して、決して事なかれではなく生徒のこともよく見ていた津崎校長や、
    好き嫌いはあれど、まだまだ新米教師として未来のあった森内先生や、
    いつもにこにこと優しく、悪意と最も遠いところにいた松子ら、
    巻き込まれ傷つけられ追い込まれていった人たちが哀れで。

    立ち上がった涼子は、これからどうするんだろう?
    もう子供じゃない、でもまだ大人とは見てもらえない、微妙な年齢の中学生。
    何を考え、どのように感じ、どうやって真実を見つけ出していくんだろう。
    第1部では、てんてこ舞いする大人たちの「脇役」ともいえた中学生の彼らの、
    これからの奮闘、成長に期待。

    宮部さんの本って、面白いんだけど最後がイマイチ、で☆3とか☆4に
    なっちゃうことが多いんだけど,第1巻はドキドキっぷりに☆5にした。
    このままの勢いで最後まで読めるといいな~と思うけど、読んでから
    2巻を予約したので、続きはいつになるのやら?

  • 中学生の転落死を発端に描く大長編~宮部みゆきの話題作。
    現代ミステリは5年ぶり?
    さすがの描写力で、長さを感じさせません。

    雪が積もったクリスマスの朝、中学の裏庭で2年生の柏木卓也の遺体が発見された。
    屋上から転落死したらしい。
    一ヶ月前に不良グループ3人と揉めた後、不登校になっていた。
    大出俊次をリーダーとする不良グループのせいという噂も流れるが、卓也の親が自殺と認めるような発言をしたことから沈静化する。
    ところが、連鎖するように事件は起き続けて‥
    大出の父親は横暴なタイプで、世間に対してはむちゃくちゃな態度で息子をかばうが、家では暴君という。

    同級生の急死に女子は泣くが、クラス委員の藤野涼子の目は乾いていた。
    友達ではなくほとんど知らなかったためだが、自分が冷たいのかと内心悩む。
    剣道部でも活躍する文武両道の涼子のりりしさはすっきり輝いていて、親子関係も含めて、重い話の希望になっていますね。
    優等生(しかも美人)は嫉妬されることもあるけれど。

    発見者の野田健一は大人しく、学校では目立たないようにしているタイプ。
    家では不安定な母親を支えるため、何かと我慢を重ねてきた。
    父親が家を売ってペンション経営に乗り出そうとし、反対しても聞き入れないことに絶望した野田は‥
    親友のおっとりした向坂行夫がいいですねえ。

    柏木卓也が頭はいいが超然とした孤立しがちな性格だったので、教師達は家庭訪問を重ねてはいたが、あまり急いではいなかった。
    卓也は子供のころは病弱で、幼い弟に振り回される偏った生活に兄の宏之は苦しめられ、祖父母のもとで暮らしている。

    大出らにいじめられていた三宅樹理は、柏木が突き落とされるところを見たという告発文を作成、学校と、担任の森内恵美子と、藤野涼子に送りつけます。
    藤野の父・剛は警視庁の捜査一課の刑事で、娘に来た見るからに不審な手紙を開け、学校へ向かいます。

    森内はモリリンとあだ名される若い教師で、男子にアイドル的な人気はあるが、えこひいきするタイプだった。
    森内のところに届いた手紙は、マスコミに流され、騒動に。
    校長らが生徒のことを考えて伏せたことも裏目に出て、学校側のことなかれ体質が批判を浴びることにも。
    ニュース番組の記者・茂木は涼子にも取材に来ます。
    相次ぐ事件が噂ばかりで解明されないことに憤りを感じた涼子は、自分達で調査すると宣言する。はたして‥?

    一人々々がそこにいるかのようにありありと描写されていきます。
    それぞれの家にある思いがけない事情。
    親の影響を強く受け、意志は持ち始めていても上手く伝えるすべも知らない子供達。
    少年課の佐々木礼子刑事が、問題児を見る現実的なまなざしにも納得。

    時代がバブル末期の1990年という設定なので、まず携帯が出てきません。
    他にどんな意味があるのだろうか‥?
    いじめの質やスクールカーストは違うのでしょうか。
    重い内容だけど、重苦しすぎることはなく、先が知りたくなるばかり。
    さすが宮部さんというか~最近のものでも、かなりいいほうですよね!

  • 長かった・・・。読んでも読んでも終わらない。
    分厚いし重いし読んでて肩が凝る。
    でもまだまだ第1部。第2部が手に届いたらまた睡眠不足の日々か。

    宮部さんの作品は「火車」しか読んだ事がなかった。
    良く覚えてないけどどうしても納得のいかない部分があってそれ以降宮部作品から遠ざかっていた。
    いやいやどうしてもったいない事をした。
    さすが今をときめく女流作家。見事な筆さばき。
    これほど綿密にしかも分かりやすくこれだけの分厚い作品をかける作家はなかなかいない。

    ミステリーという面ではもちろんの事、思春期特有の中学生の心の内を描いた作品としても秀逸。
    大人でもなく子供でもない宙ぶらりんな中学生。
    そんな彼らが主役になって事件の真相に迫るという設定をする所が宮部さんのすごい所か。

    最近中学生が主役の作品をいくつか読んだが、作家によって彼らの心情の炙り出し方が様々で読み比べると面白い。
    早く続きが読みたい。

  • 凄い、この本。詰まってる。この1部だけで何冊も読んだ気分。
    詳細な内容。
    登場人物が多いし、それぞれの感情表現が凄い。
    1人の人がこれを書いたなんて信じられない。宮部さん凄すぎです。

    柏木君の死から、こんなにどんどんいろんな事件が起こるなんて。
    お兄さんの宏之の気持ちが切ないわ。
    藤野涼子の自分を見る冷静な感情もわかる気がするし、
    野田健一の葛藤も苦しい。
    どの登場人物も、目が離せない。

    さぁ、第2部も読まなきゃ。

  • ひさびさの宮部みゆきさん。
    やはり巧い。
    「 」でくくられた文とくくられていない文の継ぎ目が、引き渡しが巧い。頭のなかに浮かべるシーンを鮮やかに切り替えていってくれる。

    物語は...
     クリスマスの朝、雪の校庭に冷たい十四歳が見つかる。十四歳が意図した方向なのか、意図していなかった方向なのか、犠牲者が増えていく...

    読み進めるうちに、ざわざわ、ざらざらした感情が渦巻く。
    悪い方向を思い巡らせていく。
    それは自分が悪いことを愉しむ第三者であることをチクチクとしていくように。

    学校という皆がよく知り、皆がよく知らない閉鎖的空間は場面を想像しやすく読みやすい。

    社会の歪み、人の歪みを絡ませて、ざわざわを引き起こす。

    計算されたMONSTERではなく、無垢なMONSTERを作り上げていきながら...
    おもしろい。

  •  第一部の総ページが741ページって・・・すごいボリューム。しかもこれがまだ三部作のうちの第一部。導入部というのだから驚きだ。


     しかし、このボリュームに怯むことなかれ。第一部の登場人物が40人ほどいて、10人ほどの視点で次々物語が展開していくという、構成の複雑さに怯むことなかれ。
     一度読み始めたら、もうページをめくる手は止められません。


     購入するにも、厚いし、高いし。
     図書館で借りるにも、予約はいっぱいだし。

     いやいや、これは読むべきです。
     ためしに、図書館で、一部と二部を借りてみて欲しいです。もし、三部を読むのに、途方もない待ち時間が課されているならば、
     絶対、三部は購入したくなります!!

  • は、はやく次を読ませてよ~~~。もう、こうなると思ったから三部作全部出てから読むつもりだったのだ。でも辛抱たまらず「買っとくだけ、買って置いておくだけ」と自分に言い聞かせながら購入してしまい、そうなると、宮部さん久々の現代物が目の前にあるのに読まずにおくなんて、猫にかつ節食うなと言うようなもので、ガツガツとあっという間に読了。続きが読みた~~い!と身悶えしている。

    しかしまあ「巻を措くあたわず」とはまさにこういうことですね。今日は寝不足です。どうしても途中でやめられなかったのだ。まだ全体像が見えないので、作品としてどうかとかわからないけれど、なんというか有無を言わせぬ物語の力に引きずり回されて、もう降参。一体全体このうねった流れはどこへ向かうのか?

  • 雪のクリスマス。発見された中学生の死体。自殺か? 他殺か? 何故?

    少年は自問する。
    「なぜ、自分だけがこんなに苦しまなければならないのだ」と。
    少女は自問する。
    「なぜ、わたしだけがこんな辱めをうけなければならないのだ」と。
    別の少女は自問する。
    「わたしは、本当に他人のことを思いやって、この行動を起こしたのか」と。
    若い女性教師は自問する。
    「わたしは何もしていないのに、どうして糾弾されなければならないのだ」と。
    家族、学校、社会。
    人間が生きていくなかで、何が正しいのか? 何が過ちなのか?
    一人の少年の死を通して、明るみになっていく現代社会の様々な問題の縮図。
    嫉妬、羨望、後悔、疑念、不安、葛藤、苦悶。
    いろいろな心情を抱きながら、悩み、苦しみ、でも前へ進まなければならない。
    少年少女たちはその問題をどう乗り越えていくのか。

    まだ物語は始まったばかり。
    プレーヤーに配られたカードは裏返しのまま。
    カードを捲ると出てくるのはジョーカーか? はたまたスペードのエースか?
    ハラハラドキドキ。全三巻の合計2200ページにも及ぶこの物語は最後にどういう結末を迎えるのか。
    一度読み始めたら、先が気になってページを捲る手が止まらない。
    700ページのなんと短いことか。

    この第一部だけで40人以上もの人物が登場するのだが、それぞれの個性、特徴の書き分け方が素晴らしい。
    見事にキャラが立っていて、しっかりと一人一人がイメージできる。
    心理描写の記述や表現の上手さも作者ならでは。どんどんのめりこんでいく。
    1日に200ページ程度。3~4日かけて読めばいいか、と思っていたが、一気に1日で読み終えてしまった。
    だってそれほど面白いのだから……。
    すぐに次の第二部『決意』に手を伸ばしたくなります。
    (第二部のレビューへ続く)

  • お、お、面白い~~!!なんだこの物語は~~!(*^_^*)




    冬のある朝、中学の校舎から転落して死んだ中学二年生の男の子が発見された・・・。

    学校を舞台にした死の話、とくれば、苛め?事件?と、それだけで嫌な思いにとらわれ、また、学校内部のヒエラルキーとか、隠匿体質とか、事なかれ主義とか、勘違い野郎とか、ただの野次馬とか、とにかく心騒がす要素が大きくて、なんとなく避けてきたところがあるのだけど、

    さすが宮部みゆき!

    そんな通り一遍の事象では考えられない、人間というもの、何かことが起こる時のどうしようもない流れというかタイミングというもの、を奥行き深く描いていて、ひたすら読ませられた。

    悪意の人や気持ちが、意識的だったり無意識だったりの形で種々提示されるのだけど、それが腐臭を放ってはおらず、むしろ、とても悲しいもの、身近なものとして感じられるところも非常に面白く読めた。

    物語の筋のために、やたら迷惑な人を配置してそれに翻弄される形で話が進んでいく、という小説は多々あるけれど(私はそれがすごぉ~~くイヤ・・)宮部さんの描く迷惑なヤツにも背景があり、本人なりの正義もある、という・・・。そんな人間を、ただ包み込むのではなく、また、糾弾するだけでもなく、“人間”を描いている技量に唸らされた。

    主要となって動いている生徒、先生、保護者、警察、マスコミの人間だけでも、かなりの人数なのに、きちんと描きわけられいて、普通、その他大勢の扱いになりそうなちょっとした出番の人でさえ、気持ちの奥にある逡巡や喜び、畏れをきちんと描いているところには、ホント、舌を巻いてしまう。

    そして・・・イヤな奴だなぁ、と思って読んでいると、いつの間にか、これって私も持っている要素じゃない?もしかして、私の無意識の言動にこんな悪意が見え隠れしてて、他の人たちにはダダ漏れだったの?なんて、とても恐ろしい想いにかられたり、逆に、地味な存在の登場人物たちにある時瞬間的に光が当てられ、人間っていいよね、と思わせられたり。

    これは、第Ⅰ部でもうすぐ第2部が発行、来月には第Ⅲ部、と、続けてとても贅沢な読み方できそうなのも嬉しい。

    どんな結末が待っているのか、少年の死の真相はどこに隠れているのか、この中学はどうなるのか、楽しみに待ちたいと思う。

  • 第3部が出るまで我慢しようと思っていたが、ほんの少し読み始めたら止まらなくなってしまった。続きが出るのが1ヶ月先なのがもどかしい。それまでにもう一度読み返そう。

    携帯電話が出てこないのだ、というのが第一印象だった。舞台が1990年だから、携帯電話は普及していないのだ。かわりにポケベルが登場するが、中学生はまだポケベルを持っていない時代である。
    そのことが妙に懐かしさを醸し出している気がした。

    宮部みゆきの小説に登場する少年少女たちはみな大人びている。年齢相応に幼い者もいるが、中心になる子たちはみな非常に聡明で真摯である。その聡明さは己の醜さにも立ち向かうから、時として胸を刺すような痛みを読んでいる私につきつけてくる。

    この事件編は本当に序章に過ぎない。ようやく手札が揃ったというところで、これから物語は大きく動いていくのだろう。
    早く続きが読みたい。

    宮部みゆきの作品を読むたびに思う。彼女と同時代に生きていられてよかったと。彼女の作品を読むことは、私にとっての最高の幸せなのだ。

  • 城東第三中学校2年A組の柏木卓也が、クリスマスの朝、学校内で遺体で発見される。
    当初、誰もが自殺を疑わなかったのだか…

    読みたいと思いつつも、なんせ第1部だけで700ページもある長編。
    手を出すのに勇気がいりました(笑)。
    が~、勇気を出して良かった!!
    面白い~!。なかなか本を閉じられず、家事、そっちのけで読みました。
    第Ⅱ部が楽しみ♪

  • どどーんと三部ともいっぺんに図書館の順番が来てしまった。
    第一部を半年待ったのだが、予約数を見るに、どうも第一部でやめてしまう人が多いようだ。
    巻数順に貸してもらえるようお願いしていても、結局これだけの分厚い本が三部ほとんど同時にやってくるので、図書館の方に言わせると「ソロモンは苦情が多い」とのこと。(いや、私は苦情なんて申していませんよ(^_^;)びっくりしただけです)
    「(年末年始だから特別に貸出期間が)3週間ありますから頑張ってください」と励まされてお借りしてきた。

    図書館で借りずに買えば期間を気にせずゆっくり読めるじゃないかという考え方もあるとは思うのだが、私には、購入した本はその無期限状態にホッとしてしまい、ほとんど積読状態にしてしまうという良くない傾向がある。
    だからこのような分厚い本こそ期間限定が丁度良いのだ。

    さてそうやって読み始めた本作。
    まず、人物相関図があって本当に助かる。
    最初の百数十ページまでは普通に読み進めた。

    が、柏木卓也の兄宏之の心理描写から私は一気に引き込まれた。
    あとは野田健一君の辛い気持ちも痛いほどよくわかる。
    私はこれをサスペンスやミステリーだとは捉えていない。
    ただもう本当にひたすら人間の心理描写がうますぎて、それを味わうために一言一句飛ばさず噛みしめながら読んだ。

    今後これが模擬裁判という展開になっていくのには、ついていけるかどうか自信がないが、とりあえず第一部は面白かった。
    年越しは第二部でということになりそう。

  • 読み始めてすぐ「あぁ宮部さんのミステリだ♪」と少し嬉しくなる(^^)第1部は「事件」というだけあって、まさに事件につぐ事件!雪の日に死体で発見された柏木卓也をきっかけに中学生達が闇にのまれていく〜(・・;)でも登場する中学生がそれぞれしっかりした想いを持っててビックリ!!自分はのほほんと中学時代を過ごした気がするので…(--;) 人の嫌な部分がたくさん出てくるけれど、それを乗り越え真相をつかむ事ができるのか?このドキドキ感が続いているうちに、第2部が図書館に返却されていますように(^人^)

  • 柏木卓也。中学の屋上から落下して死んだ少年。
    彼の「自殺」をきっかけに脅かされる、数々の平穏な生活。
    やがて噂が立ち始める。
    「あいつ、殺されたんじゃないの?」

    リアル人間ドミノ・・・というのが端的な感想。「敵」が誰かも分からないまま倒れるしかない人々。苛立ち、怒号、悲鳴。
    しかし必死に立ち上がる人だって中にはいる訳で・・・

    二巻への光明は見えました。が、先の長い三部作。しかも作者が宮部みゆきではハッピーエンドはまだまだ遠い。じっくり読み込みたい作品です。

  • バブルの時期の中学生達が主人公の話。
    携帯がないときってそういえばこんな感じだったかも…家に電話して、誰が出るかドキドキ、とか。連絡網とか。

    宮部さんってこんな嫌な人も書けるんだ…って思いました。
    樹里…嫌だ…森内先生もなんかいやだし、森内先生の近所の垣内さんもいや…
    でも、先が気になってどんどん読ませられてしまう。
    藤野家の親子関係とか、向坂くんのあったかさとかにほっこりしながら(癒されながら)読み進めました。
    豆ダヌキ校長も好きだー。

    中学生独特の微妙な精神状態を思い出しました。
    (できたらあの頃には二度と戻りたくない…)イライラしたり、親に対して無力だったり、学校の中での振る舞い方とか…

    一気読みでした。
    この先どうなるかめっちゃ気になります!

  • こんなに厚い本の中に詰まっている話のあれこれがどれも面白い。すごいなぁ。
    次どうなるのだろう?と読んでいるうち、思いもよらない事態になってくる。
    嵐の海に翻弄される小舟を見ているよう…。どきどきします。
    学校に関わることを切り取っていながら、現実の大きな世界ごと小説になっていて本当に面白い。
    社会や人間のイヤな面を読んでいたかと思うと、良心や真っ当な考え方に触れて温かい気持ちになったりする。宮部みゆきさんのすごさが身にしみました。

    「名もなき毒」しか読んだことがなく、「小暮写真館」は途中でリタイアというどうも今までは相性が良くなかったのですが、この作品のあまりの面白さに脱帽。
    ついに3冊とも購入しました。
    はやく第Ⅱ部が読みたいのですが、図書館本がつまっているのでぐっと我慢して別の作品にうつるのが辛いところです。

    ***********

    図書館から来ているのは「冷血」(上下)と「沈黙の町で」(・_・;) どこか設定の近しさを感じて、まっさらな気持ちで読めるか心配…。

  • 学校には様々な家庭環境の子供がいて、
    それぞれに両親がいて、
    愛情の受け方はそれぞれ違っていて・・・。

    先生達もこれまでの人生があって、
    それぞれに愛し愛される家族がいて、
    主義主張はそれぞれ違っていて・・・。

    そんな当たり前のことを考える。
    考えさせられる。

    城東第三中学校の裏庭で発見された不登校の生徒の死体。
    自殺とされて、平穏を迎えるかに思えた矢先。
    次々と連鎖する不幸な出来事。

    宮部さんの丁寧な人物描写により、
    学校内の複雑な人間関係がリアルに体感。

    果たして本当に自殺なのか?
    自殺だとすれば、理由は?
    柏木卓也は連鎖する出来事を予想していたのか?

  •  大作青春小説『小暮写眞館』の流れを引き継ぎつつも、ミステリーへの帰還をしっかりと果たした作品といったところ。ただし、大作度はより加熱して、重量級の枚数を誇る700ページ超×3作(3部構成)といった驚愕作品。

     『このミス』では2位に輝いたけれど、多くはミステリーそのものよりも、この長大な横綱ばりの力作に舌を巻いた口が多かったのではないだろうか。つまり、ジャンル上はミステリーに分類してみたものの、ぼく自身でもこれはミステリーではなく、社会派青春群像小説ではなかろうか、といった読後の感想を持っているからである。

     事件は、クリスマス・イブの雪の夜に発生した。東京のホワイト・クリスマスというのは確率的にとても少ないのだが、雪の積もった中学校で真夜中に屋上から転落したのは、その学校の二年生男子生徒の一人。

     事件の骨格はこれだけであり、通常なら2000ページ超の大作になることは考えにくいのだが、この事件を発端にして、街の全部を巻き込んだような騒動となってゆくのは、自殺か事件ががわかりにくいことから、疑いのかかる不良生徒たち、真偽のはっきりしない告発文、それらに対応するメディアと、これらに振り回される関係者たちの動きなどなどによるのである。

     青春群像物語と書いたが、主人公たちは中学生たち数名でありながら、事件の巻き起こした波紋が、多彩な登場人物の複雑な相関関係を生み出してゆくので、実際には実に多くの子供たちと大人たちの人生ドラマの集合体みたいな小説でもあるというのが本当のところである。だからこそ、の超大作であるのだ。

     雪の日に幕を開けた事件の模様が、年を越え、告発文とともにメディアに照準を捉えられるあたりから、各方面に飛び火する。悲喜劇と言うだけでは済まされない被害者さえも登場する。

     何よりも中学生たちの心の動きを描ききったところが見事である。教訓めいた語調などはどこにもない代わりに、決して親が教えてくれない種類の試練を彼らは否応なく味わわされる。そしてそれは途轍もなく現実に近いことでもあるのかもしれない。

     人間関係図はさほど複雑ではないものの、キャラクターたちのそれぞれの心の裏側へのアプローチが容易ではない故に、最後には学園法廷といった途方もないアイディアに収斂してゆく。真犯人を追い詰めることではなく、曖昧にされて終息させられてしまった事件のあらゆる陰の部分を明らかにし、それぞれの喉にひっかっかった事ごとを、一つ一つ嚥下しては消化してゆくという作業を行うために、中学生と一部教師の発案による学園法定がにわかに出現することになる。

     厳密な法廷(リーガル)サスペンスは違うものの、読み応えとしては近い部分もあり、読書の醍醐味といったところが、ほぼ全編法廷内に絞られる第III部では味わうことができる。

     事件を解決するミステリーとしては、真相らしきものも、うすらうすらと見えてくる中、さほどの謎解き要素には乏しいものの、群像ドラマとしての個々の心の謎解きプロセスには、相当の読み応えがあると思う。

     実際に手に取れば、ノンストップで読みたくなる楽しみに満ちた作品であり、それは宮部みゆきという作家の腕力によるところが当然ながらほとんどである。

     作家としてのライフワークにすら見えるこのエネルギッシュな力作に、かつての『模倣犯』『火車』などとの共通点を感じ取ることのできる、エポック・メイキングなこの三冊。読書好きを標榜する人ならば絶対に見逃すべきではないだろう。

  • 評判どおりの傑作。各登場人物、中学生、その親、先生、その他の人々の人物造型、心の襞に分け入る心理描写、微に入り細に入る筆致に、たちまち宮部ワールドの虜になってしまった。一中学生の”自殺”から次々と波及する展開に、頁を繰るのももどかしい思いを久しぶりに味わった。

  • 一巻からして読んでも読んでもページが減らず気の遠くなるような長さでしたが、結局一日で読んでしまった。ふー。

    簡潔に言えば、マスコミが一番むかむかする。胸くそ悪い。
    学校も保護者も警察も、そして生徒たちもそれぞれに保身や偽善や姑息さに鼻白んだりイライラすることはあるけど、このマスコミの男には悪意を感じる。

    物語はようやく機が熟したってところです。
    2部に続く。

  • とにかく面白い!最初はこの分厚さで3冊…と少々辟易していましたが、読み始めたらページをめくる指が止まりませんでした。宮部みゆき作品ではこんなに興奮したのは模倣犯以来。少年少女たちが導き出した答えに胸を打たれました。

  • 圧倒的な面白さ。741頁の大著だが、読み始めたら、止まらない。第一部でこんな調子なのだから、続きはどれだけ凄いのか、と期待してしまう。

    舞台の中心は都内の中学校。クリスマスの朝、二年の男子生徒の転落遺体が見つかる。彼は一ヶ月前、不良グループといざこざになり、以降、不登校になっていた。普段の様子から自殺として処理されるが、この死が不幸な連鎖を生む…。

    登場人物は多く、話も多少入り組んでいるはずなのが、書き分けが見事で、ページを戻るようなこともない。この技量はなんなのだろうか。これぞ、小説。重いので、持ち運びが大変なことだけが難(^^)。

  • 読了、89点。

    **
    警視庁に奉職する父を持つ藤野涼子のクラスメイトで、一月前から登校拒否になっていた少年がある雪の日、校内で亡くなっているのが発見された。
    警察が調べた結果自殺であると判断されるが数週間後涼子の元にあの事件は殺人事件であったと犯人を名指しで告発する手紙が届く。
    その後もこの中学校を舞台に様々な事件が起こるが…
    **

    本当に久々の、10年ぶりぐらいの宮部作品です。
    これを読んでいる現在、すでに第三部まで発売されており、いくつかのキーワードだけが聞こえてきておりますが、ここからそのキーワードの部分へどう話を展開させていくのかが一番気になる部分になっています。
    この部分がどうなるかでこの作品の評価が最終的に決まると感じていますが、それでもこの作品が去年発刊されたミステリの中でトップを争う出来だと今の段階で断言出来るほどの出来だと思います。

    小説のスタイルは多数の登場人物の三人称視点でエピソードが少しずつ進みながら、いろんな視点から同じ事件を眺めていく、僕の好きなスタイル。それも見ている人間によって大きく様変わりして行く様は非常に心踊らされます。

    登場人物に対する僕の感情はかなり偏った部分が多く、このキャラが平穏に暮らしていい訳がない、とそんな風に思いながら読み進めましたが、そういうキャラクターが少しずつ悪い方向へ悪い方向へ沈んでいくのを読まされている印象。

    またこれらの展開がしっかり事件の核になる部分と繋がりながら進んでいくのも非常にうまくかけていると感じてしまいました。


    読みながら気になった、印象に残ってる部分が多々ありますが、
    その中で一つ挙げるとすれば、告発文書が社会的に発覚してからの保護者集会のシーン。
    ここに至るまでの展開で、読者だけが確実に知っているある事情で学校に同情する部分があるし、それまでの校長や少年課婦人警官の奮闘を追いかけて来ているので、何も考えずに読むと心情は学校寄りになってしまいました。そして校長たちを何も知らずに詰る保護者らしき人物に対してなんでそこまで言えるんだろうと。
    ただじっくり考えてみると、自分の子供がその学校にいて、そこに悪名高い悪ガキがいて次は自分の子供が悪さをされるかも知れない、とそういう心境の時に親の立場になれば冷静でいられるのか
    そういう風にじっくり考えさせられるシーンが非常に多い小説だったのもこう評価したい理由です。


    早く第Ⅱ部が読みたいです。

  • やっぱり宮部作品は長編であればあるほどおもしろい。人物描写が丁寧で、ぐんぐん引き込まれる。一つの単純な(最初はそう結論づけられた)事件で、たくさんの人の人生が変わってゆく。人間の本性が出てくるというべきか。「私には関係ない」と傍観を決め込むこともできるけど、それより立ち上がろうとする涼子はすごい。とにかくこの事件がどうなっていくのか。早く続きを読みたい。

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ソロモンの偽証 第I部 事件の作品紹介

クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。けど、噂は強力で、気がつけばあたしたちみんな、それに加担していた。そして、その悪意ある風評は、目撃者を名乗る、匿名の告発状を産み落とした-。新たな殺人計画。マスコミの過剰な報道。狂おしい嫉妬による異常行動。そして犠牲者が一人、また一人。学校は汚された。ことごとく無力な大人たちにはもう、任せておけない。学校に仕掛けられた史上最強のミステリー。

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