- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103750130
作品紹介・あらすじ
小説史に類を見ない、息を呑む大仕掛け。そこまでやるか、ミヤベ魔術! それは亡者たちの声? それとも心の扉が軋む音? 正体不明の悪意が怪しい囁きと化して、かけがえのない人々を蝕み始めていた。目鼻を持たぬ仮面に怯え続ける青年は、恐怖の果てにひとりの少年をつくった。悪が幾重にも憑依した一族の救世主に、この少年はなりうるのか――。21世紀最強のサイコ&ミステリー、ここに降臨!
感想・レビュー・書評
-
徳川六代将軍の頃。
北見藩では、美貌の青年藩主・重興が、突然隠居を強いられるという事件が起きた。
元作事方組頭、各務数右衛門の娘、多紀は、重興のお守り役として、重興がいる、歴代の藩主が寛ぐ別邸、五香苑へ連れてこられた。
重興が押し込められた座敷牢から、夜な夜な奇怪な声が聞こえる。
16年前の忌まわしい出来事。その事件で命を落とした亡者たちの叫びなのだろうか。
(下)に続く。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初は、表紙の裏にある人物相関図に戻り戻り、読んでいたが、人物の名前と関係が頭に入ってくる頃になると話もどんどん面白くなっていった
北見藩 若き6代目藩主重興が乱心ゆえ主君押込にあい、五香苑の座敷牢に閉じ込められてしまう
夜な夜な聞こえる子供と女の声
重興の重用を受けて、御用人頭に登りつめていた伊東成孝の口から明かされる16年前の凶事、御霊繰の技を持つ繰屋が根切りにされ、出土村が燃やされ消えてしまった事実
座敷牢から聞こえる不穏な声は、重興に取り憑いた亡者の叫びだと言う
なぜ亡者が重興に取り憑いているのか
神鏡湖から出てきた子供のシャレコウベ
あちこちで行方知れずになった男の子の事件とどう結びつくのか
次から次へと畳み掛けるように新たな問題が提示され、読者をてんてこ舞いにさせる
その中で少しだけ読者にも解決の糸口が見えてきたことがある
名代の名君として亡き後も今望候・大殿と慕われている成興(重興の父) の陰の顔があるらしい
隠居した元江戸家老 石野織部や重興の主治医の白田登、多紀の従弟の田島半十郎、女中のお鈴などのキャラクターが際立っていていい
全ては下巻で明らかにされるだろう
-
感想は下巻で。
時代小説なのに、帯に「サイコ」だの「ヒーロー」だの書くのは普通なの? -
宮部みゆきの最新刊。図書館で手に入れるまで足掛け2年をかけたが、宮部みゆきならば直ぐに予約が何十人も重なるので、まだ早い方かもしれない。今回は上・下二巻なので、借りる方も二の足を踏んでいるのかもしれない。
上巻は、どうやら導入部のようだ。ほとんどの「謎」は、解かれゆくのを待っている。新九郎(伊東成孝)の一族の村を根切りした理由、その首謀者。それに御霊繰はどう関わっているのか。重興の「症状」は、果たしてあの「病気」なのか、それとも他に理由があるのか。
そして、おそらくこの後現れてくる「謎」もあると、私は「踏んで」いる。表紙の2人の主人公(重興と多紀)の背後に、下野北見二万石、この藩特有という落雷する山々が描かれている。また、雷の火で出火し「おんど様の大火」で孤児になった女中「お鈴」の活躍は、まだ上巻では見られない。しかし、編集者が作ったと思われる人物相関図では、主要登場人物6人の中に入っているのだ。新九郎も、成興も、脇坂勝隆も入らず、なぜお鈴がフィーチャーされているのか?「雷」がキーワードになると思われるが、まだその雰囲気はない。16年前に連続神隠しに遭った子供たちの「謎」もまだ明らかにされていないが、それと関係あるのか?池から見つかったしゃれこうべはどう関わるのか?
総ては下巻である。ちょっと速く読みすぎた。「つづき」を手に取るのはもう少し後になる。
初出「週刊新潮」2015.8.13・20日号ー2017.3.30日号。
2019年1月読了 -
苦手な時代物だったがお借りしたので読んでみることに。
宮部先生は大好きだが、時代物だけは敬遠していた(^_^;)
そこはさすがの宮部先生。
単なる時代小説とはアプローチが違う。
憑き物なのか?多重人格なのか?
物語はどう展開するのか?
散りばめられた伏線はこの先どのように回収されるのか?
期待大のまま下巻へ!!-
この作品(この世の春)は未読ですが、、、、
宮部さんの時代物、ちゃぁんとどれも面白いですよ。
「宮部さんは好きだけど、時代物はちょっ...この作品(この世の春)は未読ですが、、、、
宮部さんの時代物、ちゃぁんとどれも面白いですよ。
「宮部さんは好きだけど、時代物はちょっと」という気持ち、自分も同じだったのでよくわかります。その上での、おすすめをば、勝手に書かせていただきます。何なの参考にでもなれば、と・・・・。
「ぼんくら」
人気シリーズの1作目。
時代劇版の警察小説 + 宮部流の人情話
「霊験お初捕り物控」
同じく時代劇版警察小説 + 宮部流超能力ものの系統(「龍は眠る」とかの一連のやつ)
2017/11/20 -
おすすめ頂きありがとうございますm(__)m
そうですね、食わず嫌いしていた感もありました。
最近は読書慣れしてきたので、また手に取る機...おすすめ頂きありがとうございますm(__)m
そうですね、食わず嫌いしていた感もありました。
最近は読書慣れしてきたので、また手に取る機会があれば読んでみたいと思います(*^^*)
ありがとうございました。2017/11/20
-
-
ある夜、北見藩で藩主重興が乱心を理由に強制隠居となり専横ぶりが目立った御用人頭の伊藤家が排除される変事があった。同夜、隠居していた多紀の父の元へ伊藤家の幼子が助けを求めにやって来た。父と伊藤家にはどんな関係があったのか?と疑問に思っているうちにある理由で重興の乱心の原因を解き明かそうとする人々の元に導かれる。乱心の原因は亡霊が取り憑いているという新九郎説か。白田医師の多重人格説か。16年前に起きた繰屋の村の殲滅に隠れた何かが関わってくるのか。色々な方向に広がる謎が魅力的でどうまとまっていくのか先が気になる。あと普段の生活とかしっかり描かれていて登場人物が皆生き生きしているのが流石の宮部さんだ。
-
時代物なので仕方ないけど 漢字と言葉が難しくて大変でした。けど一気に上巻を読み終えたけど怖いところで終ってて早く下巻を読みたくなりました。
-
江戸時代版の多重人格ものミステリ。ダニエル・キイス『24人のビリー・ミリガン』” The Minds of Billy Milligan”を思い出した。24人も出てはこないが上巻では格を含む4人格の存在が語られる。
-
藩主・北見重興は、病重篤につき隠居。
ただ、病重篤には理由があり
重興の隠居は乱心によるための押込(強制的に監禁する)だった。
北見藩が抱える闇に少し戸惑いもあった上巻。
下巻に続く。 -
さすがの宮部みゆき。
一文一文大事に読もうと思うのに、面白くて一気に読んでしまった。
登場人物が皆、味があり優しく力強く魅力的だ。
序盤から息をつかせぬ展開に、読者は物語の世界に引っ張られる。
が、後半、今の時代でいうところのアレってこと?と感じさせる解釈が多く、少し凡庸に感じてしまった。
下巻はどうなるのだろう。 -
やはり、宮部みゆきの世界に引き込まれました。ゆっくりゆっくり謎を解いていきます。一つ解けたかと思うと、また謎が現れて…の繰り返し。お館様の内にいるのは、果たして何者なのか。下巻へと続く。
-
2023.8.27 読了
藩主さまである北見重興が
乱心であるということで、
主君押込になり、隠居させられる。
北見家に関わりのある 多紀、
引退した 元家老の石野、
主治医である 白田医師など
みんなで 藩主の乱心の理由を探る。
徐々に 重興の病状?も 明らかになり、
手がかりの一端も見えてくる。。。
どうなるのか??
面白く読んでます!
-
久々の宮部ワールド、堪能した!
設定が江戸時代だからこその不思議、謎解き。
読み始めたら止まらなく、1日で一気読みした。
詳しい感想は下巻にて。 -
読み終わったの結構前なんですが、下巻まで読んでから書こうかなあと思ってたら書きそびれそうだったので…(現時点で下巻読み切れてない…)
時代物はあんまり得意じゃないのもあって宮部さんの小説も読めてないものが多いんですが、装画担当が好きなイラストレーターさんだったので手に取りました。
途中までは憑きものとか怪奇的展開なのかなとか思ってたらどうも様子が違ってきて、そうくるんだ!?みたいな驚きがありました。
登場人物がみんな魅力的で読んでいて楽しいです。時代物に付きものな漢字の多い役職もカバーについていた人物相関図に助けられました。
下巻も落ち着いて時間をとって読みたいです! -
同じ著者の『模倣犯』は、読み進めるのが怖くて、でも読まずにはいられなくて、読み終わって長い間(…今でも…)読んだことを後悔し、苦しめられた小説でした。
もしかしたら、この本もそうなのかもしれない。真実を知るのが、怖いです。 -
すごいとこで終わってる……感想は下巻にて。
-
藩主の押し込め。村の凄惨な過去。過去に起こった神隠し。湖から・・・。ん、そういうことなの?な上巻。
-
感想は下巻で
[図書館・初読・10月28日読了] -
いわゆる多重人格を怨霊や呪いなどで表現してみた時代物というところか。それを「人格交代」と呼び、幼子になったり獰猛な人間になったり、妖しい女になったりする北見元藩主重興。救いの手を差し伸べる運命の娘、多紀や周囲の者たち。4人の行方不明になった男子の事件も絡め、闇のある怪しき物語が描かれている。伏線が結構あり、ミステリー要素があるので勢いがあって続きが楽しみになる展開だった。
-
重興に霊がとりついているのかと思いきやの
多重人格。
う~ん、設定は時代物でも現代のミステリーと
なんら変わらず、ただ難しい言葉が多く
ちょっと読みにくいのは否めないが
男児の連続誘拐事件もあり。
これがどう絡んでくるのか
後半が楽しみ。
重興の事よりも
私的には半十郎の多紀への思いの方が
ぐっときてしまった。
真面目で熱く、しかも剣の達人。
いいキャラだわ。 -
『重興様についているのは、三人の死霊』という展開から一転、男の子の名前がわかり、「なんだ違うじゃないの!新九郎の話をうのみにしてたよ!」と驚くころにはすっかり物語に引き込まれていました。
その物語が進むと同時にすべての登場人物についても細やかに描かれます…さすがでございます。
良い方向に進むと思いきや!…と早く読みたいとはやる気持ちで下巻に続く。 -
宮部みゆきの時代小説はやっぱり面白い!
最初はちょっと読み難いかな?とも思ったのですが、物語の舞台が五香苑に移ってからはグイグイと物語に引き込まれてあっという間に読み終わりました。
上巻の終わり方もまた絶妙。
心理学を少し勉強したことがあるので、重興の病に対して藩医が「多重人格」というアプローチをかけようとしてるのかなぁと思われるのがまた面白く…
続きがとっても気になります。
-
上巻読了。
重興様の“病”の裏には、とてつもない闇が隠されている模様・・・。
これから何が明らかになるのか、期待を抱きつつ、下巻へ。 -
時代小説でこうくるとはー!!!
さすが、大御所ミヤベさん・・・まいりました!ww
いやーもう、息をもつかせぬ展開で・・・
ガンガン、続きも読まなくちゃー!www -
時代ものかと思ったら、題材は医療、ジェンダー、親子関係etcですごく現代的だった。宮部みゆきさんの作品ひさびさに読んだけどやっぱおもしろいな。
-
現代では名前がつき、説明できてしまうことでも、知識のなかった時代はどうだったのか。手探りで、ひとつひとつ確かめ、受け止めていく。困惑しつつも、まっすぐ向き合い、あたたかく支える、まわりの姿にジーンとくる。本人の苦悩も、痛いほど伝わる。前を向いて歩みだしてからは、共に応援したくなる。
前半がスローテンポで、やや冗長な気も。 -
藩主押込の事件が起きた北見藩。その押込された藩主を幽閉している五香苑で物語は進んでいきます。押込というクーデターの原因は、重興の乱心。彼がなぜそのような行状になったのか、と探っていく人々。
上巻は重興の乱心が多重人格だということがわかり始めたところで終わります。江戸時代の話なので、多重人格なんて言葉はないのですが。
じゃあ、重興が多重人格を作り上げてしまった源は何なのか?それを取り除くことができるのか?が下巻・物語の肝なんでしょう。
おそらく父親の裏の顔が原因じゃないかなぁとは思っていますが。
名君として名高い父親の成興。表の顔とは別人の顔。おそらく倒錯した性的嗜好があったんじゃないかな、と思います。
虐待を受けて育った重興を、多紀をはじめとする五香苑の面々が再生していく物語、なのかな。
さて、下巻読むとしますか。 -
押込(おしこめ)/囚人(めしゅうど)/亡霊/呪縛/暗雲/因果
青年藩主に隠居を強いる変事に巻き込まれた多紀。自らの行く道を見定め、その時々に必要と思える事を成して行く。五香苑に集められた人々と共に