カデナ

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著者 : 池澤夏樹
  • 新潮社 (2009年10月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103753070

カデナの感想・レビュー・書評

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  • 爆弾を落とせば、人が死ぬ。そんな当たり前のことが忘れ去られることがある。あるいは、忘れたふりをされることがある。
    できることなら誰も死なないほうがいい。でも、たとえば死ぬのが他の国の人だったら、目の前にいる人でなかったら、人は爆弾を落とせば死ぬという当たり前の事実に目をつぶって、どこまでも残酷になることができる。
    また、その一方で、誰も死なないほうがいいという思いのもとに、会ったこともない人たちを助けようと危険をおかす人がいる。そして、爆弾を落とす任務に恐怖する人も。
    相手の立場に立てる想像力と、相手を信頼する心。その二つがあれば戦争など無くなるはずなのに、それがいまだ人類には難しいようだ。核による威嚇など、自分の首を絞めるようなものなのに。

  • 沖縄に引っ越したのを機に、知人に勧めてもらっとこともあって手に取りました。
    学生の頃の平和教育以来、いわゆる戦争ものは避けてきました。自分の中で受け止めきれず。それを誰かが現在進行形で受け止めているのですが。。
    この作品はそんな私でも読み切れました。感想はうまく言葉にできないけれど、沖縄に生きるということのイメージを少しだけ掴んだ気がします。

  • 現実の生活の中に基地がある沖縄。そのことについて目を背け続けていた自分自身に気が付いて愕然とする。
    ここに暮らしているのは「私」であり、大切な「あなた」だ。
    戦争と平和。生きるということについて考えさせられる。心に深く刻まれた一冊。
    (内田樹さん推薦本)

  • 池澤夏樹は好きで、過去の作品は結構読んだ。個人的には「ハワイイ紀行」なんか好き。けど、小説は元々そんなに作品数が多い人では無いので、しばらく手に取っておらず。これは出てすぐ手に入れたけど、何となく読まずに置きっぱなしだった一冊。
    最近はどうも上段に構えた戦争物が多い気がするけど、僕はこう言う方が性に合うみたい。淡々と、そして池沢作品に共通する救いがあるのが良い。派手な盛り上がりには欠ける文章だけど、添い寝するみたいに読めるから。
    最後、主人公の男の子に、若き日の大工哲弘の面影を見いだした。北海道出身ながら10年以上沖縄に住んでいたこの人のウチナー愛、かな?

  • 1968年の夏、沖縄嘉手納基地を舞台に四人がベトナム戦争に関わっていくスパイ活動。
    戦争にはいろいろな形があり、受け止め方にもいろいろな形があるのだと改めて感じた。
    淡々と、そして確かな筆致は池澤夏樹ならでは。

  • テーマと設定が面白い。沖縄に住んだ経験も活きているのだろう。サイパンがこうであったのか?改めて知ることも多かった。

  • 2013/12/31 淡々としながらも虚無感がそこはかとなく感じられる本でした。沖縄、サイパン 戦地だったことを思い出しました。

  • これはベトナム反戦の話であり、家族の話なんだなと思った。

    朝栄さん、阿南さん、タカ、フリーダ。

    4人の持つバックグランドはまったく違うけど、危険な任務の遂行に向かわせる動機は、多くの人の命を救いたいだけではなく、それぞれの家族に対する思いにあったんじゃないかな。

    だからパトリックとフリーダには家族になって欲しかったな。
    何年か後に打ち明けて、許しあって。

  • ベトナム戦争当時の沖縄。米国兵相手に模型店を営む嘉手苅朝栄、空軍基地で働くフィリピンで米国人とフィリピン人の間に生まれたフリーダ曹長、軍人相手のロックバンドでドラムを叩くタカ。三人はベトナム人「阿南さん」の指示のもと、それぞれの反戦活動を行うことになる。
    沖縄的なのんびり感、戦争の現実、日本への返還、基地への反感——、などが暖かさと調和を持って描かれる不思議な小説。まあまあ面白かった。

  • 池澤夏樹初めて,時代の空気が感じられるとてもよい小説だった.

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カデナの作品紹介

1968年夏。沖縄、アメリカ、ハノイ。フィリピンに生まれ、カデナの米軍に勤務する女性曹長フリーダ。サイパンで両親と兄を喪い、沖縄で一人戦後を生き抜いてきた朝栄。朝栄夫妻にかわいがられ、地元のロックバンドで活躍する青年タカ。朝栄のサイパン時代の旧友で、那覇で再会するベトナム人安南さん。-4人は、カデナ基地からの北爆情報を刻々とベトナムに伝える「スパイ」となる。だがそれはフリーダにとって、B‐52機長である恋人の大尉、パトリックを裏切る行為でもあった…。

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