カデナ

著者 :
  • 新潮社
3.91
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本棚登録 : 240
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103753070

感想・レビュー・書評

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  • なかなか入り込めずダラダラ読んで、最後の方にちょっと面白くなってきた。やっているミッションはかなり緊迫感のあるものだけど、淡々と語られている。最後の方はちょっとやりきれない。

  • 沖縄に引っ越したのを機に、知人に勧めてもらっとこともあって手に取りました。
    学生の頃の平和教育以来、いわゆる戦争ものは避けてきました。自分の中で受け止めきれず。それを誰かが現在進行形で受け止めているのですが。。
    この作品はそんな私でも読み切れました。感想はうまく言葉にできないけれど、沖縄に生きるということのイメージを少しだけ掴んだ気がします。

  • 2013/12/31 淡々としながらも虚無感がそこはかとなく感じられる本でした。沖縄、サイパン 戦地だったことを思い出しました。

  • ベトナム戦争当時の沖縄。米国兵相手に模型店を営む嘉手苅朝栄、空軍基地で働くフィリピンで米国人とフィリピン人の間に生まれたフリーダ曹長、軍人相手のロックバンドでドラムを叩くタカ。三人はベトナム人「阿南さん」の指示のもと、それぞれの反戦活動を行うことになる。
    沖縄的なのんびり感、戦争の現実、日本への返還、基地への反感——、などが暖かさと調和を持って描かれる不思議な小説。まあまあ面白かった。

  • ベトナム戦争時の沖縄を描いた作品。沖縄に住むサイパン出身の男性と基地に勤めるアメリカとフィリピンのハーフの若い女性の目を通して語られる。

    途中でもういいかな〜と思ったけれど、『ジェノサイド』的な戦争の本質に迫るところや、沖縄の人独特の考え方(どこが自分の所属する場所か? 結局人とのつながりだけ、というような)が描かれたところは重しろかった。

    最後の長い説明はいらないような…

  • 今になって振り返ってみると、ぜんぶはパトリックがあのバカみたいに大きなB-52に乗ってカデナに来たとこるから始まった。

  • ベトナム戦争当時の沖縄の嘉手納基地周辺の人々を題材にしたお話。3人の主人公の出来事が交互に語られ、交差していき、最後にぴったり…。登場人物自らが語る形式や空気が、もろ池澤夏樹です。

  • さすが池澤ワールド。
    おもしろかった。
    太平洋戦争からベトナム戦争へ。
    アジアとアメリカ…
    戦争で傷を受けた人たちの勇気ある抵抗は…

  • 2010.04.22. 書架で「カデナ」というタイトルを見た時、女の子の名前かな?と思った私はばかだ。ベトナム戦争時、沖縄嘉手納が舞台の小説でした。語り手を変えて続く物語は、戦争に肉薄してるわけじゃないけれど、これが沖縄の基地というものなんだなと感じられた。誰もがそれぞれの事情を抱えていて、でもそれを全部誰かに話して預けきってしまうんじゃない。それにしても、池澤さんの描く女性は、強いところと弱いところを併せ持つ芯のしっかりした人が多いなあ。

  • 『花を運ぶ妹』以降のリアル社会派路線の中ではそう悪くもないけれど、すごく面白いというわけでもなかった。大量の資料を綿密に読み込んで、本当にそんな人物があの時代にいたかのように、すごくリアルに人物が創造されているが、物語的にはあまり大きなアップダウンもなく、劇的な緊張感には乏しい。マシアス・ギリ以前の作品のようなファンタスティックな世界をもう一度描いてもらいたいが難しいのだろうか。短編なら「きみのためのバラ」とかは良かったけれど。

著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2020年 『【一括購入特典つき】池澤夏樹=個人編集 日本文学全集【全30巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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