双頭の船

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103753087

作品紹介・あらすじ

失恋目前のトモヒロが乗り込んだ瀬戸内の小さなフェリーは、傷ついたすべての人びとを乗せて拡大する不思議な「方舟」だった。船は中古自転車を積みこみながら北へと向かい、被災地の港に停泊する。200人のボランティア、100匹の犬、猫や小鳥、「亡命者」-。やがて船上に仮設住宅が建ち、新しい街と新しい家族が誕生し…。希望を手離すまいという強い意思にみちた痛快な航海記。

感想・レビュー・書評

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  • 小さなフェリーしまなみ8がボランティアと中古自転車を乗せて北の被災地へ向かう。その自転車を修理する事が主人公の仕事。船が必要に応じて大きくなり育っていくのが一番不思議。

  • 大人の童話
    面白かった。

  • ファンタジックであっちとこっちを行き来するような浮遊感ある話だった。始終登場人物が優しくて話そのものは好きだ。ただやっぱり、震災は文学になんないよ。池澤夏樹が書くからいいってだけで。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「震災は文学になんないよ。」
      書かずにはおれないのかも、、、
      「震災は文学になんないよ。」
      書かずにはおれないのかも、、、
      2014/04/17
    • あずきさん
      猫丸さん
      コメントありがとうございます。
      そうですね、書かずにはおれんのですよねきっと。私は被災者ではないですが、被災地をふらふら歩いて...
      猫丸さん
      コメントありがとうございます。
      そうですね、書かずにはおれんのですよねきっと。私は被災者ではないですが、被災地をふらふら歩いてると、震災が文学になることに何だか違和感があるのです。うまく言えませんね。
      2014/05/24
  • 人間は想像力を持つ生き物です
    それだからこそ
    ついつい 自分にとって便利なものを作ってきた
    それだからこそ
    ついつい 地球から見ると傲慢になってしまった
    それだからこそ
    これからのこと を 考え、思い、行動する存在でありたい

    そんなことを ゆったり考えさせてもらった一冊でした

  • 池澤夏樹『双頭の船』刊行記念対談 池澤夏樹氏×高橋源一郎氏トークショー開催! | 東京堂書店 最新情報
    http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=4603

    開催日時:3月5日(火)18:30~(開場18:00)
    開催場所:神田神保町店6階東京堂ホール
    参加方法:参加費500円(要予約)店頭または電話・メール(shoten@tokyodo-web.co.jp)にて、件名「池澤さん高橋さんイベント参加希望」とお申し出いただき、お名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。イベント当日と前日は、お電話にてお問い合わせください。
    電話 03-3291-5181

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    「生き残った者も、生きられなかった者も――。失恋目前のトモヒロが乗り込んだ小さな双頭のフェリーは、傷ついたすべての者を乗せて拡大する不思議な「方舟」だった。船は北へと向かい、やがてそれは町となり……。鎮魂と再生への祈りをこめた痛快な航海記。」

  • 久しぶりの池澤夏樹のマジックリアリズムの小説。
    癒やしを感じる素晴らしい一冊だ。
    僕も気仙沼の夜に、ミズスマシのように動きまわるフォークリフトを見て、あの世との境界が薄れているのを強く感じた。

  • 海を取り巻く不思議な話。
    津波後の再生に関するようでいて独特のストーリー。
    出てくる登場人物が個性的。
    航海記であるが、どんどんと状況が移り変わる。

  • ☆頭でっかちな小説

  • 震災ファンタジー…いつかは世に出るとは思っていたが私にはまだ読む覚悟がなかった、しかし何気なく手に取った一冊がそうであったとは。
    乗り掛かった船と読んでみたのだがやはり後味が悪い、そう時期尚早と言うよりも作り込みが良くないのだ。
    吉里吉里人の井上先生なら東北繋がりでいいと思ったのかモチーフは明らかにひょっこりひょうたん島でそこに遠野物語をくっつけて舞台の船名は安部公房氏の方舟から持って来ちゃえではあまりにも乱暴ではないか?
    表現者としての使命感かどうかは知らないが当事者でない以上もっとデリケートに扱うべきだろう、苦しんでいる人がまだそこにいる

  • こちらで教えて頂いた本

    船旅で読みました^^
    最初っから、熊?! え? なんで?? 
    そして、えぇぇぇ!!会ったばかりでその展開?!って
    ファンタジーに慣れていない私には驚きの始まりでしたが
    身近な土地の名前や、今から訪れる土地を思い描くようなストーリー展開に引き込まれていました

    さくら号がたくさんの人で賑わっている光景
    だけど、それは大切な人を亡くした人たちに見えている光景
    時間とともに気持ちが落ち着き、きっかけとともに旅立って行く人たち・・・  それを送る人たちの気持ちが切なくて(>_<)
    つい数日前に自分が訪れた土地での光景が
    近代的だったのを思い出してしまいました

    そこに暮らす多くの人が船で暮らす人たちと同じような気持ちで過ごし
    そして、そんな気持ちを希望にかえているんだと思うと
    パワーをもらえる1冊になりました

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著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2020年 『【一括購入特典つき】池澤夏樹=個人編集 日本文学全集【全30巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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