エンジン/ENGINE

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著者 : 矢作俊彦
  • 新潮社 (2011年5月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103775065

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エンジン/ENGINEの感想・レビュー・書評

  • 矢作俊彦、いつ以来やろ。前に何を読んだか忘れたぐらいに久々。
    本作は一言でいいづらい、主人公が警察官なんで警察小説とも言えるし、ハードボイルドとも言えるし、スパイ系国際冒険活劇とも言える、まぁそういう大藪晴彦系の小説。

    この小説の核心は、なんといってもヒロインのズバ抜けて強くてセクシーでカッチョ良さをどう味わうかである。所謂ファム・ファタール的な男どもに不幸をもたらす系の美女なんだけど、存在が不幸をもたらすとか美女すぎて周りがほっとかないとか、そういう受身形の不幸じゃないのである。携えた武器・凶器(即ち拳銃、ナイフ、火薬、薬品、高級乗用車、身体、美貌)を振りかざして、不幸をまき散らすのである。

    主人公がどんなにヤサぐれても、頑張っても、ヒロインに振り回されてる姿は滑稽さと悲惨さを醸し出す、公安や警察やロシアマフィアや中国ヤクザがどんなに頑張っても、ヒロイン1人になぎ倒されていく。その暴力には怖さや悲惨さを超えて、いっそすがすがしいものを感じる。

    カーアクションシーンを筆頭に、活劇部分のスピーディーさや手に汗感も上手くて、ページ繰る手が止まらなくなるけど、それらも全て圧倒的なヒロインを味わう箸休めにすぎないように感じてしまう。

    筆が走りすぎるのか、時々読みづらくてひっかかる文章や、そぐわない比喩とかも出てくる荒削りな部分もあるが、圧倒的な存在感のヒロインに引きずられてそんなことも気にならない力強い娯楽小説である。

  • 久しぶりの、難しいことも、めんどくさいことも抜きの矢作俊彦。信者としてはなんでもok

  •  ファム・ファタールというより、殺戮の天使と呼びたいようなヒットウーマンを追いかける刑事の運命。

     とにかく面白い。すべてのページにハイテンポなアクションが詰まっている感じで止まらない。

     矢作ソロ作品で、しかもおちゃらけないハードボイルドが、ここ数年定期的に出版されているので、毎年、このミスのトップが矢作になってしまう。そんな依怙贔屓はダメとは知りながら、やはり圧倒的に矢作のカリスマぶりに惹かれるのである。

     毒をいっぱい持っているのに、コアな部分が少年のようなピュアな騎士道精神であったりするところがやっぱり他を圧倒しているような気がするのだ。

     失われて久しいダンディズムが頼もしい限りだ。

     物語が破綻を繰り広げ、登場人物がどんどん滅び去ってゆく気配のなか、バイオレンスが迫力を増し、情念や虚無が去来する。アジアンな黒い夜の中を、溶け出すような精神を引きずりながら、刑事はそのすべてを殺戮の天使への盲目的な恋に捧げてゆく。

     大がかりな銃撃シーンと爆破シーンがいつもの矢作とは違う気配を醸し出すけれど、破滅の美学は今日も健全だ。かつていくつもの破滅のノワールを作り出していた矢作というハードボイルド・ライティング・マシーンが、大人の成熟に余裕のエンターテインメント風味で語り綴ってゆく、文句なし、唯一無二の活劇ロマンなのである。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2012.10.27読了

    それなりに楽に読めるが、作者の他の作品に比べると、かなり物足りない。
    ましてや、大藪作品とは。

    車雑誌の連載ということで、カーアクションの描写が多いが、そこが今ひとつ状況が立ち上がって来ないのが、痛い。でも、さすがに矢作節は健在で、ハードボイルド好きには、好感が持てる。

  • 印象に残らない

  • おそろしく暴力的で魅力的な話でした。、

  • すごく綺麗で、コントロールできない殺し屋の女性と、刑事崩れのアウトローな主人公…最後の結論まで、イマイチ入り込めず。ハードボイルドはあんまり興味ない…

  • 情景の描写がよくわからない。
    オレよく最後まで読んだな(^_^;

  • 2011/9/8購入
    2011/9/20読了

  • 単著としては2011年の夏の時点での最新作。もちろん、十分に楽しめるのだが、『ららら科學の子』『THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ』『傷だらけの天使』と、近年は人間業とは思えないほど矢継ぎ早に凄まじい傑作が放たれていたので、それらと比べると筋立てもセンテンスも捻りがなく物足りない、などと言ってはエンターテインメント小説の巨人に失礼だろうか。皮肉や反語が公共の言論から姿を消している現在にあっては、あまりにも貴重な存在であることに変わりはない。何度も言う、「出来映えと売り上げが比例するなどとは夢にも思わないが、それにしたって、なぜ矢作俊彦の小説は売れないのだろうか。こんなに面白いのに」。トマス・ピンチョンの『V.』を意識しているのかどうかが今一つわからなかったので、今は『V.』を読んでいる。

  • 高級外車窃盗団を追う築地署の刑事・游二の前に、その女は立ちふさがった。ティファニーのショウウインドーに30カービン弾をぶちこみ、消えた女。無垢な少女の微笑と、妖艶な獣の哄笑を残して…。魔に取り憑かれたかのように、彼は女を追い始める。そして次々に起こる凄惨な殺しと爆破事件。謎が謎を呼び、事態は一気に緊迫の局面へ。

    ロシア系マフィアが高級外車を盗む、銀座で張り込み。
    近くにV8のエンジン音。ティファニーの前に立ち、銃を放つ。
    ピアスを盗んで逃げた。「警察だ!」銃を撃ってきた。かろうじてかわす。
    張り込み車に戻ると茂原(実は内偵。公安?)が喉を切られていた。
    ネタ元の男を捜す。テディー・ベア(実はムーシカ。元KGB)に会う・
    フーは殺されていた。
    フーの雇い主達も、次々に女に殺されていく。
    逃げられ、車に戻る。人気のないところで、後ろに隠れていた女が抱きついてくる。ガスをかがされてゴーチンされた。
    車の受け取り場所は、新潟。新潟で銃撃戦。東京に女が逃げる。
    関越、18号線、猿ヶ京でカーチェース。崖に落ちた女の車には何もない
    冷蔵庫を鉛で塞いでいた。
    東京の別れた妻の家に行くと、殺されていた。やったのは女。
    フェリーで車を沖縄に運ぶことが判明。鹿児島で乗れる。新幹線で博多。
    漫画キッサで車のキーを盗む。
    沖縄で追跡。朽ちたホテルに車が止まる。
    ムーシカから携帯がなる。待ち伏せすると現れたのはテディ。
    女は昔の仲間。中国系ロシア人。子供一人政策で親に捨てられた。
    幼少の頃から殺人にしたてられた。
    テディは女に撃たれ、二人の上にはフェリ。二人で逃げようとする。
    女の視線が一瞬、自分から外れた。女を撃った。
    自分も撃たれた感覚。
    女は人を殺してなりすます。
    中国マフィアの金庫ビルをドル紙幣にしみこませた薬品を爆薬。
    携帯から出る電波で反応。
    遊二は、女のターゲットをやるための餌。だから撃たれなかった。

  • クルマ、銃器、道路(ドライブ)、といった大藪春彦的アイテムがそこここに散りばめられた、まさに、「マッチョ」的なハード・ボイルド。
    さらに、チャンドラー的なセンチメンタリズムも。うーん、その点が甘いと言われればそれまでだが、それが著者の持ち味でもある。
    健在なり、”ダディ・グース”。

  • 矢作俊彦の小説は、作者名をブラインドにしても、それとわかる。そういう作家は何人もいない。で、中身は兎も角、この小説が雑誌ENGINEに連載されてたのって6〜7年前だっけ?。どうして、また今頃になるまで単行本化されなかったのか、そっちのほうが気にかかります。

  • よくよく表紙を見るとピストルを持っているのは服を着ていない女性です。電車で読むときはカバーをつけましょう。この物語、これでもかと言うくらい人が死んでいきます。昔の角川だったら映画化しようと思うだろうな。カーチェイスも派手だし。著者の矢作さんは大藪春彦を目指しているようですが、そんな感じです。

  • 司城氏との共作は既読でしたが、実は矢作氏の
    単独の作品を読むのが今作が初めてでした。
    オビの「著者渾身の傑作! 銃弾で描いた狂恋」...
    なんて書かれたらそりゃ、期待は大だったんですが...。

    すみません...自分には合わなかったです。
    350Pだったんですが4日間もかかってしまった...。
    なぜか頭に入ってこないし、情景は全く浮かんで
    こないんです。さらには主人公の「游二」や彼が
    追われ、そして追う謎の女にも何故か人間的な
    温度を全く感じられずに、正直、事件そのものに
    興味も持てずに惰性で読んでしまいました...。
    ツマラないんではなくて、合わなかった...んでしょうね。
    すみませんです...orz

    高級外車窃盗団を追う築地署の刑事・游二の前に、
    その女は立ちふさがった。ティファニーの
    ショウウインドーに.30カービン弾をぶちこみ、消えた女。
    魔に取り憑かれたかのように、彼は女を追い始める。
    宝石店襲撃、刑事殺し、高級車炎上、ビル爆破……
    息もつかせぬ緊迫の展開。
    と、上記あらすじ抜粋です! 面白ろそうなんだよなー!!
    むー。

  • 著者久々のアクションで文句なく楽しめる。凶暴な美貌のヒットマン最高。ロシアマフィア、美貌のヒットマンというと佐々木譲『北帰行』を思い起こすが、本作の方がハードボイルド。

  • 矢作俊彦の中で最良の作品というわけではない。     

    期待外れで、少し混乱している。
    具体的な事例については、詳細は当分先になるだろう再読の後、修正したい。

    自動車雑誌Engineの連載を加筆修正。例によって大幅に。
    作風が違っても素晴らしい文体を維持してきたが、情交の場面他、陳腐さを感じた箇所があった。

    二村刑事物ほどには抑制的でも、ポルノグラフィア程扇情的でもなく、最初期の作品群やNaviに連載していたあれやこれやほどカーアクションを魅力的にも感じなかった。

    衰えたとは思いたくないが、もしやそういうことだろうか。
    「あじゃぱん」を最高峰として、前作の「魔都にハンマーを」まで全く見ることがなかったような無理や弛緩が感じられる。思えば、共著の「犬なら普通のこと」、「百発百中」もだるかったし、月刊新潮の「フィルムノワール」も嫌な感じだ。作品毎に作風は違っても、緊張感と文体は非常に質が高かったのが、これまでの矢作俊彦だったのだが、何だろう。

    と言っても、矢作俊彦の最新作というだけで、興奮はしたし、それなりに楽しんだのだが、他人に勧めたくなるものではない。世相を反映してか、全般的に暗く、救いも無い。

    ところで車雑誌のEngineに書いた作品のためか、車が沢山登場する。
    ランチャ、マイバッハ、カローラ、ランエボ、ベントレー、Cクラス、BMWクーペ、ゴルフプラス、キャデラック。

    思えば二村刑事もゴルフだったし、VWを好意的に評価しているのだろうか。まぁ大衆車の記号だろうか。私が所有している車がゴルフだから、つい気になってしまう。

    う~ん。

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エンジン/ENGINEの作品紹介

高級外車窃盗団を追う築地署の刑事・游二の前に、その女は立ちふさがった。ティファニーのショウウインドーに30カービン弾をぶちこみ、消えた女。無垢な少女の微笑と、妖艶な獣の哄笑を残して…。魔に取り憑かれたかのように、彼は女を追い始める。そして次々に起こる凄惨な殺しと爆破事件。謎が謎を呼び、事態は一気に緊迫の局面へ。

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