きらきらひかる

著者 :
  • 新潮社
3.79
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本棚登録 : 973
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103808015

作品紹介・あらすじ

あなたと一緒に暮らしていると哀しいこともきらきらひかる。ホモの睦月とアル中の笑子の素敵な愛の物語とびきり上等の恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 友人に勧められて読みました。
    ホモというのは差別用語と聞いていたので、そこだけ違和感。
    三角関係だけど、とても透明感があって魅力的な人物像で切なくなりました。映画化されたようなのでそれも見てみようかな。

  • ゲイの睦月とアル中の笑子の夫婦のお話。読んだあとにはオレンジとドーナツが食べたくなるしユッカエレファンティペスは実際買ってしまった。甘い言葉なんてやっぱり何の証拠にもならない。

  • 何だか不思議。実際に「ホモの夫とアル中の妻」なんて夫婦がいたら引くかも?だけど、この話すんなり入ってくる。
    睦月と笑子、そして紺くん…みんな優しい。3人の関係がとてもいい。

  • あらすじを見て、即図書館で借りました。
    精神不安定な妻、ゲイの夫という不思議な関係と、その二人の間で起こること。
    夫婦と、夫の恋人との不思議な関係と、友達、両親と、その先のこと。

    p56
    「こういう結婚があってもいいはずだ、と思った。なんにも求めない、なんにも望まない。なんにもなくさない、なんにもこわくない。」

    --------------------------------------------------------------------------------

    私は笑子が好きです。睦月も好きです。紺くんも好きです。
    “好き”の先に絶対必要なものなんてあるんだろうか。
    こんな不思議な関係でも全然いい。お互いが好きなら良い。
    それ以上になにを望むのか。
    当たり前の常識が、彼ら・彼女らにとっては理不尽すぎる。

    p109「紺くんが睦月の赤ちゃんうめるといいのに」
    ここ、笑子にとっても睦月にとっても重たい台詞だと思いました。夫なのだから、妻なのだから、夫婦なのだから、という問題が常につきまとって、それが二人を苦しめます。
    こういう結婚は許されないと思う人が居て、だからこそたまらなく切なくなる。
    私は同性愛者ではないし精神障害者ではないけど、2人の関係が理想的と思ってる人間なので、共感とまで軽々しく言えないけどすごく辛かった。

    睦月は優しすぎるから笑子がつらいけど、睦月も笑子を好きだから余計につらいというか、お互いがお互い大事で、それでもできてしまうズレが悲しい。
    でも、すごく暖かいなぁと思います。
    私はp210の笑子と紺の言葉で泣き、p215でぼろ泣きしました。
    結末はきっともやもやする人もいるかもしれません。でも彼ら・彼女らにとって良かったと言える温かいラストだと思いました。

    久々に「好きだ」と言える小説。
    読み終わったあとこんなに胸がぎゅーってなるのも久々。
    小説としても物語としても登場人物も萌えもひっくるめて大好きでした。


    あ、因みに睦月と紺くんの関係の話は詳しくは書かれていません。
    あくまで睦月が話す紺くんの話ですのでそういうのを期待してはいけません。
    でも私はそれがすごく丁度よくて好きでしたが。笑

  • JKおススメの本。

    「この本みたいに、キラキラ光る感じが好きなんです。」と言われて読んでみる。

    ちょっと苦手な江国さん。昔江国さんを読んだ時に、なんかしっくりこずにそれ以来読まずに来た。

    冒頭から、???!!!と気になり始め、読むのがワクワク☆
    さすが唯川さんが好きなJKがおススメした本。

    P15
    「あいつを結婚するなんて、水を抱くようなものだろう」

    そんな表現する?!何この世界、、、

    どうなっていくかが気になりスルスル読む。色々な人間の感情が垣間見れて揺れている様がまた自分の感情を揺さぶる。人を好きになること、自分と対話しながら他人と暮らすってパワーいるけど、でも笑子が生まれて初めて〝守りたい〟と思った空間や関係。何かに向かって前向きにパワーを使う事はできない印象の笑子が、こんなに行動できるのは、〝守りたいもの〟があったから。そう思える人や空間や環境で人ってより人生が豊かになるのだな、と思った。

    Floridaオレンジの所が、地味に好き。

  • 本当に魅力的な、正反対の2人。笑子には睦月しかいなかったし、逆もそう。お互いの足りなさを補っている。笑子、彼女は睦月の妻であるからこそ、彼女の魅力は引き出されているのだなと思った。



  • 読んでいて少し苦しかった。
    いろんな愛の形があるのかもしれないけど、私はラストに納得することができなかった。

    しかし、文章は読みやすく一気に読めた。

  • 不思議なお話。だけどファンタジーのような浮遊感がある訳ではなくに地に着いている。結末もすっきりてしたものではないが、まぁこれでもいいかな、と思える感じ。睦月は笑子とストレートにも多分なれる。それを紺くんが邪魔してるのかな、ともとれるかんじ。笑子がそこまで紺くんを求めるのは、引け目を感じてるのかな、と感じた。自分ではだめだっていう、どうしようもないという諦めと紺に対する負けを感じていてるけど、それを自分は紺と睦月の関係を理解しているっていう立場をとることで誤魔化しているような感じがした。コーラのにおいがするって、、読みやすくて、御伽噺のようで。それでいてどこまでも現実に近い不思議なお話しでした。

  • アルコール中毒で情緒不安定な笑子とホモのお医者さん、睦月。二人は夫婦。そして、睦月には同性の恋人、紺くんがいる。
    不思議な関係の三人は、このままでいたい、と思う。
    そして、そう願うということは三人とも気づいている。いつまではこのままではいられない、と。

    ---------------------------------------

    理解ある睦月の両親や同性愛者の友人たちからは好意的に見られている笑子と睦月の関係も、現実的で一般的な考え方をする笑子の両親には受け入れられなかった。

    ”睦月と紺くんの精子を混ぜて受精すれば、みんなの子どもができる!”と考える笑子は素敵だな。とても現実的で一般的ではないけど、三人の愛のかたちを探す姿勢が素敵。

    以前ネットニュースで、中年になったハリウッドスターの夫婦が公認でセックスフレンドを作っている、という記事を読んだ。愛のかたちも夫婦の関係もそれぞれ違うんだな。

    笑子と睦月が暮らすマンションの階下に紺くんが引っ越すラストは痛快。合法的に三人は一緒に暮らす。それが彼らの愛のかたち。

  • すごく読みやすくて一気に読んでしまった。

    他人から見れば少し不思議に思う関係だけど、
    この3人にとってはこの関係のままが幸せなんだろうな。

    あと何気ない日常の
    ご飯を作って食べたり、お酒を飲んだりする描写があるのが好き。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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