がらくた

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著者 : 江國香織
  • 新潮社 (2007年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103808077

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がらくたの感想・レビュー・書評

  • ありそうでない話。もしこのストーリーが現実にあったと想像して読んだらむず痒くて落ち着かない。
    あくまで『お話の中の人達の世界での恋愛』なのだからと言い聞かせながら読んだ。
    自分の恋愛価値観と違った相手を愛してしまったら。しかも狂うぐらい不安になる程、自分が変わってしまう程の相手をパートナーに選んだなら。
    初めて読んだ感想は私が桐子じゃなくてよかった。でした。このお話が続くなら、美海を含めてより複雑になったあの人達の関係が一体どんなふうに共存していくのかな。

  • 大人になっちゃった人向けの少女漫画、ラブストーリー。

    現実社会で起こりうるであろうことを踏まえた上で女性が切に望むこと。

  • 人と人が結ばれることはあっても、それを永久に同じ形に残しておくことはできないし、表面が綺麗に見えても中身は腐っているのかもしれない。

    誰かを好きになることって、ある意味で永久に片想いなのかなと思いました。

    正直言って、最後は気持ち悪い感覚が残りました。
    今まで不倫の話を読んでてもなんとも思わなかったんですが・・・。
    今までは不倫を通じて共感できる部分もあったし、あり得ない関係の中に、恋の切なさや、人間関係、男女関係の真理がのぞいていました。
    ところが、この小説の登場人物たちは、ありえない関係で、恋愛の感覚も現実にはちょっとありえない。
    原さんの人物像や考え方も理解できないし、そんな不可解な原さんに惹かれてしまった人たちに対して気持ち悪い感覚が残る。

    年を取ったらこの小説の感覚も理解できるのでしょうか。

  • これは、読者の好悪をすごくはっきりわける作品だと感じたし、きっと江國さん自身も、それを意識して書いたんじゃないかという、確かな意図も感じた。

    わたしは、全体的にこのお話は嫌いじゃない。
    原の行動に裏切りを感じないし、場面場面の表現に、すごく納得してしまったから。

    人は誰かを所有できても、独占はできない。
    とか、
    感情を不変に保存することとジャム
    とか、
    離れている時ほど、所有されていることを感じる
    とか。

    「純愛」と世の一般で定義されているものに(感覚として)、江國さんの主人公たちはあてはまらないのかもしれない。
    そうして、そういう「純愛」が好きな人には江國さんの小説は受け付けないのかもしれない。
    けれど、江國さんのうむキャラクターたちはたいてい、ただ一人を心から愛している、し。
    その大切な人以外の、異性と過ごすことでよりその人を大事だと気付い、ている。
    比較するという風じゃなく、そういうことで安心する、帰れる場所を意識することを、わたしは「不純」であるとは思えない。
    だから、江國さんのお話に登場するひとはみんな、どこか否定してはいけないそれぞれの魅力がちゃんと、ある。

    江國さんの描く世界が「ドロドロ」としないのは、そこにあるんだと思うし。
    そういう「変わった」人たちが、「普通」に生きているところがおかして懐かしい、気持ちにさせる。

    どっちにしても、わたしは江國さんの書くものすべてが無条件に好きです。

  • リゾートホテル、桐子さんの部屋、ミミがぶらつく広尾や六本木や銀座や湘南、そしてミミ自体の描写、小説でしか表現できないものだと思う。ミミみたいな女子高生になりたかったし、今でもなりたい。あまりにも合理的でないミミの母親に苛々するし、だからこそ大人っぽくなるんだろうし、架空の人物なのに羨ましくなってしまう。
    原と柊子の恋愛はほんとにつまんなくて、江國香織は女子高生とか“女性以前”の“少女”を書いたほうがやっぱ惹き込まれると思った。何か性描写とかが、村上春樹的というか、頑張って背伸びしてオトナの女を書こうとした、みたいで痛過ぎる。

  • 柊子は、初めから美海と夫か『そうなる』とわかっていたんだと思う。

  • 予想する展開通りだったけど、楽しめた。
    江國香織さんの作品は私の日常というか倫理観ではありえない話が多いが、だからこそ作品を通じて非日常を体験させてもらえている気がする。

    また文章からその描写を想像すると楽しいことがよくある。街の風景やその風景に対して感じたことなど頭の中で描けるような文章が多く、楽しいです。

  • 2016年6月19日読了。
    どうしてこんな話が書けるのかな!?
    海外旅行している間のところが一番面白かったかも。

  • 母親とバカンスに行った海外で、一組の父娘に出会う。
    そこから始まった交流を書いた物語。

    ミミこと美海が実に少女らしくて生意気でよろしい。群れることを嫌い、友達はおらず、年の離れた知り合いの旦那と寝る。

    自分の娘だったらたまりませんが、他人として見るなら楽しめそうです。

    しかし、私はおばあちゃんの桐子が気に入りました。
    海外に行っても日本語で通し、料理がまずければ文句を言い、外に出る時は口紅を引き、煙草をふかす。

    お金に苦労したことないんでしょうけど、そんな育ちの良さといけすかなさが同居した可愛いおばあちゃんだと思います。

    もうちょっとこの人達見つめていたかったな。

  • 江國さんらしい、全体的にオシャレな雰囲気の本だった。
    既婚者の柊子さんと高校生の美海ちゃん(ミミちゃん )が交互に語る、柊子さんと原さんの不思議な夫婦関係が面白い。
    ミミちゃんの一人で平然と外国の海で堂々と寛げたりする、大人っぽい一面が凄くカッコ良かった。
    日本の学校のクラスメイトと馴染めなくて、同い年の友達もいないんだけど、独りでも全然気にしたりせずお昼は「机の椅子より見晴らしがいいのよね」とか言って、ロッカーに座って優雅にサンドイッチかじっちゃうとこなんて、痺れちゃいました。
    ただ、ふいにつるむ仲間がいないことに孤独を感じちゃったりして、そこが思春期の高校生らしくて、可愛かったです。
    ミミちゃんはよくイヤフォンをつけて音楽を聞いてるんですよね。
    それは街で一人の孤独をまぎらわしたり、世間から完全に遮断するためなんですかね。
    日本は特に群れたがりの人が多いなか(特にミミちゃんはわベタベタくっつきたがる同級生をを嫌ってる)、一人イヤフォンをつけて東京の街を颯爽と歩くミミちゃんはカッコよく見えました。

    ただ、柊子さんの旦那さんの原さんの魅力はよく分からなかったかなぁ……。
    柊子さんも何故あんなにベタ惚れなのか分からないし、だいいちガールフレンドが沢山いる旦那ってどうなの……?
    しかも自分の妻に、「君が誰と寝ても悲しくないし、寝たいなら他の男と寝ていいんだよ 」って、言っちゃう旦那ってどうなんだ~!!
    しかもミミちゃんも、何故そんな男が良かったのか、全くの謎でした。

    個人的には、初めの章の柊子さんと桐子さんが旅行をしてる章が一番好きだなぁ…。
    海やスパに行って、ホテルに戻ってお風呂に入って、ホテルのレストランで食事。
    優雅で怠惰な凄くオシャレな雰囲気が漂ってて、一緒にその空間に居るみたいに感じられました。
    柊子さんが私達は旅行に行っても、観光にも興味ないし、買い物に熱意もない。東京に居るときと同じように、行動するのにヒンパンニ旅するのは、きっと旅が好きだから、というのには共感出来た。移動して、様々な土地の空気を吸うこと。それが柊子さんと桐子さんには大切なことで、私もそれが旅行の醍醐味みたいなもんだなぁ。
    旅先で読む本は、また一味違うもんね。

  • 散歩をしたい と誘った
    歩きながら待てばいい
    随分くらいな、怖くないですか?
    あなたがここにいるのに?
    性急であるが、乱暴ではない
    空々しい甘言など一切弄さず、心からの気遣いで
    愉快そうにしていたので安心して嬉しかった
    こういうことになるのはもう少し後だと思っていました
    こういう風に始めることに慣れていらっしゃるんですね
    物事は始めるものじゃなくて、通過するもの

  • 夫を心の底から愛している柊子と金持ちでプライド高い桐子の親子。
    美しい15歳の少女ミミと、今は一緒に暮らしていない父親。この4人が旅先のプーケットで出会います。
    柊子はミミの父親と身体の関係になりますが、帰国後はそれぞれ普通の生活に。

    しかし自由な恋愛を楽しみ、柊子にも自分以外の人と関係を持つことを進めている柊子の夫である原、母親に恋人が出来てどこか満たされないミミ、そして柊子の三人の関係の糸が少しずつ絡み合い、もつれていく様を柊子とミミの両者の目線で物語は進みます。

    シュールでどんな言葉も美しい表現に変えてしまう江國香織。内容はともかく私は好きだなぁ。

  • コツコツと読み逃していた江國さんの作品を読みます。なぜだか飽きません。

    翻訳家の柊子とプーケットで会った少女、ミミちゃん(美海)の物語。
    ぴしゃりとした物言いの柊子の母親桐子さん、特定多数の恋愛を続ける柊子の夫の原さん、ミミちゃんの相手をする亘くんなど登場人物が魅力的で、(いつもの淡々とした日常物語ではなく)ドラマチックな物語でした。
    文章の調子は『真昼なのにくらい部屋』を読んだ後だからか漢字が多く感じられ、多少スノッブな雰囲気が感じられました(!?)。

    結婚しても夫婦で恋愛し続けるというテーマ、なのかな。
    これって数々描かれている江國さんの願望でしょうか。
    そうじゃない、「家族になりたい」という人たちにとっては不快な作品かもしれません。
    結婚してないからわからないですが。
    そのようなことが、江國さんにしては答えをきちんと描いていて、すっきりわかりやすいと感じました。
    最後のほうで未亡人であるさやかさんが、「生きている相手に対して、感情を不変のまま保存することはできないのよ」と話すシーンで、柊子の試みは苦しい試みであることがわかります。


    原さんと柊子の甘い描写やミミちゃんの描写は、ポンちゃん(山田詠美さん)の作品を読んでいるような気分になることもありました。
    ミミちゃんはいつもイヤフォンをしていて、亘くんから教えてもらったステッペンウルフの「born to be wild」なんかを好んで聴いていますが、バーでそれを流されたときのシーンは、原夫婦のつながりを感じて、喜んでいるミミちゃんが滑稽でかわいそうに思えてしまった。

    タイトルの「がらくた」は、未亡人のさやかさん家で見た捨てられないものが象徴しているのかな。それは、桐子さんの部屋にも通じるものがあり、夫婦の間に横たわる捨てられない何かなのかな、と思いました。

  • 前に読んだ時はこんな暮らし方が羨ましかった。今は、こういうのが羨ましくないわけじゃないけど、これとは違う、もっと庶民的な普通の暮らしに憧れる。何でだろう。空虚だからかな。無理だから?疲れそうだから?

  • この本に対していろんなレビューがあるけど、私は好きだな。もちろん柊子にもなれないし、原さんのことも現実では理解できないしで。美海や桐子さんは好き。でも感情移入する必要はなく、はたから見るとみんな好きだ。皆自身にものすごく正直で、正直すぎるほど愛し、また欲するものすべてに対して貪欲。そして、つきつめている。人間として確かに、ある意味『完璧』だと思う。本当はこんなようにすべてを受け入れれば、争いごとなんてなくなるのでは。それを示してるのは美海のママかな。美海のママは、現実世界でいう『普通』なんだろう。普通、この話は受け入れられないんだろな。

    江國さんの作品の中でかなり好きな位置にはいります。行間に漂う、しっとり、シュールな雰囲気も好き。読めてよかった。

  • 130224*読了
    柊子さんと、美海ちゃん。
    二人の女性が語る。一人称。
    江國さんの小説は、どんなことが起きても、冷静というか、平穏な海のようだと感じる。
    それに居心地のよさを感じる。
    ただもう、ひたすらに好きだ。

  • ・美海と柊子の対比。
    ・美海=変わっていくもの。柊子=変わらないもの。(変わることを畏れ、止めてしまったもの)
    ・美海のスピード感。柊子の停滞感。
    ・柊子の物語から始まり(スロー)、美海で終わる(スピード感)。
    ・ジャムは、終わらないものの象徴。
    ・桐子さんと亘くんの存在の大きさの意味は?(よく分からない・・・)

  • タイトル、『がらくた』は何を指してるのだろう。

    お金持ちの老夫人とその娘がプーケットを旅して出会った少女と3人(みんな日本人)の人間模様。
    物語は4話あって、1話と3話が娘、2話と4話が少女が主人公。娘の目線、少女の目線と両方から物語は語られる。

    娘の旦那に恋する少女。
    縛られない関係を求める娘の旦那。
    苦しいけど、旦那に恋する娘。
    娘と関係を結ぶ少女の父親。

    どれをとっても誰をとってもがらくたのような気がする。(笑)
    唯一、お金持ちの老婦人、桐子さんだけはしゃんとしてて粋だ。

    江國さんの小説は、「20代の時よく読みました。」とか、「20代で卒業しました。」とか聞くなぁ。大人の本。と言うイメージ?
    だから若い20代はあこがれるのかな。
    私にはこんな大人な(笑)関係は理解しがたいのだが。。

    なんてうだうだ書いて、結局、桐子さんちのサイズの合わない家具や装飾品ががらくただったのかなとか思ったり。良く分からない話だった。まだまだ大人にはなりきれないようだ。。。

  • 不倫の話。
    私はこういう恋愛観が好きなんですけど、万人受けするかといったら別。

    江國さんのこうあかるくて恐ろしいみたいな作品、好きだなあ。

  • 柊子の夫の原は他の女ともたやすく寝るけれども、二人は深い気持ちの奥底でつながっているから、
    柊子も母の桐子と行った旅行先で出会ったミミこと美海の父と寝る。

    美海はたった15、6だけど大人びていて原の魅力に見せられて引き込まれ、原に抱かれる。

    うーん、うーん。

    こういう女女した話も書くんだ、って感じ。
    女女だけど雰囲気はやっぱり著者らしいけど、途中言い方?言い回し?が?でよくわからないのが何ヶ所かあった。なぜだ。

    共感もとくにないし、うーん、ってかんじ)^o^(

  • 主人公?の達観した感じというか、
    我慢の限界を越えてブッ飛んだかんじというか、
    旦那さんは怖い人だなあという感想。

    しか、読んで少し経った今は残ってない。
    おかーさんいかしてるなあとか、少女は末恐ろしいな!とか。

  • 柊子と夫、ミミと父・母、誰の恋愛観もどこか世界が違う感じがして共感はできず、でした。

    それでも一気に読めちゃったのは江國さんの文章としての魅力かな。
    ひとつの世界を、ふたつの視点から語る構成はとても面白く感じました。

  • うーん、まぁこんなもんかなーという感じ。


    美海の視点から書かれてる章がすき。生意気でかわいい。

    柊子と原さんの関係性はまったくわからないけど、美海と原さんはわかる気がする。美海と亘くんも。

    高校生でこんな恋愛になって、これから大変じゃないかなぁ。がんばれ、美海!


    ていうか、共感するのが柊子じゃなくて美海でよかったー。まだ若いね!

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