アナログ

  • 新潮社
2.97
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103812227

作品紹介・あらすじ

たけしがたどりついた“究極の愛”。狂暴なまでに純粋な、書下ろし恋愛小説。「お互いに会いたいという気持ちがあれば、絶対に会えますよ」すべてがデジタル化する世界で悟とみゆきが交わした、たったひとつの不器用な約束。素性も連絡先も知らないまま、なぜか強烈に惹かれあう二人の、「アナログ」な関係が始まった。いまや成立しがたい男女のあり方を描き、“誰かを大切にする”とは何かを問いかける渾身の長編。

感想・レビュー・書評

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  • R1.6.25 読了。

    まさに純愛小説。水島と高木、山下などの悪友関係が羨ましい。施設に入所している女手一つで育ててくれた実母に対して、何の親孝行も出来ていない悔しさ、せつなさ、もどかしさなどの気持ちにも共感できました。
    最後は意外な展開でしたが、ハッピーエンドで良かったです。
    それとたけしさんはハゲとカツラネタ、好きですね。本書に出てきた「無煙ロースター頭」という焼き肉屋で煙がおでこの下から入って、後頭部から出てくるオヤジの話は、想像したら笑ってしまいました。

  • お話の本筋は、あったかくて良い作品でした(*^^*)
    ただ、個人的には、スマホやLINEが普及している中で働いている30代半ばの主人公たち…と考えると、会話の内容や例えが古すぎやしないか?と思ってしまう部分が多く、特に前半はのめり込めなかったのが残念でした。

  • たけしさんの本はこれで3冊目の読了ですが、本作がビートたけしの小説との出会い作。

    確かに純愛小説でした。

    でも男同士の友情、笑い、涙...

    単なる恋愛小説ではなく、人情小説って感じの方がしっくりくるかなぁ。

    たけしさんの積読本は無くなりましたが、機会を見つけて他の作品もきっと手にすると思います。

    説明
    メディア掲載レビューほか
    純愛も純情も

    ビートたけしが初めて書いた純愛小説『アナログ』には、古希を迎えた彼がいま理想とする恋愛観や女性観がつまっている。小説は時に作者の心情を白日の下にさらしてしまうのだが、この作品はまさにその典型だ。

    主人公は30代のインテリアデザイナー。2015年のある日、広尾の喫茶店でたまたま出逢った女性と恋に落ちる。2人は互いの連絡先を聞くことなく、毎週木曜日の夕方に同じ店で会えれば交際をつづけようと約束する。この決め事の底にある思いを、主人公と頻繁に会っては深酒する悪友の一方がこう代弁する。

    〈今どきの何でも手軽に連絡を取り合う人間関係、それじゃ悩んだり心配したり、心の葛藤がない。時代に逆らうようなアナログな付き合い方、それが本当の恋愛かもしれない〉

    おそらくビートたけしの創作の動機もこれなのだろう。大事なことは面倒くさいのだ。主人公は、だから大いに悩んだり心配したりしながら、彼女との再会に生きがいすら感じるようになる。性欲に支配されることもなく、会っている時間を慈しむ。

    純愛にふさわしい古典的な展開は後半もつづき、2人の悪友が躍動する。いまの30代が使うはずのない(東海林太郎やヒデとロザンナや三波春夫が登場する)ギャグを連発しつつ主人公をからかうものの、いざとなると純愛の成就に全力で協力してみせる。男子の友情がほとばしる。

    ビートたけしが憧れの恋愛を描いたこの小説は、読了してみると、純愛よりも友情が心に残る。作者はそれでは不満かもしれないが、これは、悪友の心意気が愛おしくなる純情小説である。

    評者:長薗安浩

    (週刊朝日 掲載)
    内容紹介
    たけしがたどりついた“究極の愛”。狂暴なまでに純粋な、書下ろし恋愛小説。「お互いに会いたいという気持ちがあれば、絶対に会えますよ」すべてがデジタル化する世界で悟とみゆきが交わした、たったひとつの不器用な約束。素性も連絡先も知らないまま、なぜか強烈に惹かれあう二人の、「アナログ」な関係が始まった。いまや成立しがたい男女のあり方を描き、“誰かを大切にする”とは何かを問いかける渾身の長編。
    内容(「BOOK」データベースより)
    たけしがたどりついた“究極の愛”。狂暴なまでに純粋な、書下ろし恋愛小説。

  • 二宮和也さん、波瑠さん主演で映画化すると知り、読みました。
    ビートたけしさんって映画監督だけじゃなく、本も書かれるんですね。本当に多才です。
    会話のテンポや目の付け所の端々にお笑いらしさを感じ、楽しく読みました。
    音楽や絵の話も出てきて、さすがの芸術色だと思います。
    デジタル化する世の中に対してアナログを大切にする男女の話なのですが、現代の状況に対してあまりのアナログ感で、2000年代くらいの発売かと思っていたら、結構最近の2017年でした。
    アナログもデジタルも悪いわけではないので、便利さはデジタルに頼りつつ、時々どちらかにこだわるのも素敵だなと思いました。
    エンタメ性の強い恋愛ものという感じで、ほっこりしました。

  • デジタル化が進む中で、デジタル化が何を助け、何を忘れさせていくのかを考えさせられる本でした。
    ビートたけしの才能や価値観が見えた気がしました。

  • 映画になるというので読んでみたもののまあまあ。

    以前、小説創作の合評会に参加していたが、その感じで感想を言うと‥


    「小説のテーマはしっかりとしていて作者の書きたいことがちゃんと伝わってきました。ただ捻りがなく単調な話であまり面白みはないです。あと1番気になったのは登場人物の描写です。この作品を書いた北野さんは70歳ですよね?本当、北野さんが若い頃の30代を描かれており、現代の若者と言うには全くリアリティがありません。財津一郎とかキダ・タローとか30歳は知りませんよ。あと、ソープとかストリップも行くことはあるかもしれませんが、日常会話でそんなに出てくることはないでしょう。細かいところで言うと、主人公が友達に連絡するのにいちいち電話しています。あの程度のことは電話じゃなくラインなりですませますよね。デジタル社会の中でのアナログの温かみを強調させたいのであれば、人物描写はもっと力をいれてやってください。若い人ともっと話すとか自らが調べるとか。まあ正直北野さんがそこまで徹底してできるとは思わないので、このテーマで現代の若者を描くのはやめるべきやと私は感じました」

    若い子に厳しく指摘されているおじさんやおじいさんが沢山いた。。。 その典型みたいな作品やった。まあ作者がたけしじゃなければ、世にでていないレベルかな。

  • 人の大切さを教えてくれる優しくて笑える小説
    そして、涙なしでは読めませんでした。

    久々に1日で読んでしまいました。それぐらい世界に引き込まれ読破してしまいました。

    今の時代、常に誰ともすぐに繋がります。でも、連絡が取れないもどかしさや苦悩など、相手を思いやる時間も大切だと心に染みました。

    登場人もみんな個性的でたまに笑いながら読みました。
    ビートたけしさんの世界観がとても好きになりました。

  • ビートたけしさんといえば、もっとゴツゴツして猛々しい世界を描くのかと思ったら、純愛小説。はなまた友情物語。
    やたら男達が涙をこぼすシーンが多く、そこが気に入っている。仕事に対して逃げないで立ち向かう姿や、友人達とのしようもないやりとりにたけしさんの姿勢を垣間見たような気がした。

    悲しいけれど幸せな人生。

  • 読み始めてすぐ、本当にこれはたけしさんが書いた話なのか?と思った。
    ピュア過ぎる。純愛過ぎる。

    だけど主人公悟の友人、高木や山下の漫才みたいな会話を読むとやっぱりそうかと思う。

    又吉さんに影響されて一気に書けた感はありますね。とても読みやすいです。

  • 「人生で一度だけ、こんな恋がしたいと思った」 ビートたけし
    アナログとデジタルの違いを説明するのは意外に難しい。例をあげるとイメージしやすいのは時計。文字盤時計とデジタル時計。でもこれだと少しわかりにくい。主人公悟の職業はデザイナーでプレゼンでPCは使わず、縮小模型を愛用している。こう考えると、デジタルは2次元でアナログは3次元て考えるとわかりやすいかもしれない。
    悟の上司の岩本がカタカナ語を連発する部分は某都知事を連想してしまう。悟の友人二人の掛け合い漫才は笑える。悟と母親の関係は泣ける。悟が恋するみゆきはとても謎めいていて神秘的。後半意外な展開を見せる。しかしヤラレターとか騙されたーといった心地良い感想は読了後にはない。
    映像がとても浮かびやすい情緒溢れる小説でした。

    • 嵐さん
      チョクさん、こんにちは。たけしさんって小説も書いていたのですね。知らなかったです。この小説今度探して読んでみますね。面白そうなので。
      チョクさん、こんにちは。たけしさんって小説も書いていたのですね。知らなかったです。この小説今度探して読んでみますね。面白そうなので。
      2017/12/03
    • choku8864さん
      嵐さん、いいね&コメント有難う!
      たけしさん小説書いてますよ。『たけしくん、ハイ』は名作ですよ。まだ単行本しかないですが、よかったら、読ん...
      嵐さん、いいね&コメント有難う!
      たけしさん小説書いてますよ。『たけしくん、ハイ』は名作ですよ。まだ単行本しかないですが、よかったら、読んでみてね。
      2017/12/03
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著者プロフィール

1947年東京都足立区生まれ。浅草フランス座で芸人としてデビュー後、1972年に漫才コンビ「ツービート」を結成、人間の「建前と本音」「理想と現実」との落差を舌鋒鋭く突きまくる芸風で漫才ブームの牽引役となる。テレビに進出後、『オレたちひょうきん族』『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』などの人気番組を次々と手掛ける。映画監督としても『その男、凶暴につき』『ソナチネ』『HANA-BI』などの話題作を多数世に送り出す。2016年にレジオン・ドヌール勲章、2018年には旭日小綬章を受章。近年は小説執筆にも力を入れている。著書に『弔辞』(講談社)、『不良』(集英社)、『浅草迄』(河出書房新社)など。

「2022年 『浅草キッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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