還れぬ家

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著者 : 佐伯一麦
  • 新潮社 (2013年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103814054

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還れぬ家の感想・レビュー・書評

  • 一言で言えば、すごく現実的な小説。
    凝った設定や登場人物などは一切登場せず、現実感を伴った状態で話は進行していく。
    認知症や介護という問題に実際に直面した時に、どのような行動をとればいいのかなど、考えさせられる小説。
    でも、読んでいて面白いかと聞かれれば、面白くない。

  • 作者の日常を書いてるが表現力が凄い。常に作者の立ち位置原点に、一ミリの狂いやブレがないのがこの表現をうむのかと思う。

  • <閲覧スタッフより>
    「家へ還れない個人的な思いをずっと綴ってきた私にとって、外からの力によって家へ戻ることが有無を言わさず不可能になった者たちの姿を前にすると、我が身のことだけにかまけてきたようで自省させられるものがありました」。2009年4月より連載されてきた私小説が震災を挟んで変化してゆく。

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    所在記号:913.6||サエ
    資料番号:10225378
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  • ますます円熟。震災の経験を真正面から受け止めて作品に反映させる姿勢に好感。

  • 家族(特に母)との関係が遠因で鬱病の主人公が父親の認知症をきっかけに実家と関わって行く様になり、昔の自分と、親との関係に折り合いをつけようともがくなか東日本大震災が起き…。世間体を気にして傷つけられた日々、夫に楯突けないので有無を言わさず息子と嫁に振ってくる母親、あるキッカケで介護から逃げ出す様子などリアルで辛い。既に介護経験者ならあるある、まだこれからの人には覚悟としての予習で読むのはいいかも。ただ延々と続く描写には気分が陰鬱となる。そして、こんなに出来た嫁はおらん…てか真似出来ないわ。

  • 老いていく父への介護に絡め、3・11にも言及する。私小説。じっくり読むべき本。重く心に響いた。

  • いわゆる私小説ということだと思います。おそらく私と同年代なのか?
    仙台近郊で両親のそばに住む小説家が親の介護、看取りそして東日本大震災での被災について綴っている。
    小説として読んでいいのか、経験談として読んだらいいのか戸惑いました。

  • 年老いた父親が認知症と診断されてから亡くなるまでの経緯を描きながら、みずからの生い立ちや親・兄弟・親戚との関係を描き出していく。執筆途中に東日本大震災に被災したため、それが父親が亡くなった後の自分や母親や兄の姿を描く背景に取りいれられているが、それはあくまで背景としてであり、作者が描こうとしているのは、あくまで自分にとっての生家・家族・親族。それにしても主人公の妻ができすぎた人だと思う。そういう人もいるだろうとは思うけれど。主人公と親との関係に読者を集中させるためだろうか。

  • 認知症となった父。
    介護に疲れる母を妻と2人で支える。
    良い思い出の残らない実家へはあまり還りたくない。
    文芸誌で連載中、仙台で東日本大震災に見舞われる。
    そこからは被災した者としての心情、両親との関わり合いを絡めながら話は進む。
    佐伯さんの丁寧な筆致に心を惹きつけられた。

  • 家族というのは厄介なもので、そして生きるというのは結構大変で面倒で、それでも人は生きていくんだな。というのが第一印象。多少こじれてる家族関係ではあるが、そんなに珍しいという事もない。親子・兄弟・夫婦と言えども別々の人間だし、各々にワダカマリがあるのが普通だろうし、同級生のその後も紆余曲折で、現実ってこんなもんかなと。
    小説というより単なる日記で事実の羅列ばかりで心理描写は殆どない。話もうつ病作家(著者)による認知症である父の介護を中心に展開し、最後は震災で終わるのだが、特に起承転結があるわけでもなく、どこにでも転がっていそうな話が淡々と続く。だからなのか、逆に仙台在住のとある家族の物語という感じでリアリティーがある。これが私小説というものか。ちょっと気になったのは再婚相手の奥さんが出来すぎで、現実にこんな女性いるのかな?と思える程で、多少美化しているような気がしないでもないが。
    親の介護の問題は誰にでも起こる可能性のあるもので、自分だったらどうするんだろう?とか、親の死にどう向き合うんだろう?とか、人間はどこまで生きるべきなのか?というような事を考えさせられた。

  • 認知症の父の介護

  • 家族が小説に取りあげられるのを警戒している様子まで書かれていた。

  • とうに他界した父、老いつつある母親を持つ私にとって身につまされる話だ。

  • 痴呆を患った父親の介護を巡る夫婦の物語。主人公と年が近くなったせいか、身につまされながら読んでしまいました。父親の死を私小説として取り上げ、丁寧に書かれた小説。そういう意味で星四つ。

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還れぬ家の作品紹介

高校生のとき親に対する反発から家出同然で上京したこともある光二だが、認知症で介護が必要となった父、そして家と、向き合わざるをえなくなる。さらに父の死後、東日本大震災が発生し、家を失った多くの人々を光二は眼のあたりにする…。喪われた家をテーマに著者が新境地を拓いた長編小説。

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