- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103823049
感想・レビュー・書評
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NHKの手嶋さんが書いたとは知らなかった。
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・前作「ウルトラ・ダラー」のコンビがまた活躍!というような帯なんだが、相変わらず「インテリジェンス」小説なので、イマイチ地味。ただし、そこで披露されている歴史の裏側の描写や、現在進行形と思われるインテリジェンスの片鱗については、一つ一つが面白い。特に、終盤で語られるオバマを狙う黒い悪意、というのは、手嶋さんがラジオ番組の中でも言及していたことなので、かなり現実性の高いインテリジェンスなのかも知れない。
・スティーブンもマイケルも、そこそこ魅力的だけど、「またこの二人の活躍が見たい!」というほどの動きがないんだよなあ、何と言っても頭脳プレイだから。この辺りはアクション映画好きな単純な自分には、ちょっと物足りないところ。
・ソフィーの人生については、もう少し語ってほしかったかも。なお、タイトルの割には杉原千畝に関する描写がちょっと少なくい印象。
・それにしても、手嶋さん自身は北海道出身なんだが、前作でも今作でも、妙に関西弁のおっさんが活躍と言うか魅力的に書かれてるなあ。 -
再読
出ポーランド記なんかは物語性が高く描写も楽しめたのだけど
松雷のノミ競馬の映像詐欺やアルカイダや北朝鮮らの会合や
ユダヤマネーやナチスの略奪絵画や
やたらスケールの大きな陰謀論説的お題が出ては
登場人物口を借りて中途半端に纏まって話題が次に移りw
読者への説明とはいえ
S&P500の説明を受けるインテリジェンス・オフィサー(笑)に苦笑しながら。
漫画女帝のような新宿鮫を下手くそにしたようなシビレるゥ的香り、
でももっと面白くも書けそうなのに色々残念だなぁ -
先日映画にもなった杉原千畝のエピソード。
杉原は外務省の諜報員の役目を担いながらも、
ナチスのユダヤ人迫害に憤慨し、
彼らの国外脱出のために日本へのピザを発行し続けました。
彼によってナチスの手から逃れられたユダヤ人たちは数多く、
スギハラの名前は
ユダヤ人たちの間では救世主のように知れ渡っているそうです。
この作品は杉原のことを織りまぜながらも、
杉原によって日本へ逃れられたユダヤ人の少年アンドレイと
孤児の日本人の少年松山雷児との友情が中心になっていました。
1939年、アンドレイと雷児、
それにアンドレイと一緒に逃げて来た美少女ソフィアの3人は
太平洋戦争が間近にせまる
日本の神戸の地でささやかな友情を育てます。
やがてそれぞれの運命に従って
アンドレイはアメリカへ渡り、ソフィアは上海へとのがれます。
雷児はソフィアを守るために、単身上海へと渡りました。
それから物語は2008年にまで飛躍します。
アンドレイと雷児、2人は国際金融の世界を生き抜いていました。
北朝鮮の偽ドル札を暴いたスティーブンらは
株式市場が大暴落するたびに、
その裏でうごめく黒い影に気が付きました。
彼らの運命の糸は2008年秋、リーマン・ショックで交差することに・・・。
神戸で培った少年たちの友情が、
年月を経て経済界の裏に影を落とします。
経済の仕組みなどに疎い私には
少し難しい話の流れとなりましたが、
幼い頃からの少年たちの友情が大きく育っていたことに
驚きと安堵感を持ちました。
知っている名前と地名も出てくる小説でしたが、
経済小説はやはり難しいなぁというのが正直な感想です。 -
ストーリーがなかなか面白いです。一気に最後まで読みきりました。 世の中を動かすお金の裏の一面を見ることが出来る、深みのある小説だと思います。
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ウルトラ・ダラーと似た感じの話ではあるが、ややまとまりに欠ける印象がある。ストーリーにスピード感が無く、前作ほどの面白さは感じない。
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大戦中の話は面白いのだけど、現在の話はあまり深みがなかったなぁ。
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書き方がちょっと回りくどい・・・。
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デビュー作が最高傑作になるパターンか。ずいぶんとやっつけた感がある。ネタの密度もさることながら、小説としての練り上げが相当に不足している。成功したことで読者を舐めたのではないか。
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FACTAでオススメされていたのを見て購入して読んだ。確かもう3年くらい前の話だ。
真のインテリジェンスは虚構の中に紛れ込ませるのがプロの芸当であるとは確か作者(もしかしたら佐藤優氏)の弁であったと思う。このフィクションを名乗る物語も現実の北朝鮮拉致問題と浅からずつながっているという期待から、余計に臨場感と緊張感が高まる。
お話として非常に面白く、主人公の007っぷりも好きである。