ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争

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著者 : 手嶋龍一
  • 新潮社 (2011年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103823056

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ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争の感想・レビュー・書評

  • 3.11のテロを防げなかったのは、米国がインテリジェンスを有効に扱えなかったから。しかしその後の対応はカッコいい。オバマ大統領がゴルフにいって周りの目をごまかしてビンラディンの殺害を実行するのはまるで映画のよう。
    一方、日本は情けない。9.11の原発事故の対応のお粗末さ。外交の下手さ。訓練もされておらず、才能もセンスもない人間が国家の要職を占める怖さを指摘されます。

    そう言えば日本語ではインフォメーションもインテリジェンスも「情報」となってしまうのは、日本人にインテリジェンスの概念がそもそも無いからなんでしょうね。

  • ブラックスワンとは実在しないと思われている黒い白鳥。しかし、そのブラックスワンが舞い降りた時に何をどう決断するのかが、指導者には求められる。911から10年後の311にいたるまでの日米中、世界のインテリジェント戦争を物語調に記述しているため、読み易く、ドキドキしながら楽しめた。
    決断をするためには如何に情報を集めるか、しかも自然に集まるような準備をする行うかが重要。
    情報が集まる体制できてないのに、無理して集めようと現地に急行する管哀れ。このような指導者の時に未曾有の大震災が起こるとは正にブラックスワン。
    ここから何を学ぶか?インテリジェントがないと適切な判断ができない。すなわち、決断が必要な仕事、ロールは情報を集める能力、集まる準備を再重要視する必要がある、ってことだ。
    アメリカが80km圏外に避難した時には、よく分からんくせに過敏だな、コンチクショウと思ったけど、裏付け有りまくりだった訳で、知らないのはお気楽な自国民のみだと。まともな指導者を選ばないと。

  •  9・11をアメリカは本当は防げたのではないか。
     何故防げなかったのか、とその時々の状況を語っている本。まさに、情報戦に負けたというべきなのか。
     アメリカの話をしているときは、さくさく読めたのですが、日本の今(民主党が第一党になってから)は、物凄く読むのがつらかったです。
     日本の危機が此処にあるのか。

  • 『「FUKUSHIMA」の惨劇は、事前の想定を超える事態のゆえに起きたのはない。想定を超える事態に向き合おうとしなかった果てに起きたのである』この一文がとても印象に残りました。

    手嶋龍一氏の「ブラック・スワン降臨」読了です。
    手嶋氏の作品を読むのは杉原千畝氏を取り上げた「スギハラ・ダラー」以来です。(以前ブログで「やるじゃん杉原!」と感想を書いた事を思い出しました^^;)



    「国際外交・インテリジェンス・危機管理」などをテーマとしたノンフィクション。こういうテーマのノンフィクション系の本は、どちらかといえば苦手です。

    が、「読ませます」ね。
    すばらしい取材力と文章力です。特に文章力は圧巻です。


    2週間はかかるだろうと覚悟していたのですが、一気に読んでしまいました。

    2001年のアメリカにおける「9.11テロ」。
    2011年の「ビン・ラディン殺害のジェロニモ作戦」、そして日本での「3.11震災・原発」。

    「9.11」と「3.11」、この2つの出来事には何の因果関係もありません。


    ただ「危機管理」とか「インテリジェンス(戦)」という視点から2つの出来事をみると、2つの出来事には考察を加えるべき共通点があるのです。



    「9.11」から「ジェロニモ作戦」までの期間アメリカはどういう活動を行ってきたか、またその10年の間に国際政治(勢力・力学)はどう変化したのか。


    そして「3.11」の時に日本国政府がとった行動は。


    「起承転結」の「起」においては「ジェロニモ作戦」の際のオバマ大統領の様子がそして「結」においては「3.11」での菅総理の対応が描かれています。



    日米両政府のトップの対応の違いはおもしろい、、、いや暗澹なる気分になりました。

  • 元NHK・ワシントン支局長を務めた手嶋龍一氏による、9.11から2011年のビン・ラディン殺害にいたるまでのアメリカのインテリジェンスをめぐるノン・フィクション。

    最初に感じたのは、手嶋氏の文章は相当うまいし、筆致は冷静である。こういうジャーナリストが手がける文章は、往々にして、「感情」がほとばしってしまい、短絡的に結論を印象付けることに陥りやすい。
    それに対して、氏の文章はキレもあり、英語で書かれた伝記やルポルタージュのようである。

    正直に言って、この本に書かれている内容が正確かどうかはわからない。しかし、ふだん我々が接するニュースのレベルとは取材の掘り下げ方が段違いであるということはわかる。

    ただ、アメリカ政府によるインテリジェンスの不全を投げかける著者そもそもの意図はわからないでもないが、そこについては、単に属人の問題ではないのだから、もう少し広い視野で語る必要があると感じた。

  • 「スギハラダラー」の続きで、スティーブンとマイケルの活躍かと思ひきや、
    さにあらず。9.11からビンラディンの殺害、3.11の東日本大震災までの
    出来事を辿りながらの手嶋龍一氏の警世の書であつた。
    3.11の在日米軍の際立った動きと菅直人率いる日本側の不様な行動を
    対比した場面は読み応へがあつた。
    「在日米軍は迷惑施設」と明言する北沢防衛大臣等、日本の防衛意識、
    危機意識の欠如は深刻である。

  • まるで、テレビのドキュメンタリーを見ているような感覚になった。
    情報を集めて分析し、それらを編集統合して、映像ではなく本にまとめたという感じ。長年の現場での記者経験が活かされていると思った。

    著者のインテリジェンスが伝わって来る、読み応えのある本でした。

    尚。この本を購入したきっかけは、以下のインターネット番組「ラジオ版 学問ノススメ」2012年1月16日放送だった。http://podcast.jfn.co.jp/poddata/susume/susume_vol303.mp3

  • 本書はいろいろ示唆に富んだ本である。

    佐藤優氏の一連の著作により「インテリジェンス」という言葉がかなり浸透したが、手嶋氏によれば、「インテリジェンス」は決して万能なものではなく、人が扱うものであう以上、特にその時の宰相の姿勢や器により、集まる情報の質(信憑性を含む。)も量も自ずと変質してしまう、といった視座が大変参考になった。

  • 手嶋龍一氏の講演を実際に聴いているので、新鮮さはなかった。しかし初めて読む人にとっては、面白いだろう。おととし聴いたとき朝鮮半島には今後数年、何も発生しないと断言されていたが、砲撃事件、沈没事件等の末、金正日が死去した。インテリジェンスでも読み解けなかったか。中国外務関係は、「戴秉国」氏を見ろ、ということで大変参考になっている。

  • ありえない事態が現実となることの隠喩「ブラック・スワン」。

    アメリカの中枢が狙われた自爆テロ。安全神話が崩された日本の原発。

    9.11米同時多発テロ事件から3.11東日本大震災までの10年間にわたる、国家間のインテリジェンス戦争を、NHKワシントン支局長だった著者がノンフィクションで描いています。

    同時多発テロ以後の日米関係や、東日本大震災直後の福島第一原発への対応の裏側を知ることができます。

    精度の高い情報を引き出し、素早く的確な決断を下すシステムが機能不全に陥っている日本。
    危機感を覚えながら最後まで一気に読める一冊です。

  • (元)NHK社員でもここまでインテリジェンスに迫れる手嶋さんの実力に脱帽。9.11、ブッシュの戦争、オバマの戦争、沖縄問題、3.11とここ最近の日本と米国について、流れを追いながら、かつ今まで見聞きしてこなった内容も含めて読み易くまとめまっています。

    経済の分野から歴史的な視点で現代をまとめた水野さんの『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』と対をなすようなイメージで、米国と日本の政治から現代をまとめた感じの位置づけでしょうか。

    特に日本の政治や、原発問題などが気になる方には特におすすめです。バタバタしててレビュー書き遅れw(2012.01.01読了)

  • 東アジア、世界における日本のプレゼンスの衰退を改めて認識させられる一冊。震災におけるアメリカと日本の初動の違いにはさすがに情けなくなります。一体どちらが当事者なのか。「情報とは命じて集まるものではなく、リーダーの力量で磁石のように吸い寄せるもの」。ガツンときました。今の政権は官僚の使い方がわからないんじゃないかと推測します。
    手嶋さんの取材力は圧巻です。冒頭はまるでホワイトハウスの現場に同席しているかのよう。圧倒的な臨場感で一気に読めました。

  • アメリカVSアルカイダ、9.11でのご自身のルポ、鳩山政権でのインテリジェンス的失政を中心とする日本のインテリジェンス政策への嘆き、北朝鮮、中国、ロシア近隣国との関係、最後は東日本大震災。ビンラディン暗殺に要したブラックホークで始まり、ブラックスワンと称した大震災に至るまで、ルポでありながらもフィクションとさえ思わせる様な文章は圧巻です。
    さすが、文民インテリジェンスオフィサーの手嶋さんならではの仕上がり振りに満足してます。

  • 日本のインテリジェンスの貧弱さがとても哀しくなる。今回のISISの事件の対応にしても、この本の頃からなにも改善されていないように思えてならない。

  • 世界を引いて見て、全体の関係や流れを把握する視点、アウトプットする表現力が素晴らしい。

    3.11での世界と日本の対比は読んでいて、当時の政府へ漠然と感じていたもどかしさが蘇ってきてつらかった。

    誰かの行動や発言を切り取っての批判ではなく、日本を憂えるが故の、もっと大きな視点からのメッセージなんだと理解した。

    手嶋さんの著作のおかげで、世界で起こっていることへ、リアリティを持って関心を向けられるようになった。

  • おもしろくなかった。

  • オサマビンラディンの暗殺劇をホワイトハウスの側からドキュメンタリータッチで追跡し、いきなり引き込まれてしまった。
    9.11のテロ情報をホワイトハウスは2か月前には知っていたこと、防ぐ手立てはあったのではないか、イラク戦争が、たった一人の亡命者の作り話から尾ひれをつけて、ブッシュ大統領の思い込みを増長させて、都合のいい話に祭り上げられてしまい、イラクを戦禍に巻き込んでしまったこと、 3.11の時の民主党の対応がいかにひどいものだったかを、情報のクオリティ面から評価した本だと思う。 緊迫した局面が伝わってくる 今となってはエンタメ性の高い本だとおもう。

  • インテリジェンスの凄まじさ。その真価は危機の時にこそ問われるものだ。一流のインテリジェントとそれを使う能力のあるリーダーが同時に存在しなければ国を危うくする。

  • 経験豊富で日米のVIPの人となりに触れた経験を持つ元ジャーナリストの作者による、インテリジェンスの第一線に触れたノンフィクション。
    正常な想像力で物事をみていくと、我が国に足りないもの、政治指導者と権力中枢に不足していることが見えてくる。
    SEALSによるアルカイダ指導者の暗殺から、米国をめぐる、パキスタン、中国、さらにはスーダン、イラク、ウクライナなどの国々からもたらされるインテリジェンスの話、我が国を巡る中国、北朝鮮、そして沖縄米軍基地問題の成り行き。地勢、経済、政治、軍事に精通した上で、人脈もなければ書けないと思われる。
    決してエンターテイメントではなく、シビアな現実を赤裸々に記している。
    福島第一原発事故への政府の対応について、菅首相と、政府のシステムに対する批判は手厳しい。
    多民族国家、米国が危機に面した時に、無私の心が国のシステムを護る、ユナイテッド93便のエピソードはそれを物語っている。
    MC-130Pコンバット・シャドー特殊作戦機を筆頭に松島基地に舞い降りた米軍、1995年、村山政権下で何もできなかったことを「教訓」として、独断専行と言っていい形で、救援活動を行い、米国民に半径80km圏内からの退避を呼びかけた。
    覚悟無き民に、主権は持続できないということか。
    米国により民主主義を植え付けられた幾多の国の中で、我が国の政治がこの有様では他国に向ける顔はない。政治を立て直さなければ。

  • Factaなどで度々薦められているのを見て、図書館で手に取る。
    本書を読んで、「大国が互いにしのぎを削る冷徹な世界にあっては、力を持つものこそが正義なのである。」このリシュリュー卿の言葉に続きがあることを知った。「力を持たないものは自分の存在そのものが悪だと決めつけられないよう振る舞うのが精々のところなのだ」
    普天間基地問題についての鳩山元総理以下民主党政権に対して筆者は舌鋒鋭く批判する。
    そこまでは大いに賛同できるが、福島第一原発事故について当時の首相のリーダーシップ欠如にその原因を求めるのは些か酷ではないか。本書が刊行されたあとの、様々な報告書を読む限り、政府が原子炉への海水注入をその後の復旧コストを理由に躊躇したという事実はないはずだ。

  • 手嶋さんはさすがに文章がドラマチックで読ませるなぁと感心。インテリジェンスの現場での臨場感あふれる描写は一読の価値あり。
    情報が膨大に取得でき、それを評価してストーリーを描くことは難しく、また今までのどの時代よりも不確実性が高まっていると思われている現在の状況(本当にそうなのかは議論ありだが‥)、からすれば筆者が指摘するようなインテリジェントの獲得には、骨太な歴史観や各地域、民族に対する理解が必要なのだと思う次第。

  • 「想像すらできない事態を想定して危機に備えておけ」
    ヒロシマから66年後にブラックスワンがフクシマに舞い降りた、と書かれた後に、管首相も舞い降りたの小見出し。
    バフェットの言葉を思い出す。
    「愚か者でも経営できるビジネスに投資しなさい。なぜなら、いつか必ず愚かな経営者が現れるからだ」
    想像すらできない事態を想定して危機に備えなければいけない。数百年に一度の天災に、優れた人物がトップの座にいるとは限らないのだから。

  • もちろん反対の立場からの言い分も聞くべきだが、日本の立ち位置、組むべき相手がどこなのか、説得力を持って迫る。
    グローバル・スタンダードという言葉は最近、小人の都合の良い言葉としてばかり利用されているが、本来こういう叙述にこそ使用してしかるべき。

  • インテリジェンスですべてが語り尽くされるわけではない。しかし、インテリジェンスなき国家の生き残りはほとんど困難であるというリアリズムの世界を垣間見た。

  • NAVY SEALSによるビンラディン殺害の話。
    なぜブラックスワンなのかは不明です。。。いや本当に不明。。。ドキュメンタリ本でアメリカの科学技術がいかにすごいか書いてあったような。

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ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争の作品紹介

ビンラディンの頭上を、突如急襲した黒い鷹。それは9・11以降十年に及ぶ謀報活動にアメリカが凱歌をあげた瞬間だった。だがまさにその時、フクシマの地は、ブラック・スワンの羽に覆われていた。原子炉にヘリで注水する果敢な「特攻作戦」も、日本が現代インテリジェンス戦に敗北しつつある象徴だった。日米同盟の亀裂と外交的孤立に二十年以上前から警鐘を鳴らして止まなかった著者の、書き下ろしノンフィクション大作。

ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争はこんな本です

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