なんくるない

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103834069

感想・レビュー・書評

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  • 大切な人を失って落ち込んだり、心を通わせ合える人に出会って喜んだり、生きていると良いこととそうでないことが繰り返しやってくる。どんな人生にも波がある。辛い時、そう思うと少し心が楽になるような気がする。「人間ってそんなにはがんばれないものだから……。そして、がんばるために生まれてきたわけじゃないから」こんな言葉をかけてくれる人物は小説の中にしか存在しないかもしれない。わたしもがんばりすぎてたかな。肩の力がふっと抜けた気がした。

    p27幸福な午後が夕方に向かってゆったりと流れていった。

    p69これからの人生、私は自分で選んだ人生のあまりの重みに、何度もだめになりそうになるだろう。

    p100「でも君は思い通りに生きたいんだろう?少しも人に合わせてやっていこうという気持ちがないんだろう?不器用そうに見せかけているけれど、奥の奥では人を見下しているんじゃないの?だからわかる人にはわかるんだよ。」

    人間ってそんなにはがんばれないものだから……。そして、がんばるために生まれてきたわけじゃないから。

    「自分でそう決めたなら、大切なことね。」

  • 初期のこの作家サンの作品はすごく共感したが、何かがずれてきた感じ。
    度が過ぎてきたというか。
    あの、染み込んでくる切なさはどこに行っちゃったんだろう。

  • 宿の車が迎えに来てくれたのを、家族みんなで確認した。あ、あそこに見えてる、本当だ、宿の名前が見える、そういう感じではしゃいで指さした。スピードを落とす船のデッキから、島の港が見えてきた。波は静かにゆらめき、真っ青な海の色をきわだたせた。

  • ちんぬくじゅうしいはすき。他は、うーん。特に表題作は好きになれなかった。お気楽で社会とは切り離されて、場の流れでなんとかなるさって感じで。それを沖縄らしさとして表現したのだろうけど、私はそれをばななさん世代の感覚として捉えてしまって、しらけてしまった。ああ、上の世代はこんな考え方なんやな、しあわせそうでええこっちゃな、って。ばななさんの作品は昔の方が好きかもなあ。

  • 読むの2度目。
    沖縄に旅立つまでの話は好きじゃないけれど表題作「なんくるない」は何度読んでも面白いです。
    ピンキーちゃんの「ダメ男、何人知り合えどダメはダメ」という川柳、秀作です!

  • 3月5日

  • なるほど。

  • 以下表題作から引用<br>
    >寝て起きるってすごい癒しだなあ、と私は感心した。<br>
    >わかってもらえるということはただそれだけで、もう「今寝てもいいよ」っていうふうにふわふわに整えられたベットを用意してもらってるのと同じくらいに、ほっとさせられものだ。<br>
    >ありがとう、と誰にも言えないから空にむかって思った。行き場のない悲しみよりも行き場のない感謝の方が好きだ。<br>
    ここと『リッスン』が好き。でも平紐のしおりがもっと好きです。
    <div align=right>(04.12.10 読了)</div>

著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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