イヤシノウタ

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 423
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103834113

感想・レビュー・書評

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  • エッセイ。
    読んでいると、温かくなる本だった。
    やっぱりよしもとばなな。

    ドットコムシリーズと違って、読むと落ち着く。

    札幌市の図書館で借りた本。

  • 違うことをしないこと、を読んだあとだったのだが、これを読むと「違うこと」についてよく理解できるきがする。
    読むと自分がとてもニュートラルになれた。大変でない人生はないし、という一文で。
    あれもこれもそれも、大きな流れ、自分の居心地の良い老年期がくるんだな。どうしたって人生はままならず、大変だし、でもだからこそ他の誰1人として同じにはならない自分なりの心地良さのバランスを見つけていく。
    清志郎さんのイヤシノウタ、の歌詞がいい。そうはさせない、って。それが人生ー!ってかんじ。
    わたしも、自然のものが好きだが都会的な刺激やアイテムも必要とする。そういう自分の心地よいバランスを見つけていけばよいのか、とホッとした。
    周りと違っても、気にしないでいよう、ではなくて、自然と気にならなくなる、というものなのでは。
    お酒のくだりがよかったな。あれほど夜更けの空に笑い声を響かせ、何本もワインのボトルを空けて、そうした熱気と笑いの充満していた若い日々のことも否定せず、50代からの自分の身体を労い、身体の声を聴く暮らし、というトーンが心地よい。
    ばななさんて入籍をしなかったのね、そしてこれほど「お嫁さんにならなかった」女性たちに対する想いを持った方だったのね。
    肉体の恋だと別れる時に身が千切れるように痛みを伴うということ。

  • 透き通っていく。

  • ばななさんの小説にはまったのはTSUGUMIからのN・Pで、
    エッセイなども含めてすべての本を読み漁りました。
    しかしながら一時期、なにか違和感を覚えて遠ざかっていました。
    大人になってからまた読むようになりました。

    多分、一時期離れたのは違和感に対処できなかったからかなと思います。
    はまっていただけに、本の中で正しいこととして語られている事柄が
    自分は正しいと思えないとき、うまく自分の中で消化できなかったのです。
    大人になってある程度自分の考えが確立されたせいなのか
    違和感はあってもそれに戸惑うことはなくなりました。

    今回のこの本にもところどころ違和感はありました。
    でも、ここは一緒だけれどここは私の考えとは違う。ただそれだけのことだ、と思えるようになりました。


    私は数年前に愛犬を亡くしましたが、数年経ったということが全く信じられない状態なので、『いつも去年』に大変共感を覚えました。

    プライベートのときに仕事の話は野暮だという感覚、確かに最近の人には無さそうです。
    プライベートでも顔を売ってなんとかして繋ごうというのがむしろやり手に思われています。
    お礼もせずに聞き逃げをするような人からアイディアを守るためにはお金を取るしかないというのも確かにそうです。
    でも、なんだか寂しいなと思います。
    対価を払うのは当たり前ですが、今の世の中「こんなことでお金を取るの?」と思うことにはちょくちょく出会います。
    反対に、これぽっちのお金でこんなに大切なことを教えてもらって良いのだろうか、と思うこともちょくちょくあります。
    自分は後者でいたいし、後者の人にお金を落としていきたいなと思っています。

    身体が表に出ない痛みを肩代わりしてきた、という言葉にも共感です。
    自分の身体のことが自分で一番わかっていなかったりして、身体に不具合が出て初めて
    「私、そんなに辛かったんだ」と気がついたことは何度かありますし、十代の頃のように体力にまかせて酷使せず
    大切に労ってメンテナンスしてあげようと思っています。
    肉体を器だと私は思っていて、よくある言い方だと思うのですが、馬という表現もまた面白いです。
    馬に乗って、馬の面倒を見ながら人馬一体でする旅という考え方は素敵だなと思いました。

    だめもと詐欺という言葉、面白いし確かに、と頷いてしまいました。だめでもともと、OKだったら儲けもの、というだめもとで無茶を言い、相手が考えなしだったり、いい人過ぎてことわれなかったりするのを狙っている
    誠実さのない人に、時々出会うようになってしまったなと思います。
    これも近代日本の良くないところです。
    残念ながら、できるだけそうしたことからは距離を置き、自分はけしてしないという対処しかできないのでしょう。

  • 30代を目前に控えた私には、まだ早いなと思った。「自分のペースで無理なく、自分の大切なものだけを大切に思う」そんな生活はただしい。正しいけど、今の私にはまだ早い。45歳くらいになったら、また読んでみたいと思う。

  • 神様って、その人の覚悟だけを見ていて、神様をあてにしないで覚悟のままにがんばれば最後の最後のひとおしだけは手伝ってくれるんですって

  • 少し弱ってるこころもちのときに、するするとしみこむように読めた

  • 図書館で時系列を無視して借りているから、読んでいてこの本が最近のだと途中で気づいた。
    私にとってはDVDのまとめ借りみたいに、一気に読み進む作者の何十年の日々だけど、
    当たり前だけど、1日1日が、作者さんにとっては1日1日、一歩一歩だったのだなぁと、しみじみと思った。
    コーヒー屋さんですっきり1冊読み終わり。

  • 神様のリズムでが、いい。

  • 後半お腹一杯食傷気分。
    気持ちが疲れてんのか
    自己主張が強く感じて
    いまひとつ受け入れられなかった。

    【図書館・初読・11月4日読了】

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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