おしまいの日

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 200
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103858010

感想・レビュー・書評

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  • サイコホラーか。プロローグ1ページ目から文章に打ち消し線が引かれていたのが怖かった。
    春さんのことを想いすぎるあまり、じわりじわりと狂っていく三津子。日記に綴られる狂気の中の幻想はふわりふわりと掴みどころのない感じで、なんだか不思議な世界に迷い込んでしまった気分。黒く塗り潰すという表現方法が、視覚的に狂気を伝えてきて鳥肌が立った。

    あとがきの「おしまいの日ごっこ」のお話は面白かった。旦那さん、こんなことやられた日にはたまらないだろうなぁ(笑)

  • 市図書館にて。閉架。

    腕の鳥肌に耐えきれず読書を2度中断。複数視点1人称+日記体。1ページ目の日記に訂正線が引かれており、イタズラ書きがあるのかと思ってしまった。分かりやすい狂気。
    返却期限前日の夜に読み始めたので、読まない訳に行かず朝読了するも、朝ご飯を準備する気力が消滅。今は白米見たくない。

  • この本は、とても怖くて難しいと思いました。

    大まかに、この本を説明するとしたら、以下の様になるでしょう。

    「元々依存体質の専業主婦の主人公が、夫が仕事で忙しい為に孤独を抱え、心が壊れていき、最後には・・」

    しかし読み進めるうちに、主人公だけでなく、本全体から、歪みを感じました。

    読み終わり、電気を消して、久しぶりに暗闇が怖いと思いました。

    誰がどうと線引きがつけられない、やりきれなさを感じる本です。

    また、この本が主張している価値観は、とても偏っています。

    読んだ感想を色々な人から聞いて、論じ合いたい、そんな気持ちにさせる本でもあります。

  • 面白いホラー小説、と言うので読んでみたけれど期待外れ。
    「おしまいの日」って、何がおしまいなのかもよく分からない。結婚生活?
    あれだけ他人に依存してきた女性が、だれにも頼らず失踪したというのも不思議。

  • 2014年6月28日

  • 日々、仕事で帰りの遅い旦那の帰りを待つ三津子。食べるかどうかもわからない夕飯を作り、何時に帰ってくるかもわからない夫を待ち続けるほどに、そのうち夫は会社に殺されてしまうのではないかと思い始める。少しずつ壊れてゆく三津子の姿は、凄まじい。人間の精神が病んでいく一連の流れを覗き見しているような気持ちの悪さ。でも、確かに現代の社会には「当たり前のおかしさ」があるのは否定できない。そして、三津子のように旦那さんや恋人に依存しきってしまう人間も、少なくはない。色々考えさせられる作品でした。そして何気に、間くん(久美の旦那さん)が素敵。

  • ナルニア・ナルニア
    異常なのはどっち?
    ナルニア・ナルニア

    正直、疲れました。
    でも、お勧めします。

  • 最愛の夫を想うが故に、その想いが段々と狂気に変わってくお話。


    じわじわ怖い。けど読む手が止まらなくなる。なんか色々わからなくなってわぁーってなる。


    「相手のため」精神って、バランスと想像力が大切なんだろうなぁ‥。正直なところ、私、思い込みが激しい性質だから、みっちゃんほど極端ではないにしても、みっちゃんの気持ちがまったく理解できないわけではないかも。そして春さんも狂ってるよね‥。


    孤独とか不安とか、人が秘め持ち合わせている暗い感情を、とてもうまく表現したお話だと思う!私、きっと、この本、買っちゃう(笑)

  • 狂っていくけれど、かわいいから読めた。
    高校生のときに読んだいまでも好きな本。

  • もう15年以上前に読んだ本。
    夜、布団の中で読んでいたら気付いた時には朝になっていました。
    大好きな夫の帰りを待ちわびて、待ちわび過ぎて狂っていく主人公。
    帯にはサイコホラーとあります。
    当時、私はこの主人公が羨ましかった。
    不安や寂しさで狂ってしまえるのなら、どんなに楽だろうと。
    現実は不安や寂しさがどんなに激しくても人は狂わない。
    狂えない。
    現実の厳しさから逃げ出せないことの苦しさ。
    今は随分楽に生きられるようになったなぁ。

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著者プロフィール

1977年「わたしの中の・・・・・・」が奇想天外新人賞佳作に入賞し、デビュー。以後『いつか猫になる日まで』『結婚物語』『ひとめあなたに・・・』『おしまいの日』などを発表。1999年に発表した『チグリスとユーフラテス』が第20回日本SF大賞を受賞。

「2022年 『絶対猫から動かない 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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