家族の昭和

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著者 : 関川夏央
  • 新潮社 (2008年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103876045

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家族の昭和の感想・レビュー・書評

  • 久しぶりに関川夏央さんを読んだ。小説 テレビドラマ 映画で 昭和が如何に変貌して行ったのかを家族の切り口を透して論じているけどなかなか面白かった。工夫して一粒で二度美味しい方法(小説 テレビドラマ 映画を語り昭和を紐解く)で昭和を分析するとは、関川さん健在なり ですね。今は平成29年だけれど関川さんならば昭和92年 と言うべきかな(笑)

  • 社会の30年前は 「歴史化」 されるべきなのに、なかなかそうならない。とくに日本社会でそれを阻むのは、個人の感傷的 「回想」 の集合であるとする著者が、昭和時代の文藝表現(映像作品を含む)を 、「家族」 という断面で、「歴史」 として読み解いた刺激的な本です。
    あとがきに、『昨今、家族の崩壊を憂える声しきりだが、昭和戦後人が 「イデオロギー」 に翻弄されつつ 「衣食足りて不善をなす」 ということわりに従った必然の結果』 と厳しい。

    「...品のない大衆は昭和11年にもいたが、現代にもいる。数はさらに増している。技術の進歩と品格の向上には相関関係が無い。問題は、大衆の品のなさを嘆く自分もまた大衆のひとりにすぎない、というジレンマである。」 と、著者の目は澄んでいる。
    向田邦子 『父の詫び状』 に見る 「戦前の」 の夜、対比される、吉野源三郎 『君たちはどう生きるか』。女性シングル、幸田文 『流れる』 の戦後から、退屈と 「回想」 の、鎌田敏夫 『金曜日の妻たちへ』、『男女7人夏物語』、山田太一 『ふぞろいの林檎たち』。
    時間は恐ろしい。文が玉に教えた、大叔母に対する 「口上」 は、私には思い浮かばない。その外、ざっかけない、なんどり、脊梁骨を提起しろ...お手上げです。でも、回想は止めよう!

    「おとなは、大事なことは、
     ひとこともしゃべらないのだ」

  • 向田邦子と幸田文についての文章は、さすが関川夏央だとうなりつつ読みました。後半の金ツマの箇所は、前半ほどの説得力はなかったので★3つ。

  • 久々の関川夏央の新刊。と言っても今年の5月発行なので、発行から半年以上経過している。実際に購入したのも夏頃だったのであるが、なんだか読むのがもったいなくて(次にいつ新刊が発行になるのか分からないから)、これまでひっぱってきたが、とうとう読んでしまった。この本に対する感想も色々とあるが、それよりも書かずにいられないのが、今回のタイの政治的騒動の話だ。僕自身バンコクに住んでいて、かつ、空港閉鎖時にシンガポールに出かけていたため、帰ってくるのが大変だったという影響を受けている。関川夏央の本とは全く関係がないのだけれども、一言書いておきたい。まずクリアにしておきたいのは、今回の反政府運動、あるいは、反政府運動に反対する「親政府運動」とでも言うべきものが、とても大衆運動とは思えないということだ。反政府運動が自然発生的に起こったわけではないし、親政府運動も同じである。現在の首相および政治権力中枢にいるのはタクシン元首相の流れをくむ勢力であり、反政府運動をリードしているのは反タクシン勢力であるが、いずれもタイ社会からすれば、エリート層に属する人たちである。タクシン派が新興エリート、反タクシン派が守旧派エリートと一般的に位置づけられている。今回の騒動中の両派の活動は、どちらも一般大衆のVoluntaryな活動の結集ではない。要するに新旧の少数エリート層の権力争いだったとしか思えないのである。母数が少ないので何とも言えないのだけれども、私の周囲のタイ人で本件に熱くなっていた人は誰もいない。PADが首相府占拠を開始したのは8月下旬のことであり、既に3ケ月以上が経過しているが、それは大衆を巻き込んだ反政府運動には遂に発展しなかった。現地の新聞の世論調査等を見ても、あるいは、新聞の論調を見ても、タイ人一般は今回の騒動を「迷惑」と感じ、「お互いに話し合って早く解決して欲しい」と、すなわち、他人事だと思っている様子がありありと伝わってくるのである。一方で今回の空港閉鎖による影響はけっこう大きいように思う。タイから出国できなかった、あるいは、タイに入国できずに迷惑を蒙った旅行者、空輸できなかった貨物、観光のハイシーズンに起こったことによる経済的影響。でも、何よりもタイという国の評判を大きく損ねた点が一番大きな損失だと思う。バンコクに住んでいれば、首相府および空港周辺以外の場所は全く安全なことは分かるのだけれども、外国のテレビニュースで繰り返し流れる暴力的な場面、あるいは、途方にくれた旅行者の様子を見れば、タイという国は安全でもなければ、安定的な国とも思えなくなるのではないか、と考えずにいられない。それはタイへの観光客を減らし、タイへの投資を減らすというマイナスの影響を及ぼすことになるのではないかと思う。何が言いたいかというと、一部のパワーエリート層の権力争いにより国の評判が傷つき、結局、損失を受けるのはエリート層に属さない普通の人たち、という構図・構造である。程度の差はあれ、それは旧共産主義国家や、あるいは、昔の大日本帝国や現在の北朝鮮の構図・構造と相似形をなしていると言えるのではないだろうか。タイに仕事で頻繁に来るようになったのは数年前、実際に着任し生活と仕事の拠点をバンコクに持つようになってから数ヶ月。もともとタイは好きな国だったけれども、日常的にタイの人たちと接触しながら暮らすようになって、タイがより好きになっているだけに、今回の騒動は非常に残念だ。

  • 母が向田邦子のドラマを好んで見ていたこともあってか、子ども心に「向田邦子好き!」と思って、高校生〜大学生の頃に何作か読みました。
    そんなこともあり手にした本書ですが、幸田文の作品について書かれている章が、より興味深く読めました。
    実際のところ、幸田露伴も幸田文も読んでいないものの、本書を通して、幸田親子のことや昭和戦前、戦後あたりの価値観に共感したり、時代の隔たりを感じたり。。

    本として面白かったのですが、やや上の世代でないと、映画も本も、時代を共有するという点でタイムラグがないという意味で「知らない」ため、今ひとつ乗り切れなかったように思う。とはいえ、ばっちり昭和生まれなので、うっすらとではありますが、過ぎし日の昭和が懐かしく感じられた。

    本書で紹介されていた、幸田文作品はもちろんのこと、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』も読んでみたい。

  • 社会の三十年前は「歴史化」されるべきだ、との考えから小説や人気のあったテレビドラマなどを分析している。

    取り上げられている作品は、向田邦子『父の詫び状』と吉野源三郎『君たちはどう生きるか』、幸田文の『流れる』『おとうと』ほか。どれも愛読した作品だ。

    テレビドラマでは鎌田敏夫「金曜日の妻たちへ?」「男女7人夏物語」「秋物語」が中心に据えられ、山田太一の「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」「ふぞろいの林檎たち?」にも言及している。トレンディドラマとして人気を博したが、熱心な視聴者でなかったので、ストーリーを活字で追っていくだけに留まった。

    映画は小津安二郎の3作品。「麦秋」「東京物語」「秋刀魚の味」が取り上げられている。「東京物語」は最近観る機会があったのでしみじみと読んだ。

    テレビドラマの章は別として、著者が意図した分析よりも、作品自体の印象のほうが際だっている。

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家族の昭和の作品紹介

にぎやかだった茶の間。あの「家族」たちは、どこへ行ったのか-。向田邦子、吉野源三郎、幸田文、そして「金曜日の妻たちへ」…。「家族」の変遷から見た「昭和」の姿。

家族の昭和はこんな本です

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