似たものどうし: 慶次郎縁側日記傑作選

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 31
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103892199

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  • 小説新潮から「心にしみる悲しい話」をと、
    頼まれたのは深川澪通り木戸番小屋シリーズを執筆中。
    50枚くらいと依頼があったが、55枚65枚となり
    担当者の頭を抱えさせた。

    それが「その夜の雪」
    作者はそれで書き終えたという気持ちにはなれずに、
    間を置いて2編を書き、「慶次郎縁側日記」が始まることになる。

    このシリーズ、読者からもお叱りがあるようだが、
    慶次郎が主人公でありながら、その手下となる岡っ引きや、
    養子に入ることになる亡き娘の許嫁。
    はたまた、隣に住む実直な同心など話に据える主人公がかわる。
    そしてそれは、人の良きところだけを描くのではなく、
    悲しいまでの経験からそれぞれの陰の生き様まで映し出す。

    この本は、作者の制作秘話や、ファンのオススメの1編、
    ドラマ化され演じた俳優の心に残る1編などを収録。
    名作揃いの傑作編となっている。

    この1冊で、慶次郎縁側日記シリーズのエッセンスは
    堪能できるのだが、やはり、時間はかかっても、
    全シリーズを読み明かしたいと願ってしまう。

    人を丸ごとすっぽり包むように、良きことも悪きことも
    隠さず書き綴る文章は、切ないほどに刹那的で
    人の必死さが現れている。
    この1冊読んだだけでも、重量感溢れる前編後編の映画を
    見るようだ。是非是非オススメの1冊になった。

    まずは1冊をという入門編にふさわしい1冊

著者プロフィール

作家

「2017年 『化土記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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