神器 上: 軍艦「橿原」殺人事件

著者 :
  • 新潮社
3.33
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本棚登録 : 157
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103912026

作品紹介・あらすじ

昭和20年初頭、探偵小説好きの青年が上等水兵として、軽巡洋艦「橿原」に乗船した。そして艦底の倉庫でこれまで3人の変死事件があったことを知り、好奇心の蟲が騒ぎはじめる。「橿原」に隠された謎をめぐり憶測が飛交い、新たな変死事件は後を絶たず、艦内に不安が渦を巻き始める…。

感想・レビュー・書評

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  • 時に太平洋戦争末期。
    皇国の命運を決する特殊任務を担う(らしい)軍艦「橿原」。
    乗艦する一水兵の視点で語られる物語の前半部分は、
    饒舌な一人称によってあっちこっちへエピソードが脱線。
    なんだ、このヒト真面目に戦争する気が無いんだなw、
    というスタンスがありありと感じられてのんびりしたもんですが、
    やがて題にあるように「殺人事件」発生!
    でもかといって推理小説モードになる気配も無く。

    しだいに「ワルプルギスの夜」だの「ロンギヌスの槍」だの、
    謎めいた(胡散臭い)キーワードまで飛び出す始末!盛り上がる!
    「トヨハタ作戦」なる秘密作戦を下された橿原はどこへ向かうのだろうか?

    と、伝奇&戦争モノの世界観が固まってきたというのに、
    「禿げた鼠」の登場で一気に冷水をぶっかけられて読者としては「リセットされた」感もありつつ、
    (出た、メタ構造! 翻弄されるのも読書の醍醐味ですよな)
    こうなったら橿原の最期(?)を見届けてやろうじゃないか、と
    と下巻を求めて図書館に走るのだ。

  • 2020/11/27購入
    2020/12/24読了

  • R1/2/4

  • 可笑しくてニヤニヤしながら読み進めるが、次第に笑えない気持ちになってくる。

    不合理が合理となってしまう軍隊。
    思想、精神論、人命の価値。集団にいると大勢に引きずられてしまう不可解さ、など。
    暢気なムードの中に滑稽に書き表されるのが、目をそらしたいような、嫌な、恐ろしい気持ちにさせられる。

    毛抜け鼠がいじらしい。

    軍艦の任務は一向に進まないまま、非現実的な広がりを見せて下巻へ。

  • 2016/09/07-09/27

  • 978-4-10-391202-6 412p 2009・1・25 ?

  • 艦長が艦と一心同体であるとのイメージが、艦長という存在に或る種の聖性を刻印し、指揮官としての迫力と威厳を付与しているのは疑えない。かくて「船=艦長」の図式が成り立つ以上、一般兵員が艦長なる存在に望むものは、判断力や勇気や仁愛といった武人的美徳もさることながら、なんといっても一番は強運ということになる。
    (P.60)

  • 作者がいう「ずらす」ということが良くわかる。

  • 難しくて分からないところもあって、
    (下)に続く。

  • 珍しく途中で挫折。なんとか上巻は読んだけど、下巻に進む気力は湧かなかった。
    ミステリーを基調にはしているのだろうけど、なんとも掴みどころのない展開。面白くないものを読み続けてもしょうがないので、すっぱりあきらめることにした。

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著者プロフィール

作家、近畿大学教授

「2011年 『私と世界、世界の私』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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