頭にちょっと風穴を―洗練された日本人になるために

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著者 : 廣淵升彦
  • 新潮社 (2008年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103937029

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頭にちょっと風穴を―洗練された日本人になるためにの感想・レビュー・書評

  • 国際ジャーナリストである著者の世界各国への滞在記をエッセイとしてまとめたもの。こういう本を読んだくらいで異文化理解が進むとも思えないけど、ベテランのジャーナリストによる魅力的な文章に触発されて、「私も行ってみたい」と思う人も多いんだろうな、と思う。個人的には、1981年に行われたカダフィ大佐への単独インタビューがとても面白かった。国民の支持が権力の源泉であるという意識があり、政敵は徹底的に除去し、対外的には少し臆病な独裁者を抱いた独裁政権は、意外と安定してうまくまわるのではないかと思っている。カダフィも30年間頑張ったことだし。

  • 知的。

    色々な国の思想や哲学、宗教観などを『食べ物』を通して、広~く深~く読み解いていきます。
    ‘ちょっと’どころではなく、大きな風穴が開く、知的な本でございました。

    たとえば「タコ」。
    外国では何故かデビルフィッシュなどと恐ろしいネーミングをされ意味嫌われてる感がありますが、まずタコを食べる文化がある国とない国があります。
    その中で宗教上の事由で「食べてはいけない国」というのがあります。
    ただ同じ宗教でも食べる地域と食べない地域があったりしますが、それはその宗教の浸潤度合いに関係があります。
    その宗教が伝来された時、すでにタコを食べる文化が根付いている場合、そこに改宗を迫る上での妥協が窺えるわけです。
    そして、もう少し掘り下げると旧約聖書には「水にありてヒレやウロコなき者は、忌まわしきものたるべし」と書かれてるそうで、貝やフカ(サメ)も含まれるそうです。
    ただ、現実にはフカは美味しい・・・
    そこでイランの最高指導者ハメネイ師が「フカにはウロコがある!」との聖断を下し、人々はフカに飛びつき、ペルシャ湾のフカが激減したとかしないとか!?
    これを「寛容なる英断」とみるか「単なる堕落」と捉えるかは信心の深さに由来するでしょう。
    原則も大事ですが、現実との折り合いも大切なわけです。

    人には自分たちが食べないものを食べる民族や人種への偏見があるようで、これを踏まえると「反捕鯨」の人々の心理が、単純に食肉業界からの後押しによるものだけでは無さそうな気がいたします。

    その他にも、トマト、じゃがいも、アイスクリーム、カレー、チョコレート、天ぷらうどん etc
    と、お腹いっぱいです。


    「自国には無いが、他の文化圏には等しくあるもの」
    「自国では通用するが、他国では通用しない価値感」
    これを柔軟に 理解しておくのは無用な偏見を無くす上でも大切だと思いました。

    本書を読むと
    「洗練された人々が、国の最大の安全保障になるんだよね~」
    とか、クールなセリフが言えるようになれます。

    たぶん、私の場合は3日ぐらいで忘れるんでしょうけどね。

  • ずばり、日本人なら読んでおくべき本です。自分を含め日本人の無知を非常に恥ずかしく思いました。よくこんなんで恥ずかしくもなく外国人とコミュニケーションを取ってきましたね。こういうことを知らないまま外国人と接触しようとしてはいけない、と強く思いました。政治家にはとくに、全員に読んでもらいたい。新聞がどれだけあてにならないかがわかります。

    この本は、新潮社のPR誌『波』で新刊情報を見て読んでみたいと思い、図書館で検索したら、同じ日に発売された他の新潮社の新刊はあるのにこの本はなぜかなかったので、リクエスト予約をするつもりでおりました。それが少し経ってから見てみたら、おっ、入ってる!! すでに数名の予約者がいたのですぐ予約を入れました。誰かがリクエストしてくれたのかも。

    ほんっっっとに、つくづく、読んで良かったです。買っとこうかと思ってるくらい。まさしく、頭に風穴を空けてくれました。

    目次を見ると、食べ物の名前が並んでいます。読んでみると、食べ物の話から各国の情勢へと話が流れ、楽しく読んでいるうちに、最後には自分の無知を思い知らされていたたまれなくなります。といってもすごく読みやすいのでご心配なく。おもしろおかしく軽く読めます。いつの間にか、この人の話を夢中になって聞いている感じ。

    『ナルニア国物語』のターキッシュディライトは決して「プリン」などではないし、インドネシアの航空会社名「ガルーダ」の意味もちゃんと知っておきたい。

    パリの高級レストランで、夕刻、<そこそこ上品で、とくにマナーが悪そう>ではなかったのに、日本人の女性たちが入店を断られたのはどうしてなのか。

    日本ではバレンタインに女性が男性にチョコレートをプレゼントするけど、これがいかにこっぱずかしいことなのか。

    いまだに少年たちを奴隷として売り買いしている国があって、その恩恵を日本も多分に受けているという事実。

    日本では「エリート」の意味を大きく履き違えていて、真の「エリート」なんて一人もいないということ。

    なぜ、世界の子午線を決める銅線が、イギリスはロンドンのグリニッジになったのか。

    こういうことを、まずは知るべきです。そうすれば、<自分がいかに恵まれているかを悟り、悩みともいえないようなことで悩んだり腹を立てていたことが分かってくるはず>、と著者は言います。

    本書を読むと、自分も含めて日本人は平和ボケというよりも、もはやバカだとしか思えなくなってきます。本当に恥ずかしい。

    そして、こんな中国でオリンピックなんかやって大丈夫か、ちゃんと何事もなくオリンピックを始め、終えることができるのか、不安になりました。

    この本で、東西南北、地球を見渡してみて、この世界を初めて「狭い」と感じました。狭いのに、知らなすぎる。もっともっと、世界の国々のことを、この本に書いてあるようなことを知りたいと思いました。

    まずは自分の無知を知ること。それが洗練された日本人への第一歩だと思います。

    読了日:2008年7月27日(日)

  • 図書館で借りた本。

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