残穢

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著者 : 小野不由美
  • 新潮社 (2012年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103970040

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残穢の感想・レビュー・書評

  • 澄んだ水の中に一滴の墨をぽたりとたらす。
    墨はじんわり周囲を黒く染める。
    すぐに墨を掬い出しても、濁りを完全に取り除くことはできずに残り、
    澄み切った水には戻らない。
    そこに澄んだ水をいれる。
    残った墨は薄くなるけれど、むしろ新しく入れた水も墨に汚染される…。

    そんなイメージを喚起させられる。
    土地の穢れ。
    お祓いをしても取り壊し新しく建物を建ててもなお残る穢れ。
    事情を知る人がいなくなったあとも穢れは土地を黒く染めたまま、
    連鎖するようにさらなる穢れが発生し、住人の居つかない建物となる。
    恐るべきことに、二重、三重の穢れは住人にも伝染し、引越し先でも
    怪奇現象に悩まされる者もいる。

    これは小説?それともルポ?
    夜中に読むと怖くて怖くて、ドアの向こうのトイレに行けなくなり、
    寝てる夫を起こそうかと思った。結局、トイレは我慢して寝た。
    筆者の小説家たる職業、自宅の購入に至る経緯、身体に生じる異変など、
    実際の出来事を交えながら時系列で進むので、とても創作とは思えない。
    話の発端は、筆者が知人の久保さんに、引越し先のマンションで
    時折畳を擦るような音が聞こえる、という話を聞いたことに始まる。
    そして、畳を擦る帯らしきものを見たとも…。

    マンションの前住人を辿るうちに、他にも住人の居着かない部屋があること、
    首を吊る女性の姿を見た者が複数名もいること(怖いっ!)、
    前住人が引越し後に他のマンションで自殺していることなどを知る。
    しかし、実際にはこのマンションで首を吊って死んだ女性はいないという。
    この土地には過去に何があったのか。
    辿り着く先にあるその元凶とは…

    霊感の有無だけでは語れない怪奇現象が世の中にあるようだ。
    引越しの多い私は、完全なる流動民で、土地の歴史など考えたこともなければ、
    古くからの住人との交流も薄い。
    これまでは家賃や利便性だけで選んできた部屋探し。
    怪奇現象の類は信じるけれど、霊感はないから大丈夫!
    と根拠なき自信に支えられていたので、これからの引越しが怖すぎる。
    そういえばこの間、金縛りに遭ったりしたけど、そもそも今の家は大丈夫なの…!?

    世の中には記録するだけで祟られる怪談がある。
    この本の中でも何度も語られるこの話。
    実際に元凶を辿る人たちが事故に遭ったり心身に不調を感じたしたとのこと。
    とすれば、この本自体、かなりの危険を孕んでいるように思われて。
    そう思うと、普通のホラー以上に、とにかくぞっとする。

  • いやー。半端なくこわかった。噂通りでした。
    読んだ時は背筋がゾゾゾゾ…、後ろが気になる。

    と言うか、これ書いていいの?と読み始めは思ったし、流れが
    「呪怨」みたいだ。。。と思ったら、やっぱり途中で「呪怨」が
    たとえ話で出てきて、ビビった。

    こういうの加門七海さんもよく書くよね。
    加門さんの書著で、綿密な計画の基に実行された
    呪われた三角形借家のお話を思い出しちゃった(><;)

    もう話が広大でここまで調べた小野さんに脱帽。
    途中で東雅夫さんや平山夢明さんも出てきて
    すんごく面白かった。(怖さもあったけど展開がすごかった)

    戦後期Ⅱの「触穢=そくえ=」(226ページ)のあたりが
    クライマックス。穢れについて分かりやすく解説されていた。

    一番印象的だったのが「魔をもって魔を払う」
    (真似はしないけど)

    残穢の元凶に行きついたところは怖いを通り越して
    「悲哀」や「悲壮」を感じた。
    一つの家が原因は何であれ悲運が続いて、没落していく
    様は、どんな小説よりも悲しかった。

    =樹の根元に坐った女性が頭上の枝を見上げている=
    271ページ
    不幸を呼ぶと言われていた一枚の絵。
    絵の中の“坐っている女性”が
    なんで樹の上を見上げて、見上げた目線の先にあるものは
    なんだろう…とか考えると、やはり怖いものがあった。

    イメージが何となく「屍鬼」していました。
    こういうコツコツと調べるのが小説の元になるんだなぁ…。
    あらためてスゴイ!と感じた。

    広がりすぎた穢れは、広がりすぎたが故に
    最終的には終息する。無事に終わったのでよかったけど
    終わり方が尻切れっぽくって、そこがまた怖かったり
    気になったりする。


    でも、この本を読み驚いたことが。。。
    数か所で小野さんの旦那さんの話があって、気になって
    調べてみて仰天(°°;)

    それは小野さんの旦那様が綾辻さんで、同じ小説仲間に
    我孫子さんや法月さんなどがいるということ。
    すごいネットワークにたまげた。
    (小説に全然関係ない。。。汗)

    さ、お次は『鬼談百景』を読む。

  • 作者が友人に起こる怪異を探るうちに
    どんどんその根っこは時代をさかのぼり、深く。
    怪異の枝は広くなっていく…。

    過度な表現や、残酷な表現はない(残酷な事件の報告はあるが)が、なんとも言えず、こわい。

    自分の後ろが気になり、壁に背中をつけて読んだ。

    先が知りたいが、一気に読むとなんかありそうで、タイマーで時間を区切りながら読んだ。

    (事実に基づく?)フィクションであろうに、(あってほしい!)「もう二人とも、そのへんで調査やめて!」と本気で思った。

    淡々と論理的に怪異の訳を解説するのが逆に忍び寄る恐怖を感じさせる。

    ただ、「汚染」「キャリア」という表現は、私個人があまり受け入れられなかった。
    フィクションだ!
    と言い聞かせつつも、身近な場所や記憶にある出来事が書かれているので、
    「まさか、あの…」と思い、落ち着かなかった。

    読み終えて、甘いものと、ほんわりした本で気持ちの切り替え中…

    早く図書館に返そう…

  • 穢れは伝染する――


    ドキュメンタリーの形式で語られる、一件の体験談をきっかけに書かれることとなった作品。

    このレビューを書くこと自体がやばいのではと本気で心配するチキンには、刺激とじわじわと這い寄ってくる恐怖が強すぎた。

    小野不由美さんの作品が好きで煽り文句も読まず購入。変わらないクオリティの高い文章。次章へ入る前に読者の恐怖を煽ることを忘れず、怖いのに文章が私を惹き付ける……が。


    正直に言う。チキンは最終章を読めていない。

    怖いものみたさ、という奴も引っ込むほど、私にとってこれは怖かった。というのも、ゴーストハントのように間にコミカルな会話が入るわけでも、屍鬼のように現実を舞台としたホラーながら、心の底ではこれはファンタジーだという安心できる、そんな作品ではなかったからだ。

    文章は素晴らしい。
    大作であると思う。

    だが安心感のないリアルな恐怖に耐えられない人には、いくら小野不由美の作品だからとはいえ私はお薦めしない。

    逆にホラーに耐えられる読者には、私はこの物語をお薦めしよう。

    さて、このレビューをご覧になった貴方はどちらだろうか……?

  • ほんとに怖い。。
    持っていたくなくなるほど怖いのに(図書館で借りてよかった)、一度読み始めると、不思議なほど次へ次へとページを繰らずにはいられない。各章の最後の一文が読者を突き放し、恐怖をかきたてる。読者は、突き放されたままでは怖くていられないから、事の真相に迫ることで少しでも安心したくて(知れば安心できるという保証はないのだが)、急いで読み進める。怖いなあ、うまいなあ、でもやっぱり怖いなあ、と思いながら、結局3回ほど読んだ。

    合理的・現実主義的な考え方に終始する(しようと努める?)名無しの主人公の、ルポルタージュ風の語り口が怖さをかえって増大させる。
    後半になって話が拡大し、さらに実在の企業や人物が登場してくると、事実とフィクションとの境目がわからなくなってますます怖い。フィクションですよとひとこと言ってもらえれば怖くないのに。

    映画は絶対に見るまい。

  • 簡単に言うと、家に憑くオバケの話…なんだけどその描写が生々しいのと真相を探るうちに家に憑くと言うより人に憑いて移動してウイルスのように感染する展開になってしかも実話?みたいになって、ちょっと待って、これ読んだだけでは憑かないよね?大丈夫?と焦る一冊だった(汗)
    …映画化は…観ません、観れません…(汗)

  • 途中まで平気に淡々と読んでいたのだけれど怖いです。
    スペクタルなホラーは日常と乖離しているので面白がれるのですが、残穢は勘違いかなレベルの日常的に良くある音や現象が多く実際の家の中の音とかが怖くてしょうがなくなりました。
    引っ越しても着いて来るのも怖い。

  • 【読了】残穢/小野不由美

    あーゾクゾクした!
    ホラー小説は夏真っ盛りよりも晩夏(初秋ともいう?)に読む方が涼しさも相まってより雰囲気がでるきがする。

    小野不由美というと、十二国記児シリーズのイメージが強くこういうものも書くのかと意外だった。

    主人公は京都在住の作家で同じく作家の夫を持つ<私>、過去にホラー児童書を出版しており、作者あとがきに書いてあった「何か怖い話があったら教えて欲しい」というような内容を読んだ読者から寄せられた「住んでいる部屋に何かが居る気がする」という手紙から話は始まる。
    調べるにあたり話は過去まで遡り…。
    ルポルタージュ風に話は進んでいくのだが

    もうこれ小野不由美だろ!!!

    と何回も突っ込みたくなる。
    小野不由美の在住所も京都だし、夫はミステリー作家の綾辻行人だし…。
    え、じゃあ本当に寄せられた話なのか?とするとこれは日本のどこかにある話???
    とありそうな設定だけにより怖さが増し、また想像も膨らむ。
    ただこの主人公の<私>はホラー作家の癖に(むしろだから、と言うべきか)自分から話のネタがあれば教えてくれと言っておきながら、飛び込んでくる怪奇話に懐疑的な姿勢を貫く。
    こういう事象が起きている、いやたんに気にし過ぎではないのか…などなど。
    いちいち一度否定が入る。
    だからこそその後の展開での気味の悪さが増すのかもしれないが、さすがにしつこいぞ…と思わなくもない。
    あまりに頑ななのもいかがと思った次第。

    話自体はもの凄くホラーというわけではないのだけど、この「実際にあるかもしれない」という感覚がなかなかに怖い。
    読んでから知ったのだが2016年には映画が公開されるらしく、この怖さがどう表現されるのか気になるところではある。
    出来るならただそれらしい霊を出してビックリさせて終わりではなく、気味の悪さを大事にして欲しいなと思ったりする。

    しかし、こういう本を読んでいるといつもはあまり気にならない家鳴りが気になりますね。
    パキッとかバキッとか。
    幸い赤ちゃんの泣き声は聞いていませんが…。
    今年の残暑は涼しいと聞きますが、少しひんやりしたい方にはオススメです。

  • こわい!
    たんたんと話が進み、気が付くと誰かの残した気配の中にいる。
    ひしひしと感じる怖さが…

  • 読み終わるまで、ものすごく怖くて、たまらなかった。絶対、途中で放りだしたらダメだ!という変な強迫観念で、一気読み。一人でいるときに読みたくない。

    ものすごく冷静に描いているのが、余計恐ろしい。最初のほうの、何が起きているんだろう?というワケの分からなさが一番怖かった。あまりにたくさんの人がでてくるので、地図と関係図とか欲しい気がする(笑)

  • ルポ風に書かれたホラーストーリー。
    読んでいて途中でこれって実話かも?と思いました。
    実在の作家さんの名前が出てきたから。
    ・・・という事はこの物語の主人公でルポを取る女性は作者なんだと思います。

    主人公は文庫ノーベルにホラーのシリーズを持っている作家。
    その文庫では「あとがき」に、読者に対して怖い話を知っていたら教えて欲しいと呼びかけていた。
    そして30代の女性からこんな手紙が届いた。

    自分の住んでいる部屋で箒で畳を掃く音がする。
    音の原因を探るもそれらしきものはない。
    そして彼女はとうとうある日、あるものを見てしまい、音の正体を知ってしまう。

    さらに作者のもとには別の女性から手紙が届いた。
    それは偶然にも前に紹介した手紙の女性と同じマンションに住んでいる女性で、彼女の2歳になる子供はあらぬ方をいつも見つめているという。
    子供に何を見ているか尋ねると、「ぶらんこ」と言う。
    そこにはぶら下がっている何かがあるらしい-。

    そこで作者は手紙の差出人と共にそのマンションで自殺者や事件がなかったか不動産屋に問い合わせるも何もそれらしい事はないと言う。
    そのマンションが建つ前、そこは駐車場で、さらにその前はただの空地だったらしく、それらしい因縁話は見つからないが-。

    彼らはさらにその土地について、高度成長期、戦後、戦前、明治、大正・・・と時を遡り調べていく。
    それで見えてきたものとは-。

    最初にホラーストーリーと紹介しましたが、ホラー味は薄いと思いました。
    主人公たちが調べていく中で怖い話が多々出てくるものの、それらのほとんどに主人公が理性的、時に科学的に理由をつけていくから。
    そして、文章がとても堅いから。
    変に怖がらせようとか演出をしないで淡々と描いています。
    それがリアルさを増して怖いと言えば怖いけど、小説としては踏み込みが浅いというか・・・。
    もっと怖がらせてくれ!と思いました。
    出てくる話もどこかで聞いたような話ばかりだし・・・。

    結局怪異の真相ははっきりしないものの、その中で作者はいくつか推理をします。
    その中のひとつは「穢れ」の感染。
    何もない土地に怪異が起きるのは穢れた場所にいた人間がその穢れをもったまま移転しているからではないか?
    う~ん。
    それならこの地のどこも穢れてない土地なんてないような・・・。

    怪異をつきつめていく中で、現代の住宅事情、人間関係が見えてくるところが中々興味深いと思いました。
    個人的に一番食い入って読んだのは、『実話怪談を集めている人々の間には「封印された話」がある』という話。
    そういうのがあると思うだけで何となくワクワクします。

  • 何か穢れが起こったら、その穢れはずっとその土地に根付くものなのか、人、または物を介して拡がっていくものなのか。
    これがフィクションだとしても、物語の中心となる穢れをどんどん追求していく過程は面白いと思いました。
    ホラーを書く作者ならではの取材の伝手を駆使して、その穢れがどこから来ているのか、どうやって伝わってきたものなのかを考えるのは、一般の噂話とはまた違う怖さです。何となく伝え聞くホラーな話も突き詰めていけば実は一つの事件から始まっているものなのだと。
    もしも穢れ自体が場所に留まらずに拡がっていくものならば、日本中(もしくは世界中?)は怪談だらけということになってしまいますが。
    でもこの本を読んで思ったことは、いわく憑きのものや場所には安易に近づかないほうがいいんだろうなと。たとえこの話がフィクションだとしても、と思わせました。

  • 読んでいて「ゴーストハント」や「緑の我が家」を連想します。
    内容的にはリアルゴーストハント「調査編」という感じかな?
    本作の語り手は、どう考えても著者でしょう。
    付き合いのある女性から部屋での怪現象の調査を始めたら、
    明治時代まで遡ってしまって、更にはとんでもない怪談にぶち当たった
    というものだが、安原少年を彷彿とさせるような調査方法には恐れ入った。
    そしてゴーストハントでも大いに楽しませてくれた薀蓄も盛りだくさんで、
    そういうのが好きな人にはたまらないはず。
    問題は、これが事実かということだ。

    恨みをともなう死は穢れとなる。
    穢れは怪異となり、伝染し、拡大する・・・
    見聞きするだけで伝染するというのなら、
    読者は感染することになる。
    けれど、怪談でも触れてはいけない部分に関しては
    伏せられているというから、これもそうなのか?

  •  すんごく怖い。
     物語ではなく、小野さん自身のドキュメントものなのではないかと勘繰ると更に意味怖い。
     特に読んでいる最中が怖い。
     完読してしまい、納得とまではいかなくとも、合点がいくと少し救われる。
     一人暮らしの方や、大きな昔ながらの旧家にお住まいの方は是非。

  • めんつゆだったんです。とても良い鰹で出汁をとった上質なめんつゆ。でも私はむぎ茶が飲みたかったんです。そんな感じ。
    大好きな十二国記の小野不由美なのに。
    ホラー調の物語と思い込み、軽くレビューを見ても、さぞかし絶恐なんだろうとワクワクしていたら………。
    開いてみると淡々としたルポタージュ。ある意味、現実だし、語り手も盲目的に怪奇現象を怨念や祟りと結びつけるタイプではなく、あくまで中立的(どちらかといえば論理的で合理的)立場であることがリアルな恐怖なんだろうけど。
    でも求めていたものとの解離がものすごくてがっかり。完全なワガママ評価ですが。
    基本的に、面白くなくても読み飛ばしはしない主義でしたが、さーっと目を通して要点だけ読む形に。キーポイントは「触穢」ってことでいいのかな。太郎四郎の下りは大変わかりやすかったが……なんじゃそのルールって印象。
    「呪怨」がちらっと引き合いに出されますが、そんな冷静かつ論理的に分析されちゃうと、俊雄くんも 伽椰たんもてへぺろだよ。

  • 小野さん間違いない。

  • 再読

    怨みを伴う死は「穢れ」となり、新たな怪異の火種となるのかー。
    穢れは怪異となり、伝染し、拡大する…。

    作家である私は、二十年程前に文庫のホラーシリーズを持っていた。
    いまでも、時折読者から自身の体験した奇妙な出来事を報せる手紙が届く。
    賃貸マンションに越したばかりの久保さんは、その部屋に何かがいるような気がする。というー。
    畳の表面を何かが擦るような音が聞こえる。
    私と久保さんは、何の変哲もないマンションの怪異現象を調べるうちに、
    マンションやその隣の団地に不思議と人が居付かない事を知る。
    首を吊る着物姿の女や床下を這いずり廻って恨み言を言う男。
    いるはずのない赤ん坊の泣き声がする。
    だから、あの家には人が居付かないー。
    土地の過去を調べ、過去に住んで居た人を遡り、どんどん時代が遡っていく。
    大きな一つの土地が分割され、○○家と××家と△△家…という個別の家族が沢山登場し、
    どの家がどの家になったのかわからなくなるのですが、
    もうそんな事は、どうでもいいって位、薄気味悪い。
    怖い、怖い、怖い…怖いのに先が気になって止められない。

    長い歴史を考えると、色々な事が起きてるのは当然です。
    自分の住んでる土地に、どんな歴史が刻まれてきたかを考えるだけで怖い。
    穢れはその土地や関わった人や物で伝染していく。拡大していく。
    伝染する過程で、二重三重にと穢れが残っていく…色濃くなっていく…。

  • 淡々と調査したことや過去の事実が語られ、文章が特に怖いわけではないのに、読み終わってからすごく恐ろしくなった。本を手放したくなるという評判、見に沁みて実感した。図書館で借りた本だったのだが、借りた日に大急ぎで読んで翌日大急ぎで返却してきた。
    文章を読んだこと、その本を持っていることが穢れに繋がるようで・・・。本の内容もなるべく早く忘れてしまいたい、と思わせる作品だった。こわいこわい。

  • 初読み作家さん&映画化で気になり読んでみた。読み始めはさほど怖さを感じなかったが、読んでいくうちにだんだんと怖さを感じてしまう内容。ワケあり物件で起こった怪奇現象の原因を調べるのに過去に遡り、昔にそこの土地で起こった強力な感染力を持つ何かにより次々と不可解な伝染が起こり、甚大な被害になったのが、根本的な原因だろうというのは身近な恐怖だと感じ、特にルポ形式の文章がガツンとくる怖さと違い後からじわりとくる怖さを感じさせる。過去の出来事が拡大し、今、自分の身に起こる危険を孕んでいるのが一番怖さを感じる読後。

  • じわじわ不穏な雰囲気が盛り上がって恐さの沸点が高まってくると、語り手である「私」が現実的な理由を並べて、平熱に戻す、というやり取りの積み重ねだった。それが、ページが進んでいくと戻るはずの平熱が下がらずに高熱のままになっていく。そういう、日常が崩れて行く感じが怖い。
    土地が穢れている、という考え方があると私が知ったのは結構最近なのだけれど、それを裏付けするような内容で、ホラーというよりノンフィクション的な小説でした。生活の知恵的に読んでおいてよかったなと思うほど。

  • 図書館で借りた。マンションで変な音が聞こえる…そこから原因追求をしていくルポルタージュ形式。呪われた土地になったと言われるのは前住者のせいなのか?と思い土地や家屋の歴史を調査していくうちに、赤子殺害、一家惨殺、放火、精神疾患、座敷牢、いわくつきの掛け軸など絡み、最後は事の発端が遠隔地にあると発見。地味に怖いなと思ったのは事の発端の場所が県民として速攻で分かった事。ジワジワくる怖さはあった作品。

  • 小野主上のホラー。小説というよりは、ドキュメンタリーのような書き方なので、淡々としている。それがゆえに怖いところもあるけど、これを映画化して盛り上がるのかな?と余計なお世話な心配をする程度には怖くなかったです。

  • 15/12/16読了
    読み終わってからここのレビューをいくつか目にして、確かに直接的な怖さを求めるひととかホラーを読み慣れてるひとには怖さが足りないのかもしれない、と。個人的には読み進めるにつれ怖くなったし、具体的に思い描いてはいけないと言い聞かせながら読んだ。

    身近に感じてしまうこわさ。

    …あと、小野不由美の体調はほんとによくなさそうだなぁ、十二国記読みたいなぁとの思いもつのらせてしまいました

  • 確実に記憶に残る本、記憶に残る恐怖。

    心霊映像好きな私をして、来春の映画公開に躊躇するほどの気味の悪さ…。

    こ わ い

  •  土地の穢れが伝染して連鎖を生みだしていくという  話。 とあるマンションの一室で起こる怪奇現象を追っていくと、その土地に昔あった家での悲劇に行き当たるが、その家の悲劇の原因もまた過去の穢れによるもので・・・。と、連鎖する穢れを追ってバブル期、高度経済成長期、戦後、戦中、戦前とどんどん時系列をさかのぼっていく。前半の話の進みはゆるやかだけど、連鎖の糸口をつかんでからは一気に引き込まれた。
     
     主婦のネットワークを利用したり、古老に話を聞いたりと、真相を調査していく過程がおもしろい。そして、調査とともに関係者に表れる不調やケガを、「ただの偶然だろう」と流す主人公の様子が怖い。小野さんは読者の想像力をかきたてて恐怖を煽る、思わせぶりな描写がうまいと思う。『鬼談百景』も半分くらいまでは「そんなに怖くないな」と余裕ぶっていたのに、読んだ後背後が気になってお風呂に入れなくなった。
     
     あと、ずっと「死人が出た部屋や家は忌避されるけど、極端な話、戦国時代ぐらいまで遡ったら、人が死んでいない場所の方が少ないんじゃないの?」と思っていたけど、それと同じようなことが文中で書かれていて、つい激しく同意してしまった。この本に書かれている「穢れ」の考え方は、その一つの答えになっていると思う。

     物語の後半は、時も場所も違うところに行き着くけど、それまでの広がりに比べると、ラストはあっさり。最後はどんな風になってしまうんだろうと怖がりながら少し期待していた身としては、ちょっとあっけなく感じた。

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残穢の作品紹介

怨みを伴う死は「穢れ」となる。穢れは怪異となり、伝染し、拡大する。
「十二国記」の小野不由美、9年ぶりの書き下ろしドキュメンタリー・ホラー長編。

メディアファクトリーから同日発売される『鬼談百景』は、本書とリンクした作品です。

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