残穢

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103970040

感想・レビュー・書評

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  • ミステリー的に楽しめた。表紙の絵、目からビームでているのはイミフ。

  • 久しぶりの小野せんせえの新刊・・・!
    さすがのクオリティでぞぞっとなる瞬間が何回もありました。小野せんせえのホラーは独特のリアリティがたまらない・・・。
    でも後半に行くにしたがって話が広がってくのがなんだか散漫とした感がぬぐえませんでした。ぞくりホラーで最後まで読みたかったかな・・・

  • 小野さんの新作。待ってました。主上ありがとうございます。
    でも怖いです。
    これ、もし自分が一人暮らししてたら読後の怖さが3割……いや、3倍だろうなって思います。

    主人公の女性作家の描写が描写なだけに、わかってはいても思わずこれはフィクションなんですかノンフィクションなんですかと思ってしまう。
    そんな現実と虚構が曖昧な頭に、身近に、それこそ今いる部屋の隣で起きるかもしれないような怪奇を次々と挙げられると実に背筋が寒い感じがします。
    「ぶらんこ」と、さあーっと畳を擦るような音。その正体に思い至った瞬間の恐怖は想像を絶するだろうな、と。そして思い至ってしまっては、全く正体のわからなかった時には戻れず、そこに怪異があるという現実と同居せざるを得ない。
    淡々とした文章なだけに逆に怖さが引き立ちます。

    連鎖を追えば追うほど闇が深くなり、後戻りができなくなっていく感じがぞわぞわします。

  • 語り手は、少女小説から出発した作家さん。
    この時点で色々…そう、色々勘ぐるものが出てきますが
    もちろん(?)単なる物語ですよね!? と叫びたい状態。

    淡々と語られるせいなのか、それともそのせいで
    色々想像してしまうせいなのか。
    突き詰めて話を探してる時はいいのです。
    ただ、怪異の原因になりそうな所に行き当たった時
    現象をもろに想像してしまいます。
    それ以外は普通。
    多分普通。
    と、思ってしまっているだけかもしれませんがw

    しかしこんな長い間、よくもほり続けて引っ張り上げて
    根と思わしき所へとたどり着いたものです。
    ある意味、執念、と言っても過言ではないかもしれません。
    何かに取りつかれていた、そんな状態で。

    現象を体験してしまう人もいれば、そうでない人もいる。
    その差は一体何なのでしょう?
    そして、感染してしまったのは…作中で語られていた
    伝染方法と関係しているのでしょうか?
    薄くなって薄くなって、もう気がつかない人もいる、という感じに。

    全編通して言える事はただひとつ。
    ひとりで物音のないような状態で読まないで下さい。
    微妙な怖さが育ってしまうかも知れません。

  • 著者とおぼしき作家とその読書が、越した部屋で起こる怪異を調べてゆく話だが、単に怪奇現象と断定せずに足と調査で辿ってゆく様は筆者のホラーシリーズに似通ったものを感じて楽しめた。
    部屋で不可解な物音がして、不可解な物を見たと言うよくあるような怪談話をあんなにも根深いものとして描いてあったのはさすがの一言に尽きる。連鎖する怪異が地味に怖い作品でした。
    鬼談百景で語られていた幾つかの話とリンクしており、鬼談百景から読んだ方が良いと言う意見にも納得。

  • こここここ、怖かった・・・!
    ルポルタージュの手法で書き進められる、ある怪談。
    それがどんどん拡散していくんですが、その根っこにあるものはなにか、探っていくうちにたどり着くのが・・・・・・どんどん私の住んでいる地域に近づいてくるので、それが、もうちょっと。
    なんか。夜読んでいたら、寝るのがいやだっただろうなー。

    しかも、読み書きで、伝播する、って。
    信じなきゃ終わりなんでしょうが、こう理論的に攻められてくると、論理的にものを捉えたがる人間としては、弱点を攻められているようで、信じちゃいますよ、これは。怖い。
    怪談を聞いて、「へぇー」で済ませる人間に、これだからなぁ・・・・。

    あと、挿話的につむがれる、著者自身の(と、捉えて構わないのか?)身体的症状に、寡作だった著者が突然多作に転じた理由がわかった気がして、ともかく無事なことに、ほっとしました。


    ・・・・いや、これは、フィクション、フィクション、フィクション。

  • ドキュメンタリータッチの文章が新鮮で面白い。
    前半は臨場感溢れる描写と現象の得体のしれない感じが恐怖感を誘ったが、後半は大本が見えてきたのと話が大きくなりすぎたのとで現実味が薄れ、あまり怖くなくなってしまった。

    間取りや建物の配置が念入りに描写されるが、説明がわかりにくい(手前や奥という表現と西側東側等の表現が併用されるので、飛び飛びの描写を併せて推理しないといけない)ので読んでいて頭が追いつかず、結局何度も読み返してメモして図にしてやっと納得。
    いつも思うのだが、何故綾辻行人の館シリーズのように図面をつけないのだろう。自分で描いてね、その方が楽しいでしょ?ということなのか。

    個人的には心霊描写よりも、筆者の体調が心配で、そっちの描写にスリルを感じてしまった。

  • ―――この家は、何処か可笑しい。
    あっと驚くような展開を期待すると少々物足りないかもしれないが、ふとした瞬間に背後や頭上が気になるような怖さがあります。じわじわと侵蝕する恐怖。「もしかしたら、私の家も…」という不安が過ぎる作品。

  • ホラーにドキュメント、という部類があるのかよく分からないのですが、そんな体裁で進んでいく作品です。読み進めれば進むほど、起こっている出来事としての恐怖ではなく、その底なしのような連鎖感に恐怖を感じます。知らないうちに誰もが拾ってしまう可能性のある恐怖感。ついつられて自分の周囲が気になってしまったり。ホラー作品というより、自分は安全か?と思ってしまうようなホラーです。

  • この「私」がすごくリアリティーをもって「小野不由美」なので、ほんとにルポなのか?と思ってしまう。どうなんだろう?
    小野不由美のファンで、インタビューやあとがきなんかをよく読んでいる人なら分かると思う。このリアルさが余計怖く感じられるんじゃないだろうか。
    これは鬼談百景を読んでから読むべき!まだの方はぜひそうしてください。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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