夜のピクニック

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 7261
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103971054

感想・レビュー・書評

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  • 恩田陸はガーッと読めなかった数少ない本です。

    夜を徹してただひたすら歩く。
    まさに青春が詰まってる
    同じ気持ちで読んだ

    この作者の本少なくとも、4〜5冊は読んでるが
    まだ見えない作家である、また挑戦したいとは思ってる

  • 北高校の恒例の歩行祭、朝8時から翌朝の8時まで2時間の仮眠をはさみ、夜通し80キロを歩き続ける。修学旅行はないが、3年間歩くという、高校生活の最大のイベントとなる。
    甲田貴子は、同じクラスの西脇融と異母きょうだいであるが、周囲からは知られていない。
    お互いにわだかまりを持つ二人は、いろいろな思いをもち、最後のイベントにいどむ。
    さわやかな青春小説ですね。

  • 蜜蜂と遠雷で恩田陸さんが大好きになったので、もう一つの本屋大賞受賞作も読んでみた。
    私的には蜜蜂と遠雷の重厚的な文章の雰囲気が好きだったので、夜のピクニックのスラスラ読みやすい感じ、淡々と進んでいく感じはちょっと物足りなかったかな。それでも、最後融と貴子が和解をするシーンは読んでいてちょっとジーンときた。
    途中で忍が言ってたことじゃないけど、この本はもっと早くに読んでおくべきだったかも。中高生とか、まだ青春真っ只中だった時期に。
    青春って、自分で青春やってる時は全然青春してるなんて思わないけど、過ぎてから振り返ると、「あれが俗にいう青春だったのか」と思う時があるよね。最後に自分の心に残った言葉を記録のために書き残しておきます。

    「お前が早いところ立派な大人になって、1日も早くおふくろさんに楽させたい、独り立ちしたいっていうのはよーくわかるよ。あえて雑音をシャットアウトして、さっさと階段を登り切りたい気持ちは痛いほどわかるけどさ。もちろん、お前のそういうところ、俺は尊敬してる。
    だけどさ、雑音だってお前を作ってるんだよ。
    雑音はうるさいけど、やっぱ聞いておかなきゃなんない時だってあるんだよ。お前にはノイズにしか聞こえないだろうけど、このノイズが聞こえるのって、今だけだから、後からテープを巻き戻して聞こうと思った時にはもう聞こえない。お前、いつか絶対、あの時聞いておけばよかったって後悔する日が来ると思う」

    • まいけるさん
      私、この学校の卒業生なんです。
      だから、歩く会という名の夜のピクニック、体験しています。高校時代のほろ苦いいい思い出です!
      私、この学校の卒業生なんです。
      だから、歩く会という名の夜のピクニック、体験しています。高校時代のほろ苦いいい思い出です!
      2024/04/23
    • 茉央さん
      まいけるさん、フォロー返していただきありがとうございます!とても嬉しいです。
      そしてまさかの作品のモデルになった学校の卒業生なんですね…!そ...
      まいけるさん、フォロー返していただきありがとうございます!とても嬉しいです。
      そしてまさかの作品のモデルになった学校の卒業生なんですね…!そもそもそういったモデルがあること自体知らなかったので、びっくりです。
      もし自分が実際に学生だったら、疲れるしめんどくさいので絶対に嫌なはずなのに、この本を読んでしまうとそれすらも青春な気がしてすごく羨ましいです。自分の青春時代とリアルに重なる本があるってとっても素敵なことですね。
      2024/04/23
    • まいけるさん
      歩く会の前の体育の授業は河原の土手の持久走でした。笑
      恩田陸さんも同じ学校で、あの自由な気風を味わったと思うと嬉しいです。
      これからもよろし...
      歩く会の前の体育の授業は河原の土手の持久走でした。笑
      恩田陸さんも同じ学校で、あの自由な気風を味わったと思うと嬉しいです。
      これからもよろしくお願いします。
      2024/04/23
  • たった一晩の話しの中で、色々あってもなんとかしちゃうし、気づきがあったし。

    • まいけるさん
      母校の話なんです。これ。
      母校の話なんです。これ。
      2023/11/30
  • 一緒に歩行祭に参加している気分で読了。
    夜の情景や土曜日の朝夜が明ける景色、田舎の長閑な風景が見えてきました。高校生だとこんな感じだったよなぁとしみじみ思いを馳せる作品でした。

  • 【再読】10年ぶりくらいかもしれない。学生時代に読んだときは、表立っては何も起こらないストーリーになんとなく不満を覚えた気がする。学生時代から抜け出して読んでみたら、やっぱり何も起こらないんだけど、青春だなぁとしみじみ思った。あからさまなキラキラではないけれど、その時だけ感じられる想いが詰まってるところに青春を感じる。今よりもっと歳を重ねて読んだら、また違った感じ方をしそうで楽しみ。

  • 「歩行祭」でのミステリーかと思いきや。
    純粋に青春小説だった。
    ちょっとした謎とわだかまりと優しさが甘酸っぱい

    大人のわたしには、もう遠い思い出でしかない風景をその場で見ている感じが良かったです。

  • 自分の高校生の頃を思い出した。
    こんな距離でも高校生は話してれば歩けるよね。
    青春がまぶしい!

  • ドキドキするような付箋がいくつか張られていたけれど、回収がなんとなく予想のつくようなものばかりで、特に驚きなどはなく、終わってしまった。対象年齢が少し低めに設定されて書かれているものなのかな、と思わせるようなありきたりなハッピーエンドだったので、個人的には好きな物語ではありませんでした。特に心理描写や風景描写で魅せるタイプのものでもなく、ストーリーが重視される物語であると思うので、退屈だなと感じる人と、甘酸っぱい青春を感じさせていい!と感じる人で分かれる気がします。

  • 高校生最後のイベント、歩行祭。その日、貴子はある決意を持って歩行祭に臨んでいた。
    舞台は歩行祭当日の朝から翌日の昼まで。登場人物達はひたすら歩いて話す。それだけなのに、この世界にすっかり引き込まれてしまった。自分の中での特別な一冊です。

    • koshoujiさん
      舞台は歩行祭当日の朝から翌日の昼まで。
      登場人物達はひたすら歩いて話す。
      それだけなのに、この世界にすっかり引き込まれてしまった。

      ...
      舞台は歩行祭当日の朝から翌日の昼まで。
      登場人物達はひたすら歩いて話す。
      それだけなのに、この世界にすっかり引き込まれてしまった。

      そうなんです。私も同じでした。
      たったそれだけの話なのに、何故にこれほど感動するのか、不思議です。
      恩田陸、恐るべし。としか言い様がありません。
      2012/03/18

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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