小説以外

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103971061

作品紹介・あらすじ

世の中には、二種類の人間がいる。物語を愛する人(読書家)と、物語に愛された人(小説家)。稀に両者を兼ね備えた人間が産まれるが、年間2000枚の原稿を書き、200冊の本を読む恩田陸はその典型と言えるだろう。あらゆるジャンルで活躍する現代の語り部は、どんな本を読み、どんなふうに原稿を書いてきたのか?デビューから14年分のエッセイを集大成し、作家・恩田陸の秘密に迫る。文字通り「小説以外」のすべてが分かる、ファン必携、恩田陸解体全書。

感想・レビュー・書評

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  • エッセイ。恩田さん個人の事はこれまで全く知らなかったけど、とんでもない読書家かつ文化的な教養に溢れた方だった。お気に入り本の紹介が多く、色々な本に詳しすぎて置いてけぼりになることもあったが、読みたい本リストがたくさん増えた。

    夜のピクニックに出てきた歩行祭、実際に恩田陸さんが高校時代体験したものだったのか。びっくり。
    東京は様々な時代のつぎはぎのモザイク状、京都は重層的に積み重なるミルフィーユ状、とは上手く言うなぁ。
    家族の最小単位は1。
    論理的思考が出来ない、というところに親近感が湧いた。私も。
    文字は本来声に出して読むものだった、だから昔の文学は朗読していて気持ちがよくリズムが流麗、というのが興味深い。

  • エッセイ集。
    恩田さんは「エッセイを書くのは苦手だ」と言っているが、本好きにとっては共感したり、これから読む本の参考になったりと面白すぎ。
    恩田さんが中学のときに合唱をやっていたことも判明して、自分との共通点が増えたようで何だか嬉しい。
    でもテスト前に読むのはまずかったかも…
    読みたい本が増えるー。

  • わたしは作者とは違って、面白い物語を書いた人がどんな人物なのか俄然気になるタイプだ。そして、わたしは彼女が好きになった。

  • 私の最愛の作家が恩田陸だったころのエッセイを集めた作品。

    まさにハマっていた時代の書き物だと途中で気づき納得。
    とにかく必死に書いている様子で(たまに手抜いてる感じするものもあるけど)、恩田陸独特の匂いが強く香る。

    最近はふつうの?作家になろうとしすぎているのではないか。

    プロット命だったはずが、彼女特有の匂いが感じられない作品を近年出しているけれど、私が読みたいのはこういう作品だ、と思った。

  • めちゃくちゃ楽しかった!恩田陸初期の「小説以外」の文章がぎっしり詰まった一冊。

    個人的に私は恩田さんは初期作品に好きなものが多いので、「コレをもとにユージニアを書いた」とか「三月は深き紅の淵をは色々詰め込んで」とか出てきてテンションマックス(笑)その都度小説も引っ張り出して読んで……してたらめちゃくちゃ読了に時間がかかった。

    コレはぜひ手元に欲しい!!できたら文庫で!とか思ったら、まさかの文庫化されていないという……しかも絶版?

    いやぁ、もう最高でした…とりあえずまた読みたくなったら図書館で借ります(知名度が低いのか、わりといつも棚にある)

  • 「旅する読書」より

    「(前略)読書そのものより、旅に出る前に、旅先で読む本を選んでいる時が一番楽しい。結局読まずに帰ってくることが多いけれど、バッグの中に文庫本が一札入っている、この文庫の分の読書の時間が入っているというだけで安心なのだ。(後略)」

  • 38478

  • 紹介されている本を登録したら膨大な冊数に。。
    速記能力が欲しい。。
    (意外だったのは作者が記憶力がなくて、結末を忘れている、との事。タイトルがこんなに浮かぶのだから凄い暗記力だと思っていた。)

    北村氏と宮部氏の選ぶ短編アンソロジーを読んだが、恩田氏紹介のも面白そう。
    実現しないだろうか。。

    「本を読む以外の時間は…」
    →大学のてごたえの無さ、確かに。。
    「記憶の図書館」
    →今まで読んだ順に並べられる図書館、欲しい!!
    タイトルが思い出せない本沢山ある。。
    「テレビ」
    →目から鱗、だけれど凄く共感した文章。
    確かにテレビついてると動きたくなる。。
    ”あの子は早く今の歳に見せようとしてこれまでの時を無駄にしてきたけれど、今後は今の歳のままでいようとして、これからの時を無駄に過ごすでしょう。”

    「本屋大賞受賞のことば」
    →通っていた高校行事だからリアリティが凄かったのか。
    今作で「やっと普通の小説を書いた」と言われたそうだが
    これが初読だったので、恩田氏の他作品を読んだときは難しく感じた事を思い出した。。


    フランスのジャズピアニスト ミシェル・ペトルチアーニ。
    ディヌ・リパッティ。
    (リヒテル「展覧会の絵」、リービンシュタインのショパン)

    『三月は深き紅の淵を』から派生した作品が
    →『黒と茶の幻想』
     『麦の海に沈む果実』
    →『レベッカ』みたいに、ゴシック・ロマンの実現

    『光の帝国』
    →萩尾望都『精霊狩り』ゼナ・ヘンダースン『ピープルシリーズ』

    『ネバーランド』
    →『トーマの心臓』

    『ライオンハート』
    →萩尾氏『ヴィオリータ』ロバート・ネイサン『ジェニーへの肖像』

    『ロミオとロミオは永遠に』
    →萩尾氏『この娘うります!』


    個人的に『錆びた太陽』は「ピースメーカー 取材の記」に多少関係ありそうな。。

    とにかく情報盛りだくさんで、メモを取っていたら大変だった。。
    ミステリー小説、読んでみようか。。

  • 【配置場所】特集コーナー【請求記号】914.6||O【資料ID】10503175

  • 2005年4月30日、初、カバスレ、帯無
    2014年2月22日熱田国道1号BF

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

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